[創作論939] ハエの活用
ハエの遺伝子を操作し、ハエが食べられる有機廃棄物の種類を増やす試みが行われています。
研究チームが実験したところ、遺伝子操作したキイロショウジョウバエに「ラッカーゼ」を分泌させることに成功したそうです。
ラッカーゼは繊維加工や製薬に活用できるほか、工業廃水処理用の染料を脱色することも可能で、光の透過を妨げている染料を脱色することで、廃水が流れる水路の微生物に光合成を促すことが可能になります。
また、ラッカーゼによりハエがプラスチック代替製品のリグニンなどを生分解できる可能性があることも示されています。
さらに、大腸菌由来の有機水銀リアーゼと水銀レダクターゼという微生物酵素を発現するようキイロショウジョウバエを操作し、メチル水銀を生分解させることにも成功しています。
このほか、特定の酵素を発現させることで作物生育のための肥料として使うことも可能になります。
遺伝子操作したハエが逃げ出して環境にリスクをもたらさないのかという懸念については、遺伝子操作により飛行能力を取り除くこともできるとされています。
驚きの技術ですね。
創作活動にもハエを活用する時が来るのかもしれません。