MBAランキングを考える2 (T15編)

アメリカMBAのランキング考察、第二弾です。 

前回同様、データは1997年以降のUS news rankingの順位(Poets&Quants等の記事より発掘)としました。なお、1次情報ではないうえ手打ちのため誤データ掲載の可能性があること、また、すべてランキング順位の話であり、特定の学校を上げたり貶める意図はないことを、予めことわっておきます。

今回はM7に次ぐ学校群、T15について考察します。M7以外のT15+コーネルの9校にCBSを加えた、10校のランキング5年推移はこちらです。M7編よりも変動が激しいのが見て取れるかと思われます。

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概観としては、「T 15第一集団からハース、タックが抜け出し、M7の壁を破る。その他6校は団子状態になりつつも、イエールの躍進、UCLAの続落で集団内順位は大変動」です。集団ごとに分けて見ていきます。

第一集団:徐々に振り落とされハースの単独走に

2000年代前半は、top10残りの3枠をデューク、ミシガンロス、タック、ハースの4校で争う、という展開でしたが、徐々にハース、タック>デューク、ミシガンロスと集団が分かれ、後者は第二集団に吸収されてしまいました。その後、M7の一角、CBSを巻き込み3校体制となりますが、2010年代にタックが続落傾向に入り、第二集団に吸収された結果、ハースの単独走(+CBS)となっています。


第二集団:熾烈な10位争い、UCLAは振り落とされる

UCLA、ダルデン>NYU>イエールという集団が、2000年代後半にデューク、ミシガンを吸収し、トップ10残りの一枠を争う6校の集団を形成します。合格体験記等でUS TOP10が指す学校がまちまちで、全部数えたら15校くらいになるのはこれが原因です。21世紀に入っての第10位は、タック→ハース→ミシガンロス→タック→デューク→ミシガンロスと目まぐるしく変化します。

2000年代後半にNYUが一気に順位を伸ばし、2010〜2015年まで10位を盤石にし、同じNYのCBSまであと一歩というところにまで迫りますが、その後再び第二集団に吸収されます。そして2016年以降、10位争いは、ダルデン→イエール→ミシガンロスと続き、第一集団から吸収したタックへと変わります。この混沌状態の中で、2000年代には集団最後尾だったイエールが、着実に順位を伸ばし、集団を抜け出して、9位に定着しつつあります。

対照的にUCLAは順位の長期下落傾向が続き、集団内で徐々に後退し、2010年代は15位に定着、近年はコーネルと逆転しつつあります。タックやUCLAがここ数年でランキングを下げている要因として、この2校は他校と違い、TOEFL不要やEAの採用、Test Waiveというテストスコアの多様化の流れに乗らず、GREの平均スコア(Median)も他校に対して高めである(他は結構な差でGMAT>GRE。ミシガンロス、デュークはGMAT換算630)ことから、GMATのみを要素とするランキング算定において割りを食っている、ということが考えられます。イエールもGRE平均スコアが高い(GMAT換算720)ので一概には言えませんが…

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(出典:https://poetsandquants.com/2020/03/23/average-gre-scores-at-the-top-50-mba-programs/3/)

また、タックはイエール、UCLAはUSC、と地理的に近いライバル校の躍進の煽りを受けている可能性も考えられます。(USCについては次回考察)

いずれにせよ、あくまでランキング順位の考察であって、ランキングと学校の魅力やステータスとが必ずしも比例するものではないと、改めて言い添えます。

次回は、なかなかの大変動が起こっているTop20について考察します。

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