劇団四季「ゴーストアンドレディ」1幕 One Life,One Soul~人生と魂の絆
劇団四季「ゴーストアンドレディ」観劇記録を綴ります。この作品に出合った自分の考えを残しておきたく始めるものですが、公開としたことにも理由があります。この文章を読み始めてくださっている方がもし居られましたら、そのつもりでお願いいたします。おもしろくない読み難いとか御容赦勘弁。ネタばれある割には詳細な場面紹介がなかったり。各種答え合わせも困ります、覚えてないから(笑)。舞台経験の豊富な他のファンの皆様に正確な描写はお任せし、私は私なりの。もっていかれているところと、ふと冷静なところと。忙しなく行ったり来たりしながら考えていたんだな、と記録しながら自分でも思います。
【 はじめの前おき 】
藤田和日郎先生の作品は、私の人生の大半を共にしています。泥啜り血の涙を流すかのような藤田作品のキャラクター達は皆、「そのままの自分/お前でいいんだ」と我々読者に叫びます。ホレたハレたという言葉では逆に小っ恥ずかしい位、人生と魂を削りあい、ドカンバキン(藤田先生語)ぶつかり合う作品だと思っています。その代表作のひとつが劇団四季のミュージカルになる?!なんて、いわゆる原作ファンの方達が騒然となったであろうことはご想像通りですが、私の中でこのビッグニュースは「この作品は、これできっと歴史に深く残る」とすでに成功間違いなし、大ヒット作品の確信がありました。だってあのシアターゴーストが劇団四季の舞台に立つんですよ?あのグレイが舞台を駆けるんです。もうそりゃ、当たるに決まってます(笑)。
そのくせ、私の初見は随分経ってからになりました。後から考えても、大ヒットするって思ってたクセに、ね(笑)。余計な事情を書くと、これまで劇団四季はいくつかの代表作を観ているのですが、どうも消化不良を起こしてまして。かもしれない理論としては、英語の舞台を日本語にした時の歌の詰込み無理矢理感(メロディと日本語歌詞がなんとなく不協和→失礼極まりなくてすみません)、どこを観ても豪華絢爛過ぎて圧倒的な舞台を楽しめる眼がなかったのだとまぁ身の丈に合ってない説で片づけ、奥手になってました。
それが、「俺(ゴスレ)は違う」のです。サスガ~(拍手喝采)
初見後の私は、辛うじて残っていた残り公演を即買い(まだあって幸いでした)。同じ公演を何度も観るなんてこと、考えたこともなかったです。そこに躊躇いも持たず追買いしている自分に、驚くというよりこんな熱量の作品に「出会えたことの喜び」を感じている次第。
後の話ですが、本当に偶然、来日されていた演出家のスコットさんが観劇されているところにお目にかかる機会があり、グレイみたいに両腕ブンブン振り回しながら、この感動と興奮を英語で表現できない‼ 私の人生の一本です‼ となぜか前半だけ英語で話しかけ、「英語お上手ですよ」と笑われるというエピソードがあったりします(恥/爆笑)。スコットさんは、この舞台のようにお優しく包み込むような笑顔と握手を、こんな私に向けてくださいました。感謝しかありません。この感謝を藤田先生にもスコットさんにも伝えたくて、noteを使ってみようとも思ったのです。
【 奇跡の夜に 】
さあ、いよいよ初見日を迎えました。
劇場の装飾やロビーの藤田先生の展示をカメラに収める辺りまでは、久々の舞台と劇団四季に浮かれ気分でした。が、自席に辿り着き顔を上げて、垂れ下がる緞帳を観た瞬間---もうこの世界観にもっていかれました。これだけで、スコットさんスゴいわかってる藤田先生の作品メチャ好きになってくれたんだ絶対と勝手過ぎる妄想(後でインタビュー等読ませていただき強ち嘘でも妄想でもないと判明)。期待と鳥肌ですでに潤む眼、走るBPM。私の生霊がいるなら、今どんな顔?! まだ幕上がってませんよ〜。暗転。。。
