
甘えられないあなたへ、人を頼ることについて。
自身の変化が大きかったこの10年のことを雑に振り返りつつお話しします。今日は「ひと様に迷惑を掛ける」ことを恐れなくなったという話。
人を頼ることができませんでした。甘えるとかお願いするとか、まず無理でした。頼り方も、甘え方も、お願いの仕方も、まったくわかりませんでした。どうしていいやらわかりませんでした。そんな私が今や人に頼りっぱなし、甘えっぱなしという話。
※経緯をすっ飛ばしたい方は後半からお読みください。
キッカケは
身体を壊したことがキッカケでした。腰椎椎間板ヘルニア。うん。なるべくならお友達になりたくないアイツです。
当時勤めていたブラックな会社でのアレコレが響き急にドカンと来た感じ、まともに歩けなくなりまして。自室からトイレに行くのにジリジリ這って15分費やすなどという有り様でした。
何もできない中で頭はハッキリしていることの苦痛
仕事も失い、貯金は底を突き、症状は悪化するばかり。まだ若いというのに自分の身体すら思うように動かせず、日常的な動作の何一つ自分では満足にできず。「絶望ってこれのことだ」と思いました。
ヘルプマークが欲しかった
見た目ではわからない疾患であること。痛さなど程度や不自由さが外からは見えず、他人から白い目で見られたり邪険に扱われたりすることばかり。
そろりそろりと歩いていると、ぶつけられたり押し退けられたり舌打ちされたり。人が嫌いになりました。ヘルプマークは当時まだありませんでした。
日一日と追い詰められる
また、これから先にできる仕事は限られてくるであろうことの不安。そもそも仕事ができる状態まで戻れるかどうかの心配。この状況の独り者が今度どうやって生きていくのか、そんなことを考えて落ち込むばかり。
はやく人生終了しないかなと思った
一縷の希望も見出せず、毎日ただ泣いていました。今思えばあの頃はうつ状態だったのだな、と。結局、保存治療とリハビリで不自由なく生活できるようになるまでに戻せたのですが、復帰までに数年を費やしました。
ハイ、ここでちょこっと脱線しまーす。
この話を書いていて思い出した記事をリンクしておきます。これに比べたら私の不幸なんて不幸の内に入らないくらいの話なんだけど、それはそれ。比べるものでもないと理解しておりますけども。
踏んだり蹴ったり、泣きっ面に蜂。世の中や世間というのはドSなのだ。こういう時だって待ったナシなのだ。
もとい
そんな状況だったので、この期間は人に頼らずには生活できませんでした。生活できないというより、生きられませんでした。
事故でもないのにある日突然自分の身の回りのことが何一つ満足にできなくなる。これ以降、私の人生なにもかも、ガラりと変わったのでした。
「自分でできている」は勘違い
こうなると、すべてが違って見えてきます。たとえば他人に迷惑を掛けないように心掛け一人で頑張っていたとしても、思いとは裏腹に絶対に迷惑を掛けているのだし助けられているのだし、どうせ迷惑を掛けるなら、ちゃんと頼もう、甘えよう、お願いしようって。
「自分でできている」って何よ、傲りも大概にせえよと。
屁理屈みたいになってしまうんだけど。
たとえば「頑張っているから稼ぎがイイ」は雇用してくれる人があってのこと。「良いアウトプットができた、俺天才!」だって、それをよしとしてくれる人があってのこと。
おいしいごはんが食べられるのは生産や流通、調理やサービスを支える人があってのことだし、服や美容、音楽や映像や舞台や出版だって同じ。
どんな物事にも言えること。「お陰様で」というものです。
頼っていこーぜ
私の場合はキッカケが少々ハード気味だったというだけで(傍若無人だったから罰が当たったんだと思う)、誰も彼も似たり寄ったりなのよ。
片意地張っていないで頼っちゃえばいいのよ。
自分の役割、やるべきことは一所懸命に取り組んで、それでもどうにもならない分は早めに助けを求めて、手伝ってもらって、助けてもらった分を別のかたちでちゃーんと返せばいいのよ。
質もスピードも桁違い
実際、そっちの方が効率もクオリティもいいんだから!無理して抱え込んで頑張っちゃって、最終的に広域に迷惑掛けて質も散々とか、最悪じゃない?
そういうの、センス無いじゃない?
人間ひとりができることなど高が知れているのですから、陶酔していないで、意固地になっていないで、怖がって突っぱねていないで、じゃんじゃん循環させていきましょ。
チリツモ的でいいじゃない?
抵抗があるなら、小さなことからやってみればいいじゃない?
「難しくてわからないから教えて」「決めきれないからアドバイスして」「届かないからアレ取って」「不器用でできないから助けて」「美味しそうだからひとくち頂戴」「がんばったから褒めて」とか、そんなレベルの話でいいよ。
誰かに何かをお願いするかたちなら何でもいいよ。積み重ねていって、そのうちに慣れればいいよ。
アレに似ている
恋愛系コラムによくある『意中の男子を落とす簡単☆甘えテク』みたいな。
うん、大差ない。だって実際、コレが抵抗なく出来るようになってきた頃からモテ始めたんだもの!実感する程度にはモテるという。まさかの副産物。
考えてみればモテるのも自然な話で
ツンケンして突っぱね、結果テンパって周囲に迷惑を掛ける人より、できないことはできないと、早い段階でフォローを求める人の方が付き合いやすいもの。素直だなぁって思うし。
素直な人って素敵じゃない?できないことを認めて、アドバイスを求める姿勢、学ぼうとする姿勢。年齢問わず、男性でも女性でも。
慣れは偉大なり
口に出すことに慣れるということが大事。最初は抵抗あるだろうし、気持ちの悪さもあるだろうけど、続けていればそのうち慣れる。慣れた頃には様々がスムーズになる。
ちなみに私は本当にダメだった。1年くらい違和感があって、それでも2年目には大分変わり、3年目くらいで抵抗がなくなってポンポン頼むようになった、そんな感覚です。
小さなことを続けていれば、そのうち世界は大きく変わる。
お金の掛かることでもないし、準備が必要なことでもない。まずは一日から。気軽にやってみてはいかがでしょう?
いいなと思ったら応援しよう!
