こらっこ、憧れの業界に挑んで見事に散る
憧れの業界とは紙媒体の新聞です。
新聞の文章構成が好きなのです。
各社論調がありますが、そこらへんはどうでもよくて
起こった事件を正しい日本語で真面目に書いているのが好きなのです。
誰もが知っている新聞社で
求人広告を見ていたら、誰もが知っている新聞社で募集をしていました。
やってみたい。そう思いましたが、私なんて。そんな思いが先立ちました。
ですが今年は挑戦の年です。やってみることに意味があるのです。
応募しました。
3つのテーマからひとつ選んで、指定された文字数で作文して提出します。
どうやって書こうか。そんなことを考えている時間が幸せでした。
結果は不採用。
残念でしたけど、嬉しいことがいくつかありました。
大手新聞社の本社に行けたこと。社長と直接お話ができたこと。
それに、読んでもらったかどうかわかりませんが
私の課題が新聞社の人に渡ったこと。
こんなことはなかなか経験できないことです。
これだけでも、挑戦した価値があると思えてうれしくなります。
後日、本社に行ったよ。と友人に自慢しました。
すると友人は「俺も本社行ったことあるよ」というのです。
「俺、アタック25の予選で行ったの。記念品でボールペンもらった。
あれどこいったっけな?」
嫉妬する。
その後
つい最近まで、小さな新聞社でアルバイトをしていて
ありがたいことに、ちょっと作文させてもらっていました。
「記事を書くんだという気概を持って取り組んでください」
とよく怒られていました。
「責任感を持って取り組んでください」
とも言われました。
気概を持って取り組み、そこに責任感も乗せていたはずなのですが
プロの目線ではまともな文章が書けていなかったので仕方ないですね。
実力不足です。
最後には「どこか具合が悪いのですか?」と聞かれました。
私は健康ですけど、
そう問いかけられた頃にはもうここを辞めよう決めていたので
「今年の夏は暑すぎて食が細くなりました」
と答えました。
周りの人たちはそうじゃないことをわかっていたようで、
最終日には「残念です」と言って送り出してくれました。
10人近くいたチームの人員は4年半で残り1人まで減りました。
記者は情報を扱う人たちなので、何かを伝えるときには直接的に言わず、たった一言に多くの意味合いを持たせることをやる。と感じています。
暗号のように言葉を扱うといいますか、
しかし改めて真意を問うのは無粋なものです。
「残念です」の一言には、助けてあげられなくて申し訳ない。
こんな気持ちが混ざっていたんじゃないかなと思いますが、
本当のところは知る術がありません。
これまでの信頼関係から私がそう感じただけです。
しかし、私にとって絆創膏になってくれた言葉であることは間違いありません。
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