[創作論977] ガラス状ゲル

硬くて伸びやすい、ポリマー材料「ガラス状ゲル」が開発されました。

ゲルとガラス状ポリマーは、本来は別物と見なされてきた材料です。
水筒や飛行機の窓などに使われるガラス状ポリマーは、硬くて壊れやすいです。
コンタクトレンズに使われるゲルは、液体を含み、柔らかくて伸びやすい特徴があります。
研究チームは、ガラス状ポリマーと同じくらい硬く、十分な力を加えても壊れず、ゲルのように元の長さの5倍まで伸びる材料を開発して、「ガラス状ゲル」と名付けました。
ガラス状ゲルは一度伸びても熱で元の長さに戻る性質を持ち、また、硬い材料としては珍しく、高い粘着性を持ちます。
ガラス状ゲルを特徴づける重要な点は、素材が50%以上液体で構成され、プラスチックより電気伝導性を示すということです。
ガラス状ゲルは、ガラス状ポリマーの液体前駆体とイオン液体の混合液を型に流し込み、紫外線で硬化させることで、容易に作製可能です。
ゲルの作製では、通常、ポリマーに溶媒を加えると、溶媒がポリマー鎖を押し広げ、ポリマーを柔らかく伸びやすくさせます。
ガラス状ゲルでは同様に、イオン液体がポリマー鎖を押し広げ、伸びやすくさせますが、同時にイオン液体がポリマー鎖を引き寄せ、丈夫で均質なネットワークを形成するため、素材が硬くなります。
結果、ガラス状ポリマーのように硬く、ゲルのように伸びやすいガラス状ゲルが完成します。
研究チームは、さまざまな種類のポリマーとイオン液体を使用してガラス状ゲルの作製に成功しました。
電荷を帯びたポリマーや極性のあるポリマーは、イオン液体と親和性があるため、ガラス状ゲルへの適用が期待できます。


素晴らしい技術ですね。
創作活動でも使ってみたいですね。

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