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記事メディアのSEO担当がデータベース型サイトの担当に転身した話

株式会社コアテックでSEOを中心としたWEBマーケティングを担当しているいまむらです。
コアテックに入社して数年経ちましたので、前職から現在までの振り返りとして、記事メディアとデータベース型サイトのSEO担当者を経験して感じたことをまとめました。

まず簡単な経歴ですが、新卒入社で入った前職で記事メディアの担当をしておりました。
チームメンバーやライターさん達と連携しながら最大7サイトのコンテンツSEOに注力していました。
当時は「とりあえず記事数を増やせ!」から「数より質だ!」という社内の方向転換もあったので、月100記事以上を作り出すためにライターを確保したり、質を担保するために医師など専門職の方に記事監修を依頼したりと様々なアプローチを経験しました。

もっと幅広いSEOに関する知識・スキルを身につけるためにコアテックに入社した後は経験のある記事メディア担当からスタートし、ありがたいことに業界の中でも知名度のある大規模データベース型サイトを担当するに至っています。

今回の内容がかつての私と同じように「記事メディアを担当しているけれどデータベース型サイトにも興味がある!」という方の参考になれば幸いです。


記事メディアとデータベース型サイトの違い

記事メディアとデータベース型サイトのSEO担当を両方経験して感じた違いは主に2点あります。

  • ページの種類の多さ

  • 施策をするために必要な開発コスト

担当するサイトの戦略フェーズによっても異なる部分があると思いますが、この違いはそれぞれのサイトを担当する上で苦労する点でもあり、面白みにつながる点でもあると思います。

以下でそれぞれの違いについて詳しく説明していきます。

ページの種類の多さ

一番大きな違いは、記事メディアに比べるとデータベース型サイトはページのテンプレート(種類)がたくさんあることです。

洋服や飲食店を検索した際に表示される検索一覧だけでも、エリアの掛け合わせ・ジャンルの掛け合わせ・さらに細かい条件の掛け合わせなどパターンが多岐にわたります。
そのため、各テンプレートにあわせて対策していくクエリも異なります。

また、記事メディアの場合は、導線や画像などの各素材を狙うクエリや記事内容に合わせてカスタマイズできますが、データベース型サイトでは各ページのテンプレートが決まっているのでその範囲の中でどのように施策を行うか考慮する必要があります

施策をするために必要な開発コスト

多くのデータベース型サイトでは、施策を実装する際、規模の大小にかかわらず開発チームの手を借りることになります。
あらかじめ管理画面で変更を加えられるような設計になっていれば話は別ですが、ページパターンや改修要素によって仕様に差があるなど、一括ですぐ改修をいれられる要素は少ないのではないでしょうか。

一方、記事メディアはCMSで制作されていることが多く、開発チームの手を借りずとも担当者がある程度自力でカスタマイズをすることができます。
過去に担当していた記事メディアも、重要タグの変更やページ内のバナー設置位置・リンク先の変更などを自分の工数のみでできました。

また、データベース型サイトは掲載情報の変更や掲載主向けの管理画面改修など、SEO以外の施策も多いです。
そのため、SEO施策とSEO以外の施策にどう優先度をつけるか、やりたい施策の優先度を上げるために決裁者をどう説得するかという点がより重要になります

テクニカルSEOに取り組む中で直面した課題

次に、データベース型サイトのSEO担当となって特にテクニカルSEO面において苦労している点と、その点に対する取り組みについて一部例を挙げていきたいと思います。

データベース型サイトの考慮すべき視点の多さ

データベース型サイトでは、1つの施策による影響範囲が広いため、考慮すべき点が多くなります。

記事メディアでは記事単位で施策を実施しますが、データベース型サイトではテンプレートごとに施策を実施します。
そのため、データベース型サイトでは同じテンプレートによって構築されているすべてのページに対して、支障がない形で施策を実施できるように考慮することが必要です。

例えばある商品一覧のtitleを「{カテゴリ名}の一覧」から「人気な{カテゴリ名}の一覧」と変更する場合、その商品に詳細条件を組み合わせた検索一覧にも影響します。
そのため、「人気な{カテゴリ名}のセール対象一覧」「人気な{カテゴリ名}の子供も使える一覧」といったように、組み合わせによっては不自然なtitleができてしまうケースがあります。

