[創作論1061] 塩で蓄熱

蓄熱に塩が活用できると実証されました。

日常生活において熱は欠かせません。
現代は化石燃料を燃やして熱を生産していますが、クリーンエネルギーへの転換が進むにつれ、現状を変えていく必要があります。
熱貯蔵の基本的なアプローチは可逆化学反応ですが、研究チームは熱化学物質が正反応と逆反応の間でどのように作用するか、科学的に分かっていないことが多いことに気づき、塩の反応に着目しました。
塩の分子はその構造内に一定数の水分子を保持できます。
化学反応を誘発するために熱を加えて塩を脱水すると、気体として水蒸気が放出されます。
また、逆の反応を引き起こすために、塩に水分を吸収させて水和させ、塩の構造を強制的に膨張させることで水分子を取り込みます。
しかし、このような膨張や収縮のプロセスが起きると、塩に大きな圧力がかかり、最終的には破損することになります。
最初はきれいな球状の粒子であっても、脱水や水和のサイクルを数回繰り返すと、完全に粉砕されるか、過剰に水和して凝集し塊となります。
つまり、時間経過により塩の蓄熱量が減少することになるため、長期的な蓄熱には不向きです。
この問題を解決するため、水に対してさまざまな反応をする塩を組み合わせた結果、互いに補完し合う2種類の塩を見つけました。
水分をよく吸収する塩化マグネシウムと、水和速度が非常に遅い塩化ストロンチウムを組み合わせることで、蓄熱性の向上につながりました。
この研究の次のステップは、蓄熱用にこれらの塩を含むことができる構造を開発することですが、システムレベルの実証実験も計画されています。
その1つは、充てん床反応器のドラムに塩を充てんすることです。
まず、熱風が塩を横断して流れることで塩を脱水し、蓄電池のように効果的に熱エネルギーをドラム内に貯蔵します。
蓄えたエネルギーを放出するには、湿った空気を塩に吹き付けて結晶を水和させます。
放出された熱は、化石燃料の代わりに建物内で使用できるといった仕組みです。
最終的に、この技術は地球の気候に悪影響を及ぼさないエネルギーソリューションにつながる可能性があります。
さらに、塩は広く入手可能でコスト効率の高い材料であるため、導入は迅速に進められます。
塩を使う熱エネルギー貯蔵は、気候変動問題において重要な戦略である二酸化炭素排出量の削減に貢献できるといいます。


驚きの技術ですね。
創作活動でも、塩をうまく活用してみたいですね。

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