
コアコンセプト・マーケティングははたして科学的なのか?
「科学的である」と言われると、絶対的に「正しい」というように感じます。
しかしながら、「科学的である」というのは、ある「仮説」の下ではこういう結論になるということ。このため、その「仮説」自体が間違っていれば、その結論も違ってくるということが説明できて、初めて「科学的である」となります。
以前、コアコンセプト(深層価値観)についてお客さんに説明した時、「ずいぶん科学的ですね」と言われたことがあります。
どちらかと言えば感覚的な話なので、我々としては「科学的である」という認識はなかったのですが、ある「仮説」の下ではこうなるという意味では科学的なのかもしれません。
弊社では価値判断の基準となるものをコアコンセプトと呼んでいますが、これが成立する前提として、人は「感情→思考→行動」のプロセスに沿うという仮説があります。
行動するには考え方、つまり、思考を変える必要があるといろいろな人が言っておられるので、「思考→行動」のプロセスについては比較的分かりやすいかと思います。
一方で、「感情→思考」については、感情については「なんとなく感じる」程度であったり、言葉にしにくい曖昧なものであったり、するために少し分かりづらいかもしれません。
しかしながら、本人が意識するか、無意識かに関わらず、常に「感情→思考→行動」のプロセスを経ているというのが、コアコンセプトを考える際の出発点になっています。
そして、その人の感情が動く要素から、いろいろとプロファイリングしていくことで、その人が「大切にしていることは何か」、「嫌だと感じていることは何か」を言葉として定義します。
自分の感情の動きを自分自身で客観視することができるようになり、「思考→行動」のプロセスをより冷静に進んでいくことが可能になります。
私の場合、下請け的な仕事は昔から嫌でした。
下請け的な仕事を嫌いな人はたくさんおられるかと思います。けれども、人によって嫌いな理由は異なります。なぜなら、一人ひとりの感情はすべて違うからです。
そして、価値判断の基準は一人ひとり異なるため、下請け的な仕事をやらないようにするためのアドバイスの仕方も相手によって違ってきます。
また、嫌いな仕事はやらないのがベストですが、会社を経営している中では、時には嫌でもやらざるを得ない場合があります。
その際、嫌な理由も分からないまま、なんとなくやっても良い結果にはつながりません。一方で、嫌な理由を明確に把握した上で、「これは今月の売上のために(嫌だけれど)頑張ってやろう」と考えて行動できれば、一定の成果につながります。
このため、自分の「感情→思考→行動」のパターンが分かると、ビジネスチャンスが広がるのです。
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