パーン!! BPM爆走…心臓止まるかと…んあぁ〜なんてオシャレなイントロ…
からのグレイ登場------!!! グレイだ…グレイだ!! グレイの声だ---!! ヒートして視界焼切れそう。グレイに会えた…(もう泣)。
「芝居の幕が、おりた後も---~」歌い始めの1音目の声だけで、この世界に甦るグレイを観た瞬間、劇団四季の舞台だということをもう覚えてなかった(たったここまでで既に過去の舞台観とはまるで違う)。
「ここには、残っている とーきめきーの欠片が---~」昇る音階を歌い上げる様がもうグレイでしかない…。私の目の前にグレイが舞い降り、歌い語り---芝居かぶれらしい大仰で皮肉っぽい立ち姿に、どこか一抹の悲壮感と見つめる先のわからないどこか達観した瞳。
「…もしかしてあんたら、俺が見えんのか?」ってことはあれ?キュレーターさんは私達-----?! ん~~この構成はスゴい贅沢!(拳ガッツ→拍手遅れた🥲) どう解決するんだと思っていた諸々の素人考えを軽く蹴っ飛ばされ、気持ちよく舞台にダイブさせてくれますね。
「そうだ、あんたらにお願いがある!」とかなり興奮して早口にまくし立てるグレイ。ありがとうございます!! 何か観せていただけるんですか?
「ドルーリーレーン劇場、新作の開幕だっ!」すごい、グレイはこの劇場で新作をかけられるんだね‼ 瞬きしないで観ます!!(爆笑)
開幕~~ この騒々しい賑やかさと、いつものように悠々と自由にそれを眺めるグレイの対比がいいですね。そのさらに向こう側からのフロー登場。挙動不審さ満載な動きから発する声音も、「いつだってアイツが声をかけるのは(”おかしな”って要素がありそう)若い女なんだ」らしさ。この【カゴの鳥の願い/私の使命】~【俺は違う】の馬車~実家のシーンまでは、このコチコチの強張り顔。思い詰めた低い声音を使って経緯を説明するも、お嬢ちゃんはおうちに帰りな感でちゃらく窘めるグレイに関心を持ってもらえないフロー。「まるで悲劇のヒロインじゃねぇか!」「悲劇か 喜劇か~」も小ばかにしてる感満載。原作だとグレイをはっとさせる瞬間もあるのですが、あえてここでは出さないのだと理解。こうやって原作の筋を整理するのかフムフム。俳優さんや言い回しによって印象に微妙な違いに気が付くのも、複数回観ることの楽しみなんですね~(私には初めての体験で新鮮)。それにしても、グレイはシアターの外に出ることになって、なんだか楽しそうですね(笑)
【 俺は違う 】
こういう楽しいダンスナンバーは、やはり劇団四季なんだな、と我を忘れていたことを思い出させてくれました(少し冷静になった/笑)。自身の存在を歌いながら、自信も霊気もまだまだた〜っぷりなグレイに頼り甲斐をみつけ、思わず「よろしくお願いします!!」と真面目にすがるフロー。「まだ引き受けてねぇ」と偉そうな斜め上からくわっ!と釘差すグレイの一喝。ひっ!とフローの縮こまった気持ちがよく伝わります。出会った当時の二人の立ち位置がわかる大事な魅せ場です。2人の掛合いはこの後勿論たくさんありますが、その一つひとつのシーンの中で魅せる表情や言葉、話し方が、どんどん変わっていく。その違いがラストに向かって「ドラマは盛り上がり」を魅せるというわけです。あ、こちらのオバケさんズ、その後もグレイのいらだつ気持ちを表現する際、いつの間にかゾロゾロ付きまとい、慰められたかと思えばシッシッ!とあしらうかのように最後は八つ当たり撫で切られるところに愛嬌があって、個人的にはどんどん好きになりました。
【 サムシング・フォー 】
