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自動車教習における効果測定および学科試験への心得

 みなさんこんにちは。インターネットに揺蕩う人格、poyashimi.です。最近自動車学校に通い始めました。

 突然ですが、皆様は「効果測定」という試験をご存知ですか?
 効果測定は、自動車免許を取得するための自動車教習において行われる試験です。自動車教習は、自動車の運転に関する知識を学ぶ学科教習と、自動車の運転に関する技能を学ぶ技能教習に分かれています。そして、学科教習を修了後、教習効果の確認を行うための「効果測定」に合格したのち、学科試験を受験します。効果測定や学科試験においては、学科教習で学んだ知識が問われます。

学科試験に対する(Twitter上での)批判

 ところで、Twitterをやっていると、効果測定を含む学科試験についての悪評を、たまにではありますが定期的に見かけます。

検索したら発見したヨビノリたくみさんのツイート。

 こうした、「試験問題の作成者が基本的な論理学について理解していない」という批判は、よく見るところです。私はTwitterで繰り広げられる批判を目にし、「自動車免許の試験とはなんと恐ろしい試験なのだろう」と感じ、効果測定を受験するために教習所に赴く際には、恐怖を半分、ワクワクを半分抱えておりました。しかし、実際に効果測定を受けてみると、「思ったよりも”めちゃくちゃ”ではないな……?」というのが正直な感想でした。安心しつつも、若干がっかりしながら帰途に就いたのを覚えています。

 予め述べておきますが、教習所が作成する問題の質については、その教習所の質に左右されるため、一概にどうだと述べることは難しいように思います。その中でも例えば、「夜の道路は危険なので気をつけて運転しなければならない。(正答:誤、昼夜問わず気をつけなければならないため)」といったTwitterでよく見かける問題は、交通法規上の根拠がどこにあるか不明であり、出題意図も分からないことから、不適切であるように思います。不適切と思われる問題や、根拠がよく分からない問題に遭遇した際には、まずは教習所の職員の方に問い合わせてみることをお勧めします。

学科試験の心得

 効果測定が教習所によって異なるのかは分かりませんが、少なくとも私が受験したものについては、理解可能なものでした。その上で、学科試験を受験するにあたっての取り組み方を述べてみたいと思います。

・学科試験は、主に論理性を問う試験ではなく、主に交通法規に関する知識を問う試験である。
 ツイートで引用した問題について考えてみます。
問:原動機付き自転車は公道を時速50km/h以上で走ってはいけない。
 ここで問われているのは問題文に示された記述が、交通法規によって導かれる規範と一致しているか否かであると考えれば、納得できるのではないでしょうか。交通法規上、原動機付自転車は、原則として、最高速度が30km/hと定められています(道路交通法22条1項、道路交通法施行令11条)。つまり、正しくは「原動機付き自転車は公道を時速30km/h以上で走ってはいけない」であるから、本問の正答はということです。交通法規によって導かれる規範と照らし合わせ、相違がある場合は誤、相違がない場合は正といったところでしょうか。実際に運転する際に必要なのは交通法規に関する正確な知識ですので、示された記述が交通法規と同一か否かが問われることには、理由があるように思います。

・交通法規に関する知識が問われるため、交通法規に関する知識を暗記する必要がある。
 「暗記ゲー」という批判もありましたが、これは仕方がないことです。覚えましょう。というより、交通法規に関する知識を覚える前提のもと、答え方に気を付けるべき、ということになろうかと思います。
 なお、交通法規に関する知識を暗記すればよいのであって、法的根拠を暗記することまでは必要ありません。もちろん、根拠まで示すことができれば素晴らしいですが、実際に運転する際には必要ありませんので……。

例題

 これを踏まえたうえで、次の問題も見てみます。
問:以下の画像によって示された標識がある道路においては、普通自動車も原動機付自転車も、時速50km/h以下で通行しなければならない。

画像1

 これについても考え方は先の問題と同じです。道路交通法と同法施行令において、原動機付自転車の最高速度は時速30km/hと定められていることから、この道路標識があっても、原動機付自転車は時速30km/hで通行しなければなりません。よって、本問の正答はであり、正しくは「以下の画像によって示された標識がある道路においては、普通自動車は時速50km/h以下で、原動機付自転車は時速30km/h以下で通行しなければならない。」ということになります。

(補足)
 なお、画像で示した標識は、道路標識、区画線及び道路標示に関する命令別表第一の規制標識においてその意味が定められています。これによれば、最高速度(323)は、次のことを意味します。
「交通法第二十二条の道路標識により、車両(原動機付自転車、自動車(緊急自動車を除く。以下この項において同じ。)が他の車両を牽引している場合(牽引するための構造及び装置を有する自動車(道路交通法施行令(昭和三十五年政令第二百七十号。以下「交通法施行令」という。)第十二条第一項に規定する普通自動二輪車を除く。)によつて牽引されるための構造及び装置を有する車両を牽引する場合を除く。)における当該自動車(以下「他の車両を牽引している自動車」という。)及び緊急自動車を除く。)及び路面電車の最高速度を指定し、原動機付自転車及び他の車両を牽引している自動車の最高速度につき交通法施行令に規定する最高速度以下の速度とする場合における当該最高速度を指定し、並びに緊急自動車の最高速度につき交通法施行令に規定する最高速度以上の速度とする場合における当該最高速度を指定すること。」
 読みやすくするために不要な記述を削り、場合毎に段落分けをすると、次のようになります。
「[道路]交通法第22条の道路標識により、
①車両(原動機付自転車、自動車が他の車両を牽引している場合における当該自動車及び緊急自動車を除く。)及び路面電車の最高速度を指定し、
②原動機付自転車及び他の車両を牽引している自動車の最高速度につき交通法施行令に規定する最高速度以下の速度とする場合における当該最高速度を指定し、
③並びに緊急自動車の最高速度につき交通法施行令に規定する最高速度以上の速度とする場合における当該最高速度を指定すること。」
 原動機付自転車に関わるのはこのうち②の場合ですが、本問の標識は「交通法施行令に規定する最高速度[30km/h]以下の速度とする場合における当該最高速度を指定し」ているわけではありません。したがって、本問の標識は、原動機付自転車とはそもそも関係せず、「原動機付自転車は、時速50km/h以下で通行しなければならない」という意味も持たないことになります。

まとめ

 まだ自動車教習を受けたことがない方は、そこまで気に病むことなく、学科教習を受けつつ問題集に取り組み、問題の形式に慣れましょう。
 すでに免許を取得している方は、ひょっとしたら最近の学科試験との乖離もあるかもしれませんし、教習所特有の問題もあるかもしれません。ご自身の体験を共有する際には、いつ頃のどの教習所・試験地の体験なのかも含めてお伝えいただけると、より参考にしやすくなるように思います。

おわりに(免許を取得した方へ)

 さて、私も効果測定を受けてみたのですが、1問だけ不正解をしてしまいました。記憶をさぐりつつ適切な問題を再構成すると、次のような問題になります。

道路の左側端から数えて一番目の車両通行帯が路線バス等専用通行帯に指定されている道路において、軽車両、原動機付自転車、小型特殊自動車は、その専用通行帯を通行しなければならない。
















 正答はです。なぜでしょう?

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