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ヒョウモントカゲモドキの病気【神経障害③ベンテン】


『二度あることは三度ある』

悪いことは、くり返し訪れることが多いから、よほど注意せねばならぬということを表す言葉だと記憶しているのですが……

本当に三度目が起こるなんて聞いてない_:(    _ ́ཫ`):_

事の始まりはこちらニニギの発症


2匹目ウカノ発症

上記の事案が立て続けに起こり、アズキヨさんかなり疲弊していました。
むっちゃナーバス。
何が原因か、なんでこんな事になったのか、色々情報を集めて、色々考えて、そしてめちゃくちゃ他の子にも注意していたつもりだったのに…
それなのに、それなのに…というのが今回の内容になります。

2024年9月22日(日)

その朝にまた別の子に虚脱症状が起こりました。

だらーん


ベンテンです。

2016年生まれのオスのタンジェリンエニグマ。しっぽがくるりんと巻いてる個性派のヒョウモントカゲモドキです。
元々エニグマという事もあり、首を振ったりクルクル周り続ける等という多少の神経障害はあるものの、日常生活も問題無く餌もちゃんと食べれる通常のヒョウモントカゲモドキと兼職ない可愛いヤモリです。
数日前には冷凍コオロギを4匹食べていつも通り元気に過ごしていると思っていましたが、前日から脱皮前の兆候が現れ明日には脱ぐだろうなと思っていた、その日の朝。
脱皮前で少し大人しいなと思っていたのですが、

…何かがおかしい。

脱皮の兆候ははっきりと出て白浮きした皮は今にも脱げそうなのですが、ぺたーんと寝そべって動きません。
目つきもなんだかいつもと違うのですが、その目つきはここ最近続けて見た事のあるとても嫌な目つきでした。
嫌な予感がしてベンテンをケージから出してみるとぐにゃりと力ない感触。
ベッドの上に置いて様子を見たのですが、完全にあかんやつです。

ぐにゃん
四肢をあげる事が出来ず起き上がれません。
どこ見てるの?という虚ろな目つき
ぐったりしながら痙攣を起こしています

ひっくり返っても戻る気配がありません。完全にアウトです。

身体が硬い
ひっくり返って戻らない
口も勝手に開きます


⚠️記録用の動画です。


え?生きてる?(生きています)
ひっくり返って動かない姿を目の当たりにして悲鳴が出ました。
ええ!?なんで、もうなんで??
ニニギ、ウカノに続いてなんでこんなに立て続けに異常な事が起こっているのかと思考が追いつきません。

ガッツリと出た虚脱状態。

ヒクヒクと口が震えるような痙攣と硬直気味の身体。低カルシウム症からくるテタニー症状まで出てしまっているでは無いですか。

脱水…している!!

この症状は脱水している時のものだ直ぐに気づきましたが、ド素人は確信が持てません。仮に脱水だとしてこの状態だと水を与えるだけでは回復しないのは明らかだったので、ニニギに処方されている薬を今回も飲ませる事に。
ベンテンの身体はニニギやウカノに比べると小柄なので半分の量の1滴だけ、水に薄めて飲ませました。
持ち上げた際に身体がビクビク痙攣して暴れた加減か(この時の暴れ方がニニギの時の癲癇起こす寸前のひきつけでした)脱糞してしまったのですが出てきたばかりの尿酸は白というより黄色く結晶化していて糞がコロンと硬いのも気になります。
これ、やっぱり水分足りて無い気がする。

同時進行で即病院の予約をします。何とか当日の枠が空いていたので準備をしてすぐ向かう事に。先程出たばかりの糞も持って行って検便してもらおうとパッキング。
移動に1時間半程かかるので今回も手遅れになったらどうしようという不安でいっぱいです。
前回のウカノの時は軽度だったので気持ちに余裕がありました。
前々回のニニギの時は神経障害からの癲癇発作が酷く、正直ニニギの死を覚悟していました。しかし、病院で処置を受けて投薬を続けた結果、症状は改善してこの日の時点ではかなり状態は良くなっていたので、ベンテンも病院へ連れて行けばなんとかなるだろう、助けてもらえるという淡く甘い気持ちがあるものの。
今回のベンテンは他の2匹とはまた違った症状でぐったり度が高く、反応がとにかく薄い。辛うじて生きているけど大丈夫だと安心出来る生命力が感じられない。
今にももう死んでしまうのでは無いかという不安な状態。

ベンテン...本当にあかんかも...

