「あの、正直延々テーマがあっち行ったりこっち行ったりしてる」

予備校にいた頃お世話になっていた先生にそう言われた。痛いところに突っつかれたという気持ちと、いや、そうじゃないという気持ちと、自分の考えがちゃんと伝わらなかったなという気持ち。

自分の中では、修論のテーマはずっと同じものだった。しかし、よりよい研究にしたいという思いと、指導教官の反対や時空間の制限を避けなければいけないという思いの間にためらっていた結果、研究の方法が決められなかった。

自分はそのような取捨選択が苦手。途方に暮れることを避けるために、最初から触れないようにしているが、選択させる場面に遭遇すると、時間の流れに任せてしまう。つまり、いつまでたっても行動を起こさない。

その背後にある原因は何なのか?ただ失敗への恐れなのか?何で失敗したらダメなのか?

失敗すると、失敗を起こした自分がだめな人間になる。それが受け入れがたい。失敗から立ち直るのに時間と精力とお金がかかる。自分にはそれらの余裕がない。

でも、生まれてからなんでも成功する人になりたいのか?成功したり失敗したりする人生の方が楽しいのでは?失敗から立ち直れる人の方が強いのでは?自分はどんな人生を送りたいのか?どんな人になりたいのか?と自分に聞かせると、怖くなくなったような気がする。

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