[創作論959] 電気絆創膏
ケガの治りが30%加速する電気絆創膏が登場しました。
慢性創傷とは、場合によっては数カ月も治らない慢性的な傷で、治ったとしても再発することが多く、手足の切断や死亡リスクにもつながる重大な健康問題です。
代用皮膚などを用いた既存の治療法は非常に高価で、完全に治癒する確率は50%程度なのにもかかわらず1カ所あたり1000ドル以上、場合によっては2万ドルの費用がかかります。
過去には、傷口に電気的な刺激を与えると傷の治癒に有効な細胞増殖や細胞遊走が促進されるとの研究結果が報告されていましたが、これには大規模な機器と毎日数時間の加療が必要であるため、実用化のめどはたっていませんでした。
そこで研究チームは、小型の電極とバッテリーを備えた使い捨て絆創膏の「water-powered, electronics-free dressings(WPED)」を開発しました。
まずWPEDを患部に当てると、電極が創傷に接触します。
そして、もう片面に搭載された小型の生体適合性バッテリーに水を1滴垂らすと数時間にわたり電界が生成され、傷を癒やすという仕組みです。
受傷後のマウスにWPEDでの治療を施したところ、市販の絆創膏(Tegaderm製)より約30%早く治癒することが確認されました。
電極とバッテリーを搭載しているにもかかわらず、WPEDは市販の絆創膏より20%重いだけで、つま先などの局面にもきちんと貼付できる柔軟性を備えているとのことです。
また、1枚当たり数ドルと安価で、着用しつつ普段通りの生活ができるため、患者の身体的および経済的負担も最小限です。
研究チームはさらに、傷口が深く創傷面が複雑なケースにも対応できるよう、切り紙に着想を得た3次元変形可能な電極を持つWPEDも開発しています。
WPEDの実用化に向けた臨床試験を行うべく、さらなるテストを進めているとのことです。
素晴らしい技術ですね。
創作活動でも怪我の恐れがありますから、是非使ってみたいですね。