サンサシオン 〜絵という旅路へ
『天使の旅シリーズ』の作画🎨は、私がこれまで旅してきた場所を、
天使の目線から俯瞰して描くものです。
以前、オランダを訪れた際、離陸する飛行機の窓から見た街並みに感動した記憶は、今も私の中に鮮やかに残っています。
スマートフォンがなかった時代、写真や特にハンディカム📹は大切な記録手段でした。
その中に収められた音や会話は、臨場感とともに思い出を鮮明に蘇らせてくれます。
作中に描く人々や子供たちの表情には、旅先で出会った実際の人物たちが投影されています。
そして、この「サンサシオン」(制作の感動)を込めて、一枚一枚を渾身の力で描き上げています。
作画風景
基本的にペン✒️を使い、特に浸けペンで「丸ペン」「スクールペン」「Gペン」を使い分けます。
均一な線しか描けないドローイングペンでは抑揚が出ないため、浸けペン独特のタッチが、植物や人物の自然な動きを表現するのに適しています。
使用しているインクは「ウィンザー&ニュートン」。最終的には自分で調合したインクも活用しています。
現在描いている10号サイズ🖼️の作品では、下絵だけで1年以上を要しています。まだ着色には至っていませんが、それもまた旅路の一部です。
絵との対話
サムネイルからラフスケッチをいくつも描き、それを元に下絵を完成させます。
画面上のパース感覚は特に重要で、建築デザイン時代に培った手描き図面の技法が役に立っています。
アクソメ図法で仕上げると、独特なパースがこの絵にしっくりきます。
線はすべてフリーハンド。📏定規は一切使用しません。
時間をかけることで、途中でのアイデアやバランス調整を反映させることができます。
絵との対話の中で、「ここをこうしてほしい」「ここはおかしい」などと、絵が語りかけてくるような感覚があります。
この進み方は、まるで絵と散歩をしているかのようです。
墨入れと着色
下絵が完成したら、次は墨入れ。資生堂デザイナー時代に鍛えられた、
「1ミリの中に10本の線をフリーハンド🖊️で引く」という技法が活きています。
線は定規を使わず、ペンを躊躇なく走らせます。紙の繊維やペンの動きによる温もりが、完成度に大きく影響します。
墨入れの後は、水彩で着色を行います。遠近感や情景の最終的なバランスを見ながら、✨✨ラメ感を出す「雲母技法」なども取り入れます。
これは、浮世絵の技法から得たヒントです。
最後の仕上げ
着色が終われば、最後の🖊️ペン入れを行います。建物、植物、水など、それぞれに表情を持たせながら描き込みます。
例えば、水の表現だけでも1週間かかることがあります。最後に天使を描き入れ、旅の物語を完成させます。
このプロセスを通じて、作品はまるで自分の子供のように愛おしいものとなります。
どの家の部屋にも馴染むような絵画を描きたい。その想いは、資生堂でカレンダーを制作していた頃から根付いているものでした。
サンサシオン
最後に、額装を行います。マスキングテープを剥がし、額縁に合うマット紙や色味を慎重に選びます。
3ミリの縁に金色の絵の具を塗る作業では、職人のように息を止めながら進めます。
完成した作品🖼️を見た方々が、旅に出たような癒しを感じてくだされば幸いです。
さぁ、あなたも天使👼を見つけられたら、きっと幸せが舞い込んできますよ。
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