頭の中にそんな思いが巡ります。
こんなに脱力してしまってたら、本当に死んでしまうかもしれん...
ニニギの時は激しい発作にショック死するのでは無いかと心配しましたが、ベンテンはまた違った静かな死の気配が現実味を帯びていて怖くなります。
手遅れになるかも...という不安を抱えながら急いで準備をしました。

虚無
顔を上げたけど眼は虚ろ

脱皮前で皮はフカフカしているのに、自ら皮を脱ぐ事も無く、動く気力が無いのがわかります。いつもであれば脱皮失敗したり脱がない子は手伝って脱がすのですが、下手に手を出して何かの拍子に暴れるような神経障害や癲癇発作が出たら怖くて触れません。

兎にも角にも病院へ。
(なんか、この日はお出かけの約束があったのですが急遽キャンセルに...すまねぇ遊びに行っている場合じゃないヤモリが優先だ)
途中、信号で車が停る度に助手席のベンテンをチェックしますが元気無さすぎ。動きがほぼ無くて焦ります。

辛うじて首は上がってる
ひたすら虚無


動物病院へ到着し受付しながら、短期間に何度も似たような症状で訪れる、飼い主としてはなんとも情けない状況。
絶対うちの飼育環境に問題があるに違いない...

今朝からのベンテンの状態を説明し診察してもらいます。口の中を見たり、皮膚のたるんだ感じの確認をした先生は開口一番、

「完全に脱水起こしてますね」


あー、やはり脱水からの虚脱......
直ぐに点滴をしましょうと処置してもらうことに。
原因不明の神経障害と思っていたけれど、これだけ立て続けに異常が起これば、何かしら原因は絶対にある。その大きな原因の1つは『脱水』なのだと確信しました。
持参した糞も検便してもらいました。寄生虫の有無の確認をしてもらいましたがそちらの心配は無く、原虫等の異常増減も見られ無いとのこと。ただ、下痢はせず硬めの糞で未消化が目立つので整腸作用が落ちている、脱水により消化器官系にダメージが出ている可能性はあります。

ニニギの時にも書きましたが、今年の夏はとても暑かったです。この事案が起こった9月半ばも残暑というには異常な暑さ。
年々温暖化や異常気象といった事が話題になっていますが、日常過ごしやすいよう室内はエアコン入れててもそれでも外気温が暑くて、人も不快感があり体調を崩しやすかったのと同じように、そういった気候の影響もあるのかもしれないという話。
飼育下でのヒョウモントカゲモドキは基本は屋内での管理ではあるものの、季節の移り変わりを感じて発情したり拒食起こしたりという気候の変化をしっかりと感じている説があります。それで体調を崩すというのもあるのかもしれません。
そこからの、ちゃんとお水が飲めていなかったり、餌からの水分だけでは足りない分が増えて脱水を起こし腎臓に負担与えた末に神経障害を起こしている可能性が高いのでしょう。
水入れは置いてあれど飲んでるのを殆ど見た事ないので飲めているかは不明。霧吹きを適度にしたとしても舐めてる程度じゃ間に合っていないのかもしれません。
レオパ界隈、度々ミネラル不足だなんだと話題になるのも気になるところではあります。
人間が脱水を起こした時に、ポカリや経口補水液のようなものを飲むと良いですが、爬虫類的にはそれに代わるものはありますか?そのようなものを希釈して与えるのはどうでしょうか?と尋ねてみましたが、有効ではあるけれど爬虫類としての身体のサイズに対する濃度の事を考えると安易に行うのは医師としてはお薦めはしないとの事でした。
市販の爬虫類用のビタミン剤使ってるのが一番安心安全なんでしょうね。
点滴のあとは投薬も続けましょうとのこと。

この日の処置内容


点滴の内容は、

エンフロキサシン(前回と同じバイトリルと同じ抗生物質)
プリンペラン(制吐剤)
コバラミン(ビタミンB)

商品名は違いますが、抗生物質とビタミンは前回と同じです。そこへプリンペランが追加されていました。吐き止めとか酔い止めいう感じでしょうか。

持ち帰りのお薬は、

バイトリル
ホリゾン
ビタメジン散
グルコン酸カルシウム

ニニギとウカノにも処方されているとても馴染みあるお薬です。頑張って飲もうな!
あと、水分もしっかり補給しような!!