名前が与えられる登場人物は、作中を通し重要な役割があると思います。しかも求婚する自分に酔いしれ、サムシング・フォームをうっとりフルで歌い上げてくれちゃう。この状況で。…もうお気づきですね。アレックスのような人物は、私は苦手です(笑)。いい人だけど、結婚はできないよね、フロー(笑)。フローの背景は古典的な英国上流社会なので、このシーンまでのフローの衣装は良家のお嬢様然したドレスで装飾一つひとつまでがかわいらしいし、アレックスのようなお家柄がお相手になるのも、グレイをもってしてフローを囲む全ての環境を「女の大好物だろ?」とイヤミったらしく言われるのも、当時は当然だったでしょう。「結婚はできません!」とバッサリ投げ捨てたフローの断言は、金持ちのお嬢様の行動としては常軌を逸しているし、後々別の方に「吾輩にはわからん‼」と言われちゃってたし(爆笑)。
よって際立つのが、アレックスの「え…?(驚)」と、グレイの「え?(呆)」。
この後も何度か登場する、グレイの「え?」が大好き(笑)。
「お互い考える時間が必要だ!」といわれたフローの、申し訳なさそうな困惑顔。わからないんだなぁ。この人物は、きっとフローの心に刺さった棘のように影を落とす存在なのだと確信。この苦い印象が、ずっと後のシーンでうわぁこの人ホントに嫌いだわ…となるのです。ここまで嫌いなのは私だけかもしれません…すみません。でもきっとここまで私が感じるのも、舞台として完成度が高いからだと逆に称賛しているつもりです(伝わってほしい…)。
「お前ん家、一通り見てきた!」って言いながら壁抜けしてくる子供っぽくはしゃぐグレイ(あれ?やっぱり外、満喫してる⁈)や、ご家族一同がフローに反対しながら歌って踊る【看護婦なんて】などのコミカルな場面が、私のモヤモヤ感を少し和らげてくれます。ご家族一同、目力すごいっす(笑)
【 絶望のどん底で 】
面白くなってきたドラマと主人公の予感に浮かれるグレイと、「殺す…いつ…?」 剣を突き付けられながら悲劇のヒロイン役にうっとり気味なフロー。原作の劇場内で吊られたシーンの再現でしょうか。カゴの扉を開けてくれたことに感謝しながら、飛び出す権利を得たものの病んだ瞳のままのフロー。グレイとのダンスも虚ろ気味で、もし失敗したら…なんてあなた、この後考える暇微塵もないですよ!なんてまだ知る由もない時。
ところが場面転換した【国は責任をとれ】ではすでにやる気スイッチ全開!「私が!」と名乗り出たと思ったらちゃきちゃき支度を整え始める変身ぶり。フローにみなぎる活力と共に時間が加速することを感じさせます。「舞台に、立つぞ---~‼」と最後までいい気になっているグレイが、直後に「おかしい…‼」と叫び出すのことになる落差が最高なのです。
【 走る雲を追いかけて 】
第一幕の大きな魅せ場の一つです。フローの独唱から、振り返れば一人増え、二人そろい、エイミーも加わって、多くの人が集い、皆の瞳はますます力強く輝きまっすぐ進んでいく。床の模様、実はかなり早い段階でナイチンゲールの有名なグラフだと気づいたのですが、看護法を作り上げたこの人の功績を象徴するグラフと、このアンサンブルはやはりエモい。大ラス「私が死んでも〜誰かが続くでしょうこの道を」のフレーズにもつながると思うと、ぶるっと身震いする程のパワーを感じさせます。お告げから看護師を目指したといわれたら、グレイじゃなくても「聞き間違いじゃねーのか?」とちと引きますが、いつの時代も状況を打破するためにはやはり力は必要で、彼女に優秀な社会活動家の側面があったことには納得ができます。誰もまだ見ぬ道へ踏み出すことへの迷いを消し去り、走る雲を追いかけ進むと決めた誓いと仲間を得たフローの瞳ももう燃え上っていて。それに気づいた「おかしい、俺が主役だよな‼」と地団駄するグレイが悶絶級にかわいい。しまったあの女絶望しねぇ!と引受けた自分の迂闊さに気付き、シアターゴーストなのにってブスくれ顔で一緒に漕ぎ出す羽目になる後ろ姿。桟橋にうずくまったり、どうしてこうなるんだっ!!ってまるで背中に書いてあるみたいに立ったままだったり。笑いを堪えるのが大変だよグレイ😂
