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映画「グリーンマイル」で出てきたコーンブレッドという食べ物がどんな味か気になっていたので作ってみた話

グリーンマイル」という映画をご存知でしょうか。スティーブン・キングの小説が原作でトム・ハンクスが主演した1999年の映画です(日本上映は2000年)。大恐慌時代、ある刑務所の死刑囚監房の看守ポール(トム・ハンクス)たちが不思議な能力を持つ心優しい冤罪の死刑囚コーフィと交流するドラマです。
 映画を観たのは10代前半で実はその詳細をあまり覚えていないのですが、ひとつとても印象に残っているシーンがあります。それは、看守ポールがコーフィに、死刑になる前最後になにを食べたいか尋ね、コーフィがポールの奥さんが焼いたコーンブレッドを食べたいと答えた場面です。ポールはその以前にあることのお礼に奥さんが作ったコーンブレッドをコーフィにあげたことがありました。私には、このシーンの何とも言えない切なさとコーンブレッドという初めて聞いた未知の食べ物のことが強い印象を残しました。(グリーンマイルでのコーンブレッドにまつわる話はリンクのサイトに丁寧に書かれているので興味のある方はご覧ください。)

 前置きが少し長くなりましたが、映画を観たときに気になったコーンブレッドを十数年してようやく今日自分で作ることができ、味わえたので簡単ですがその過程と感想を書かせて頂きます。

きっかけ

 そもそも、コーンブレッドを作るのに必要なとうもろこしの粉(コーンスターチではない)はスーパーとかではまず見ないですよね。コーンスープなどを作るのにもとうもろこしの粉は必要な気がしますが、日本ではあまり馴染みない食材のように思います。
 ところが約1年前、山梨県のとある道の駅でたまたま「とうものこし粉末」を見つけてしまいました。あっと思った瞬間、コーンブレッドのことが頭に浮かび、これを買えば念願のグリーンマイルでみたコーンブレッドが作られるかもしれないと思い、衝動買いに近い感じで粉を買いました。

 しかし、とうもろこし粉を買ったはものの私はずぼらな人間で、暇な時にでも作ろうかと考え、とりあえず粉を棚の奥にしまいその存在を簡単に忘れてしまいました。
 そしてそれから1年弱たった今日、台所を整理している時に再びそのとうもろこし粉と再会することになります。上の写真の通り、賞味期限は過ぎていました。しかし、そんなことは些細なことです。この機会を逃したら二度と作ることがないような気がしたので、「コーンブレッド作り」、実行しました。

実行!!

 調べてみるとコーンブレッドのレシピは結構色んなサイトに出ていて、その中から家にある材料で作れそうなレシピを選びました。そのレシピのタイトルはなんと『映画「グリーンマイル」のコーンブレッド』。これしかない!!グリーンマイルを観てコーンブレッドのことが印象に残っている人は私だけではないようです。
 レシピの詳細はサイトを見ていただければと思いますが、とうもろこし粉、強力粉、ベーキングパウダー、塩、砂糖、卵、牛乳、サラダ油を混ぜて生地を作り、型に入れて、オーブンで焼くと書いてありました。

 じゃん。材料です。

 材料を混ぜて生地を作ります。しかし、私にはレシピ通りに料理を作ることができないという悪い癖があります。今回の場合、レシピではとうもろこしと強力粉は同じ量を使うのですが、とうもろこしが多い方がなんとなく本場っぽい味がするのでは、という根拠のない考えからとうもろこしの割合を増やしてみました。

 生地ができたら型に入れます。お菓子用の型を持っていないのでホウロウのバットにクッキングシートを敷きその上から生地を流し込みました。

 そして、180℃のオーブンで25分焼きました。

 焼きあがったら熱いうちに型から出して、粗熱を冷まして出来上がりです。とうもろこし由来の黄色っぽい生地の色合いが綺麗で期待が高まります。

 中までちゃんと焼けていました。

作ってみての感想

 とても簡単でした。材料とオーブンがあれば誰でもできるます。焼き時間合わせても1時間掛かりません。オーブンがなければパンケーキのようにフライパンで焼いてもできると思います。

食べてみての感想

 美味しいです。まず、とうもろこし由来の香ばしい甘い匂いが特徴的です。また、小麦粉でできた菓子生地と違い、口に入れるとホロホロ崩れるような独特の食感がなかなか癖になります。使ったとうもろこしの粉がやや粗挽きだったので、全粒粉を使ったお菓子のようなプチプチとした感触がありそれも良かったです。改良点としては、植物油の量がもう少し少なかった方がさっぱりして美味しいのではと感じました(でも、冷えてもぱさつかず美味しかったのは油のおかげかもしれません)。

グリーンマイルを思い出して

 念願のコーンブレットを食べ、改めて映画グリーンマイルのことを考えてみました。コーンブレッドの素朴でやさしく、ちょっと田舎っぽい味は死刑囚コーフィの性格に通じるものがあるように思いました。
 最後の食事としてコーンブレッドを選んだコーフィの気持ちもなんとなくわかる気がします。不思議な能力を持つ故に苦しむ孤独なコーフィにとって、ポールからのささやかなお礼が何よりも嬉しかったのだと思う。
 他にも映画の細かい内容を思い出したい気はするのですが、映像の描写やストーリーがなかなか強烈なので今は観る勇気がでないです。いつか、もう一度観たいとは思っています。

最後に

 最後まで読んでいただきありがとうございます。もし、コーンブレッドのことをご存知なければ、よければ作って食べてみてください。売っている店を知っていたら教えてください。グリーンマイルの映画は私より上の世代では良く知られていると思います。お勧めですが、描写がきついところがあるので、少し覚悟して観てください。原作も新潮文庫から出版されています(全6巻)。


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