[創作論963] 葉酸と寿命

葉酸の摂取量を減らすと寿命が延びる可能性があると報告されました。

ビタミンB9と呼ばれることもある葉酸は、赤血球の生産やDNAの複製などに不可欠な栄養素で、赤ちゃんなど成長が著しい時期には特に重要な栄養素です。
胎児の葉酸不足は先天異常のリスクにつながることから、厚生労働省は妊娠を計画している女性に対して1日当たり0.4mg(400µg)以上の摂取を推奨しています。
一方、がんや関節リウマチなど細胞の異常な増殖がみられる病気の治療には、葉酸の代謝を抑える葉酸代謝拮抗薬が使われています。このように、時期や健康状態によって必要性が大きく異なる葉酸の長期的な影響を調べるため、研究チームは、葉酸の代謝を妨げるメトトレキサートを酵母や線虫に投与する実験を行いました。
その結果、葉酸の代謝が制限されると酵母や線虫の寿命が延びることが判明しました。
また、高齢のマウスに葉酸が少ない食事を与える実験では、貧血のような葉酸不足の悪影響をもたらすことなく、健康寿命が延びたことがわかりました。
具体的には、葉酸を制限したグループの高齢マウスには虚弱や歩行障害といった加齢による症状が出ず、標準的な餌を食べたマウスに比べて毛の白化も少なかったとのことです。今回の研究では、発生の初期段階では非常に重要な栄養素であっても、晩年にはそれほど必要ではなく、むしろ摂取量を制限した方が健康にプラスである可能性が示唆されました。
このように、何らかの要因の影響がライフステージによって異なるという考え方は拮抗的多面発現説と呼ばれています。
ただし、この研究は主に葉酸をそれほど必要としない人が摂取する栄養強化食品やサプリメントの調節を念頭に置いたものであって、葉酸を含む食材を食事からなくすことを推奨するものではない点に注意が必要です。


興味深い研究結果ですね。
創作活動でも健康第一ですから、参考にしたいですね。

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