【 助けはいらない 】
「この世は舞台、人はみな役者」 『お気に召すまま』
待っていたのは熱烈な大歓迎!なんて言ってみたり、シェイクスピアの端的に伝わる比喩を場面に合わせて選べるところは、頭が良くて皮肉屋のグレイにピッタリ。「もう絶望か?」と楽しそうに覗き込むのに、意に介さず同じセリフを使って行動に移してしまうフロー。「お見事!」とは言わず、わざとらしい拍手と「いい演技だったぜ、フローレンス・ナイチンゲール」と返すところは、連れてこられた負け惜しみと、お、こいつやるじゃねぇかと少しだけ見直した瞬間でしょうか。クリミア到着~【世界一効く薬は】まで、さらに急ピッチで動き出す団員の皆さんが生き生きとダンスする場面が続きます。皆さんの動きや表情が細かく、どれもこれも状況を示唆するとわかるのですが、何度観ても観きれません。観きれないので、こんなに素晴しいのに!書けないのです。本当に申し訳ない(沈)。「俺はゴースト☆」みたいなセリフは覚えてるのに(笑)。一方で、こういうことを考えず、素直に楽しい場面だな~と堪能するのが正しい楽しみ方、ですよね。もちろん、史実は地獄と見まごう状況で、歌い始めグレイが不幸のにおい、と表現しています。だからこそ彼女が「クリミアの天使」とまで崇められることになるのですが、史実の表現にあえてそこまで拘らずダンスにしてしまう手法は劇団四季ならでは、上手に流すなあと関心。けして手を触れず、見つめあうというより目を逸らすことができない2人のダンスもじわっときます。
【 これが戦争なのだ 】
ホール様登場~~。あのホール様はどうなっちゃうんだ?とこれもまた興味津々だったのですが、聞きやすく気持ちよい低音であえて毒素と感情を消し、戦争という地獄が生み出した悪魔という体にしたことで、グレイとフローの物語の美しさをすっきりと綺麗に際立だせることに成功していると思いました。足台シーン、人は環境次第で過剰に尊大になってしまうんだよ、という表現を誇張したあえての笑いポイント?! ホール様、やりすぎっ!(笑)
【 あなたの物語 】
すーーーーっと身離れして光に吸い込まれるように動くところ、どうやっているんでしょうね!いや仕組みが知りたいのではなくて、フローの神々しい天使ぶりが遺憾なく発揮される演出です。重要キャラとなるボブの眼の登場としても、納得感がアリ。二人のことを誰よりも理解し、愛してくれる。ボブは本当に、最後まで素敵な存在です。
私はナイチンゲールを「天使」と思ったことはありません。彼女の功績を振り返った時、たまたま先駆者として新しい看護法を確立した人物と評される存在に結果的になっただけで、彼女にしてみれば、成さねばならぬ「神に仕える」ことを究めたが故こうなっただけなのかも。それぞれの「あなたの物語」を紡ぎなさい、という言葉はくしくもフローが自分自身にも語り掛ける言葉だったではないでしょうか。
【 あの女は最悪 】
…ってねぇ~、もうしっかりフロー応援モードだったではないですかグレイさん〜(笑)。まあでも、もし失敗したら〜死ぬ気でやれば〜覚悟を決めて〜なんて言ってた女が「えぇ、もう少し勝手にやらせていただきます!」なんて担架切られたらそりゃ最悪だっ!となるわなぁ。でもねグレイ。そんな風にフローを強くさせたのは、他ならならぬ貴方なのだけれどね。それに気がつけていないグレイの、目つき悪ぅ〜ぃ、少し子供っぽい八つ当たりに付き合ってくれるオバケさんズ(楽譜の写真、良いですよね!)。フローの眼差しの力に驚き、呆れ、次第に魅せられていくグレイ。デオン様もこの瞳の虜だもんね(笑)。
