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ペット禁止物件でこっそり飼う!?〜不動産屋からの注意とアドバイス①〜

(最終更新日:2024.12.9)

※本記事は賃貸物件でこっそり飼う事について管理会社視点から色々書きますが、「契約違反であり悪い事」についての話は割愛します。
そんな話が読みたくてこのページを開いて頂いた訳じゃないと思うので。
ただ、私の担当物件でやったら容赦しません!

ペットを飼える物件はとても少ないです。

なぜ少ないのか?
どんなペットなら飼えるのか?
どんな物件なら飼えるのか?

順に、賃貸業界におけるペットについて解説していきます。


目次


①ペットとは?(犬、猫、それ以外)

賃貸で飼えるペットとは基本は小型犬か小型の猫のみです。
大型はもちろん、中型も基本は無理です。

可否を種類やセンチ、体重で線引きしている所もあります。

可能性があるとすれば、貸一戸建か賃貸で出されているペット可分譲マンションでしょうか。

かなり数は少ないので「諸々の自分(人間)の希望は諦めて全てペット優先」とするしかありません。

では、犬猫以外のペットはどうでしょうか?

私が今まで受けてきた犬猫以外のペットを飼っていた方は
・ハムスター・うさぎ・小鳥・アクアリウム(金魚、熱帯魚)・大型魚(アロワナ等)・爬虫類(カメレオン等)
あたりです。

順番にコメントしていきますが、大前提、
我々管理会社はとにかくイレギュラーを無くしたいのです。

何百、何千戸、何万戸と管理していると、ペットに限らず万に一つのトラブルというものが年間だと何回も起きます。

もうトラブルが起こること自体は仕方ない事と割り切っていますが、それでも起こる可能性はなるべく排除しておきたいのです。

それでも起こりますから。

つまり、
ペットで言うならば犬猫ならある程度トラブルが想定ができ、割り切れますが、犬猫以外は飼っている人じゃないとよく分からないのです。


その動物は鳴くのか?うるさいのか?臭いのか?危険は何かあるのか?建具を齧る(かじる)のか?普段は檻から出さないのか?部屋の外に持ち出すのか?飼う事は違法じゃないのか?など。

よほど入居者が決まらない物件じゃなければ、正直

その動物のことを調べて→オーナーに説明して→許可をもらって→特約に盛り込む。

という作業も面倒くさく、手間を省きたいです。

なので、
ペット可物件とはいえ小型の犬猫以外を賃貸で飼うことは難しいです。


その上で、候補を見ていきましょう。

・ハムスター


普通の物件はまず断られるでしょう。

またペット可物件で、もし許可をもらえたとしても、敷金2ヶ月預けたり退去時の原状回復費用が高額になる事に納得出来るか、そこまでハムスターを愛しているか、がポイントです。

こっそり飼いは、夜中にカラカラ走り回る音はかなり近隣に響きます。

木造はもちろん、鉄筋コンクリートのマンションでもバレる可能性が高いです。
(角部屋の隣の壁と接していない側、ならばいけるかもしれません)


・うさぎ


ペット可物件ならば相談すれば許可をくれる可能性もゼロではありませんが、基本は断られます。

こっそり飼う候補としては、アリ寄りです。
1階や、真下がエントランスや駐車場、みたいな下階への配慮不要な部屋だとなお良いです。

私は過去、聞かなかった事にして、自己責任でこっそり飼ってもらいました。
飼い主曰く鳴かない、臭くない、柵から出さない、との事でした。

・小鳥


ペット可不可関係なくほぼダメです。

オーナーが飼っている等、知識に明るくないと基本一般人からしたら謎の存在です。

鳴き声がチュンチュンうるさそう、なにか病気を持ち運びそう、というイメージが強いです。

一戸建てタイプでコッソリ…じゃないと、こっそり飼っても、後から近隣からの通報でトラブルになる可能性が高いです。

(ちなみに昔営業マン時代に、小鳥20羽飼っている老人の部屋探しをした事があります。
その時は奇跡的に古いマンションの最上階角部屋の物件で許可が出て、契約がまとまりました。
朝一斉に全羽が鳴くそうで、その事も管理会社に伝えましたが角部屋だし大丈夫だろうと…奇跡です。)

・アクアリウム

ペット不可の物件でも基本サイズの水槽ならばOKです。
ただ、金魚鉢で飼うとか、20~40リットル程度水槽なら、の話です。

そこそこ本格的な方だと60センチ水槽などでしょうか。
管理会社に許可をもらう場合は、あまり大きな水槽は断られる可能性があります。
重さで床材を凹ませてしまう、漏水時に階下への水漏れ被害が大きそう、などの理由です。

ただ事故無く飼えるなら、基本バレる事は無く、水槽の大小に関わらずわざわざ報告しなくても良いかもしれません。

当然、地震対策はしっかり行っておく必要はあります。
(水槽が落ちて割れたら大変ですから…)

・大型魚

アロワナとかですね。不可です。
前述の通り、生態がよく分からない、大量の水を使いそう、高価そう、など管理会社から見るとトラブル予測がつきにくく、わざわざ受けたくないと言うのが本音です。

過去一度、聞かなかったことにした事がありますが、やはり設置していた付近のフローリングが(おそらく水が何度もかかり)黒ずんだシミになってしまっていました。
こっそりで大型水槽がバレなかったとしても、相当養生して設置と飼育をしないと、フローリングを痛めてしまっていたら理由に関わらず費用はかかります。

・爬虫類

小さい水槽でトカゲくらいなら、地震と脱走対策をしていれば許可を取る必要は無いと思えます。

が、やはり中型大型は上述の理由から、ちゃんと確認すればダメと言われるでしょう。

前に蛇が脱走したニュースがありましたが、実際に人への害が無い種類でも、一般人からしたら爬虫類はちょっと怖い生き物で、わざわざ受けたくないジャンルです。

② 何故可能な物件が少ないか?