二週間程様子見て投薬を続けるかの経過観察予定です。

点滴後

点滴後、自力で脱げなかった脱皮皮も取り除いていただきました。鈍い色をしていますが、気持ち皮膚に張りが出て目に力が少し戻った感じがします。(触り心地全然違う)
右肩の上辺りに皮下注射されてますね。わかりにくいですが少し腫れた感じで赤くなっています。
点滴前は完全に目がいってしまってたのですが、こっちへ戻ってきました。
点滴すげぇ...
自分が応急処置しただけでは全く間に合わなかったであろう、こうなってしまっては病院へ連れて行くしかないんですよね。


帰宅後、ベンテンは朝の脱力が嘘のように動くようになりましたが、ニニギの時と同じように口を開いて(´△`)アーアー言っている感じだったので、そんなすぐには良くならないよね...ゆっくり休んでおくれ。

皿食うな
空鳴き
総排泄孔からも保湿出来るよう気持ち濡れたキッチンペーパーをしっぽ下に敷いてみました。
床ベタだったしっぽが持ち上げれるように...!


点滴凄いな...と毎回思うのですが、虚脱の改善にとても有効だと思い知らされます。
まだ目は虚ろな感じはしますが、朝の状態と比べれば雲泥の差です。

舌はちゃんと動きます
ぱか(変な口の開き方心配になるやつ)
んべ
ぱかーん
すん
ずっと口をぺろぺろしてます
可愛いお顔


食欲はあるようなのですが消化器官が今は弱っているようなので1週間は投薬のみで後は様子みて消化に良さそうなもの(水分面栄養面で人工フード推奨)をあげてみて下さいとのことでした。冷凍コオロギは暫くお休みね。

飯は?


お水がちゃんと飲めてるのか心配してたのですが、今まで使ってた水入れが少し高さがあるものだったので、もしかしたら目線より上で水に気づけてないのかもと思い少し低めのものに交換しました。
するとどうでしょう。

すぐにぺろぺろしてます。

お水飲んでます
ぺろんぬ
ぺろぺろ
うまぁ

水入れの高さ大事!!
表面張力の揺れもいい仕事してる気がする。
本当はもう少し目線と合う低めの方が良いのかもしれませんが、ちょうど良い深さで零れにくいものが見つからない...
こまめに100均の小皿コーナー物色します‪(   ◜ω◝ )...そうやって小皿がどんどん増えていく罠。

カルシウム不足解消の為にもカルシウム剤の小皿を置きました。飼育初期は置いていたのですが...いかんせん皿をひっくり返したり、踏んだ足で床や壁のガラス面が粉まみれになってしまう事が多く、ある時期から撤去してたんですね。掃除の手間がかかるので餌の時にしっかり与えていればいいやと思ってしまったんですが、それでは足りてない部分もあるのかもしれません。
舐めてるかはわからないけど踏み荒らした粉はそこらじゅうに散乱しているので、時々床を舐めたりもしてるような子達なので摂取は出来ているでしょう。多分。

すんすん

置いたカルシウムの小皿に餌が入ってるのでは??と興味津々に覗いてますが、粉しか入ってません。白い粉...身体が欲しているならしっかり舐めてくれてええんやで。

んべ
壁チョロ風ヤモリ




その後、順調に回復して2ヶ月経った今ではお薬も卒業し、すっかり回復して元気に過ごしています。(投薬は後遺症を考慮して約1ヶ月半続けました)
寒くなってきた最近ではヒーターでポカポカしながら眠って、しっかりご飯も食べて脱皮も順調に繰り返しています。
もう二度とあんな症状うちの子達に起こらないよう気をつけねばと心に誓った2024年の夏でした。
来年も暑いんだろうな...恐ろしい。
これからも元気にいっぱい美味しいもの食べて、いつまでも健やかに長生きして欲しい。その為に人間もお世話を怠らないよう頑張ります。

飯ですか?

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