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信長の手紙

2024年10月17日(木)晴れ (MCJ069)

むせかえるようなキンモクセイの甘い香りがただよう川縁を歩き、永青文庫へ。今日は「信長の手紙」展を観に行きました。

織田信長直筆の、2022年に新たに発見された1通を含む全60通が展示されています。織田信長がどんな人だったのか、どんな文字を書く人だったのか、興味津々で出かけました。

まず、織田信長は実在の人物なのだと直筆の手紙を見て実感。もちろんそうだと頭ではわかっているけれど、どこか小説の人物みたいな、映画の中の人物のように非現実的で作られた人物のように感じていたことにまず気づかされました。直筆の生々しさが「本当に生きていたんだ…」と実感させてくれます。これが最初の感想でした。

戦についての事務的な手紙が多かったけれど、お礼状には人柄が見えるようだし、家来を盛大に褒める手紙もあって興味深く感じます。なにより筆マメだなぁと。連絡方法も情報収集もそれしか方法が無いのだから大変な時代です。一日中書いている日もあったに違いないと容易に想像できました。でも、間違えたら書き直す時間もないでしょうから、一筆にこめる正確さ、伝え方の技術、コミュニケーション能力の高さ、そして教養。時間がいくらあっても足りなかったのではないかしら。あの時代、一つ間違えば命がなくなるのだから、物事の一つ一つに対して全身全霊を傾けて生きていたのかなぁと思ったり。今よりずっと濃密、そして常に超真剣勝負の人としての在り方が手書きの文字から垣間見えるようでした。

面白かったのは同時代に生きた他の武士たちの筆跡との見比べです。明智光秀はいかにも几帳面そうだし、秀吉は真面目で努力家な感じ。先入観もあるとは思いますが、明らかに信長の筆跡は大胆ではっきりしていました。

誰か詳しい人に手紙をわかりやすく面白く解説してもらえたらなぁと思いました。テレビで放送しないかしら。

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