ほとんど上に書いてしまいましたが、つまりは
汚れる、
傷が付く、
臭いが発生する、
音のトラブルが起こり得る、
動物が嫌いな人やアレルギー持ちの人もいる、
から不可なんです。

いくら原状回復しても、どうしても建物や設備の劣化は早まります。
抜け毛の多い動物を飼うと、配管の詰まりを起こしやすいです。

ペットがつけた床や壁の引っ掻き傷はパテと塗装で修復しますが、付いた傷が元通りになる訳ではありません。糞尿の痕もそうです。

(張替えになれば新しく綺麗になりますが、貼り替えるには少なからずオーナーの出費もあり、時間もかかりますし、管理会社としても高額な張り替え代の回収を手間と考えてしまったりします。)

鳴き声に我慢できず、隣人が退去してしまう事もあります。

言ってしまえば
オーナー側からしたら、ペットを飼われる事に基本メリットが無いんですね。


③ペットを飼える物件の性質


そういった理由からペットを飼える物件は少ない訳ですが、
では逆にどんな物件がペット可としているのでしょうか?

大きく分けて2通りあります。

1.ペット共生型マンションとして、最初からペットありきで建てられたマンション

2.ある程度築年数が経っており、なかなか普通の募集では入居者が決まらない物件


1
はデザイナーズマンションでもある事が多いです。

「都会のオシャレなペットとの生活!」的なコンセプトで、ターゲットを絞って建てられます。

新築も定期的に建てられており、築浅マンションで堂々とペットが飼える。

そして物件によってはエントランスで散歩帰りのワンちゃんの足が洗えたり、リードを留めておく金具が付いていたり、室内に寝床スペースが設けられていたりと、痒いところに手が届く仕様だったりします。

その分、比較的音を気にしなくて済むように元々ある程度うるさい場所に建てられがちです。
大通り沿いや線路沿いですね。

また、借主ターゲットを絞っている分、家賃設定は相場より高めです。

2は普通の借主を普通に募集していてもなかなか決まらない物件で、間口を広げて募集している物件ですね。

ある程度築年数が経っており(築20年以上が多いと思います)、
ある程度建物に古さが出てきてそんなに床の傷一つ一つ気にならないような物件です。

この手の物件はペット以外にも間口を広げているケースもあります。

具体的には「高齢者、外国籍、生活保護受給者」など他で断られる事が多い属性の方達です。

ターゲットが狭いかわりに、その一部の客層からは貴重な受け入れ可能物件として重宝され、成り立つ訳です。

④こっそり一晩預かる


これも、よく聞きます。

家族や友人のペットを一晩だけ預かりました、と。

管理会社としては物件に常駐しているわけでは無いのでほとんど気づきません。
ただ他の入居者からの通報や(共用部ですれ違った、隣の部屋から鳴き声が聞こえた、等)退去時の匂いなどから発覚すること事はあります。

原則、契約上は一晩預かるのも契約違反です。
飼っていた時と同じ賠償を請求されても文句は言えません。

発覚自体がしにくいですが、何度も預かっていれば通報だけでなく、室内に証拠は多々残り、退去時に見る人が見ればすぐバレてしまいます

預かる時はそれなりの覚悟で臨みましょう。

※まだ新人だった頃、飼っていたのに「一回だけ預かった」と嘘付く人いました。当時はその言葉をそのまま信じて精算に加えませんでした。
後々経験を詰んで、アレは絶対に飼っていたなと確信しています。

⑤こっそり飼う

①でこっそり飼うならの話を少ししましたが、やはり大前提、立派な契約違反であり、推奨はしません。完全自己責任です。

私も自分の担当物件で飼っている事が分かった人には厳しい対応をします。

ただ、それでもと言う人はまず部屋探しの段階から、担当営業マンに打ち明けるかどうか決めましょう。

営業マンは基本探している人の味方です。
が、
その物件の管理会社と直接やりとりしている場合は言った瞬間その物件は申込を受けてくれなくなります。
客付業者という、他社物件の仲介営業をメインにしている業者の担当者になら言っても構いません。

※客付業者と管理会社についての違いはこちらの記事を参照ください。


その上で、

1.ちゃんと許可をもらえる物件を探すか 

2.営業の人には聞かなかった事にしてもらって全て自己責任でこっそり飼うか、

担当者から聞かれるかもしれません。

結論、自分で決めてください。
という事ですが「聞かなかった事にする」が出来ない営業マンもいると思います。

「この人には言っても大丈夫かなぁ」「味方になってくれるかなぁ」等の融通が効くタイプかどうか見極めた上で話しましょう。

そして、
こっそり飼いやすいペットは鳴かない、室外に出す必要がない、は最低限必要条件です。
散歩が必要でキャンキャン鳴く小型犬は厳しいでしょう。

小鳥もちょっと鳴き声と脱走リスクが他のペットよりも高いので厳しいです。(トリカゴの搬出入も目立ちます)

うさぎや猫や水槽系ならば、まぁまぁこっそり飼いやすいと言えます。
(退去後にバレる可能性はあります。しつけと養生次第です。)

⑥バレたらどうなる?


⑦こっそり飼ってた人への退去時のアドバイス

この2点は別記事にて有料で書いております。

200円で退去時のクリーニング代が何千円か何万円か安くなる可能性があるかも…。
安くなったらラッキーです。

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また、これからお部屋探しをされる方は是非こちらの注意点をまとめた記事もご覧下さい。

企業の名を背負った記事では書けないような真のポイントを、現役管理会社ならではの視点から沢山書いております。

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