[創作論905] オオムギプラスチック

100%生分解性で食品包装などに使えるオオムギプラスチックが開発されました。

プラスチックは耐久性や展性に優れている上に製造コストも低いため、現代では食品などの包装から衣類、航空機の部品、医療機器までありとあらゆる場所で使用されています。しかし、プラスチックには自然に分解されにくくリサイクルも難しいという欠点があり、マイクロプラスチックなどの環境汚染が社会問題となっています。
近年はプラスチックをリサイクルする試みが進展しているものの、世界全体でリサイクルされているプラスチックはわずか9%であり、残りは焼却されるか、自然界に捨てられるか、巨大なプラスチック埋め立て地に投棄されているとのことです。
研究チームは、自然界で完全に分解される100%生分解性のバイオプラスチックを開発しました。
開発されたバイオプラスチックは、自然に分解されるいくつかの物質で構成されており、その主原料は植物のデンプンに含まれているアミロースと、植物繊維の主成分であるセルロースです。
アミロースはトウモロコシやジャガイモ、コムギ、オオムギなど多くの作物から抽出できますが、研究チームはスピンオフ企業を設立して「純粋なアミロースを産生するオオムギ」を品種改良で生み出したとのことです。純粋なアミロースは通常のデンプンと比較して、水と相互作用した際にペースト状になりにくいため、耐水性のあるバイオプラスチックを作る上で重要な原料となります。
また、セルロースはすべての植物に含まれており、研究チームは地元の砂糖産業廃棄物から作られたナノセルロースを用いています。ナノセルロースの細さはリネンや綿繊維のわずか1000分の1であり、これが新しいバイオプラスチックの機械的強度を高めているとのことです。
新たなバイオプラスチックは、原料を水に溶かして混合するか加圧下で熱することによって製造されます。
こうして作られた小さなペレットを処理して、目的の形に成形できるとのことです。
これまでのところ研究チームが実験室でプロトタイプを製造しただけですが、アミロースに富んだデンプンを産生する植物は世界中で作られているため、デンマークやその他の場所で製造を開始するのは比較的容易だそうです。


素晴らしい技術ですね。
創作活動でも使ってみたいですね。

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