【 あなたが遠くて 】
名前を与えられる登場人物は…略…エイミーのような…もうお気づきですね、私は苦手です(苦笑)。先程のアレックス同様、エイミー初登場時に、あ~この人もきっとフローの心の棘第二弾、と直感。ならべてしまうには大変おこがましい話ではありますが、私自身がフローの立ち位置に近く、エイミー無理だこの子絶対辞めて消えると瞬時に察知(沈)。「あなたは一番星」と言われてありがとうとも思うけど、迷ったりするのは私も皆と同じよと笑顔で励ますフローに、それエイミーには伝わらないんだよ…追い込んでるんだよ…余計に遠く感じちゃうんだよ…と。「ひび割れた夢」まで言われて、こんな時、どう返すのが正解なんでしょうか。私も知りたい。
---ここで気づいたのは、もしかしてこの舞台の隠れテーマは、メインの女性キャラ達の生き方を並べて見せる事なのか?ということ。エイミーもデオンも、独唱で心境を語る場面が設けられています。私はフローに大いに共感するけど、エイミーやデオンの生き方を選んだ人もきっといる。もちろん女性だけでなく、誰しも皆が力強く自分らしく、それぞれに輝く道であれ、という応援メッセージがこの舞台には込められているのかも。そうであれば、藤田先生の作品から感じるものを、異なる形で表現しているのか、と。2幕大ラス、フローが「私、御心に応えられたかしら?」と心配する姿を、グレイが両手を広げて「御心がなんだ!お前は見事な主演女優だった‼」って大笑いしている姿も、私には嬉しい答え合わせになりました。
【 サムシング・フォー(アレックス リプライズ) 】
うわ出た!「なんでアイツが?!」のグレイに、心の中でハモってしまいました、私🤣(爆笑)。イヤ本当に、なんで出てくんの!! 君が僕を呼んだんだよ!(嘘でも間違いでもないけど、良いように勘違いしてる?!)って、フローもえぇえ!?みたいになってるよ!しかもまた不自然にエイミー挿入…やな予感の私の苦手な棘2人組。後でお花もらってたもんねぇ、エイミー!(なんだこのイヤミ/笑)いやもう苦虫を噛んだ顔のグレイと私の顔は、きっとリンクしていたに違いない🤣 フローに触んな!今お前が出てくると、あいつの心がざわつくだろ!って思ってても言えず、いらいら2人を見つめるグレイ。私のざわざわ狼狽える気持ちをグレイが代弁してくれ、心がずきっと痛みます。
【 不思議な絆 】
あ、一幕幕前なんだなとわかる最大の魅せ場。2人の舞台となる階段の大立ち回りフォーメーションも見どころ。2人がかけ合いしていく中、歌の進行とバースに合わせ、立ち位置と顔の向きを変更していく速さと、2人を追いかけるライティングが、場面の盛り上がりにピッタリの素晴らしい演出。階段係のお二人、グレイとフローの歌を一番生に近いところで毎日浴びていて、最も贅沢なのでは⁈ 残念ながらそこに注目している場合では…ないです、はい。
先ほどのフローの心情を察し、自分自身もグラつく気持ちのままそっとフローに寄り添う…寄り添いにいきたくなったグレイ。原作の皮肉屋グレイとどーせ私なんてなフローの関係とは違い、とにかく舞台のグレイはイケメン度高過ぎ(笑)。「お前、絶望する気ねぇだろ!」「あら、私はいてくださるお礼に…」なんて軽快な掛け合いも楽しく、2人の最高に幸せな時間を挟み、独唱からのアンサンブル…この構成を作られた作家さんに最大の賛辞を!
笑うなよ…と夢を語るグレイにごく自然に、喜んで手を差し伸べようとするフロー。「俺はお前に取り憑いてるんだ!」「…そうでした!」と優しく見つめ笑いあう2人の姿。こんな時間が訪れたことに、誰もがじ~ん!と、ときめき嬉しくなりますよね。芝居を書くか…なる程そういうオチか、と見事な伏線回収に感服もしましたが、そんな私のつまらない気づきは、2人の熱唱に瞬殺。
少女のころ、夢見た 甘くて 優しい---〜
私は 変わったの 側にいて欲しいのは
前に進む勇気 私に くれる人よ
あぁ、なぜだろう お前を見てると
忘れてた 思いがよみがえる
叶うことのない 夢をみているのか---〜
拒んでいたら
カゴの鳥のままなら 孤独なまま---〜
胸が 震える 勇気湧いてくる---~
2人を結ぶ 不思議な絆---〜
もう…なんと表現すればいいのか。いくつも言葉を考えましたが、
One Life, One Soul
人生と魂の絆、と訳すのでしょうか。
私の中にふと降りてきた言葉は、これでした。
「生か死か、それが問題だ」冒頭のこれは、2人にとって問題ですらありません。
ホレたハレたを越えた、唯一無二の存在に出会った2人。それに気がついてしまった思いを、ここで語り歌ってくれます。あ~、陳腐だなぁ。場面の説明はやめよう。言葉だけでは表現できないものがこの2人にはあります。
おそらく俳優さんが異なるというだけでなく、幸運にも何度か観劇できたためか、観るたび自分の受ける印象も少し変わりました。初見は舞台から受ける圧倒的なパワーをまさに浴びているという感覚で、でも愛とか恋焦がれるとか、そういう心情を表現しているとしたら少し違うんだよな。こういう出会い方をした2人ではあったけれど、歌詞にもあるように「カゴの鳥のまま」「拒んでいたら」「孤独なまま 知ることのない 不思議な絆」を偶然とはいえ、自分自身で選び、手繰り寄せた2人の、何ものにも代え難い激しい喜びと互いの存在の温かさ、そして尽きることのない感謝の気持ちを、このアンサンブルの中で強く感じるようになりました。「俺がゴーストになった理由がわかった お前と出会うためだ」と後にセリフがありますが、言わなくても私たちには十分このシーンで伝わってますよね。受ける印象が変わったのも、演出が小さく変わっているシーンもあったためか、俳優さんの解釈やその壮大な空気がそうさせるのか…いえ、私の心情がその時々で違うからなのか。こんなに深く感じ、考えさせられるとは。
どなたも仰ってますが、驚く程の涙と、一度観ただけで脳内ミュージカルエンドレス状態になる舞台って、そうそうないです。ないです!なんだこれは!とんでもない舞台を観ているんだ私は!! 涙目で視界がいつもボヤけるのがもったいないです。私はいつもこんな調子なのでわからないのですが、歌い上げながら2人は素直に見つめあえている?わざと目線は合わせていない?この違いは意味が大きく変わりますよね。作曲も作詞も、韻と音のコンボを一番頭にDLしやすい音階に選んでいるんだな位は素人考えしますが(音楽わかってないんで専門家の方すみません)、とにかくこんなに気持ちよくエンドレス再生させてくれる作曲家・作詞家の皆様へも限りなき感謝を!
まだ観てないし、話題だから一度観てみようかなと配信の購入を迷っている方、絶対、できるだけ大き目の画面と大き目のタオル(滝涙用/笑)をご用意ください!
幕前大ラス、急に暗転からのデオン様~~!さっきの天の声はデオン様だったんか!あっさりとは落ち着かせませんね~!いいなこのバタつき感、藤田先生っぽい!わくわくが止まらない急展開の第二幕へ、いざ休憩!
参照:One Life One Soul:GOTTHARD from G.(G spot)
https://www.youtube.com/watch?v=agU0hziCdX0
私の人生の大半を共にしているモノの一つ、洋楽・Rockです。
関心のある方、ぜひ歌詞も検索してみてください。歌詞も曲も、歌唱も声もすべて感動で震えます。Vo.のSteve Lee氏は実は既に故人です。素晴らしい人物であり、本物のスターでした。彼を思い出すと今でも涙が出るほど、彼をこの世から失ったことが残念でなりません。RIP…
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