事前に影響する範囲を洗い出し、変更前後のシミュレーションをした上で施策の実施に踏み切ることが大切です。
個人的には、書き出して可視化することで考慮すべき点を整理する方法が手軽かつ、誰でも取り組みやすいためおすすめです。

SEO対策ページと他ページの差別化

記事メディアで同じテーマを扱う場合、検索意図に合わせて取り上げる内容のスコープや書く際の視点(主語)を変えることで、記事ごとの差別化を図ることができます。

一方で、データベース型サイトではサイズやエリアといった検索条件ごとに一覧ページを用意しても、表示される店舗や商品の情報が似通ってしまうため、SEO対策における重要なページをどう差別化して評価してもらうか、という点に苦労しました。

titleタグのような重要タグを各ページに適した内容にするだけでなく、他にも下記のような施策を実施しました。

  • 各ページの対策キーワードや関連キーワードを参考に、ユーザーニーズが高そうな情報を増やす

  • よくあるQ&Aや使い方といった、そのページに関連性のあるサブコンテンツを追加する

  • サイト内にある関連性の高いページと内部リンクでつなぐ

差別化が目的であるため、ページに情報を増やす際には他ページに似た情報が表示されないように制限をかけることで、情報の出し分けを行いました。

ページスピードの改善

現状もまだまだ取り組みが進められていない点の1つとして、ページの表示速度(ページスピード)の改善が挙げられます。

前述したように、データベース型サイトはページのテンプレートが多く、改修した際に影響を受ける範囲が広いため、実装に向けた考慮や検証に時間がかかります。
ページスピードの改善案を提案しようにも、すでに対象となるページの改修案件が実装された後では、ページスピードを改善するための提案を通すことはかなりハードルが高く、実装にいたる前に挫折することが度々ありました。

そのため、新しく実装される機能がある場合、要件検討の段階でページスピードに対する懸念事項をクライアントに伝えつつ、開発チームにも相談し、初期の実装段階でページスピードへの影響を抑えた仕様を検討するようにしています

この点は、引き続き開発チームの協力も得ながら進めていきたいところです。

データベース型サイトに触れて身についたスキル

記事メディアとデータベース型サイトの違いを知り、実際にデータベース型サイトのSEO施策を実施する中で身についたスキルを紹介します。
具体的なテクニックというよりも考え方の部分になるため、記事メディアを運営している方でも活用できると思います。

作ったコンテンツをより認識してもらう工夫

クローラビリティ改善(サイトやページを検索エンジンのクローラーに認識されやすい状態にすること)は記事メディアよりもサイト内の階層が深いデータベース型サイトでは重要度が高くなります。

特に担当したサイトは規模が大きいデータベース型サイトであったため、新しいページを作ったり、ページを改修したりする際には下記の2点について意識する習慣が身につきました。

  • 大量にあるサイト内のページに優先度をつけ、優先度が低いものを制御する

  • ページ数やページの種類が大量にあることを利用して内部リンクを集める

優先度の高いコンテンツを評価させたい場合には、優先度の低いページを制御することが有効です。
例えば、クロールさせたくないページに対してrobots.txtでクロール制御することで、評価させたいページを効率的にクロールさせることができます。

また、内部リンクについても、優先度の高いページに適切な形で集約することで、コンテンツの認識を促進することができます。

記事数が多い記事メディアでも実施されていることではありますが、データベース型サイトを実際に担当したことで重要性や整理する際の考え方をより理解することができました。

大量のデータから変動箇所やその要因を見つけるための視点

データベース型サイトを担当するようになってから計測しているデータ量が多くなったため、「データの中から知りたい要素をいかに早く見つけるか」という点にはじめは苦労しました。

記事メディアとデータベース型サイトで見る指標に大きな違いはありませんが、流入状況を見る場合にどうページをグルーピングして整理するかだったり、反響数値に紐づくユーザー行動を確認する際にどのページを重要ポイントとしてみるかといった考慮が必要になりました。

この経験により、大量のデータから要点を押さえて分析するスキルが身につきました。

終わりに

コアテックに入りデータベース型サイトのSEO担当を経験したことで、前職よりも施策やデータを見る際の視野が広がったこと実施する施策の種類を増やすことができたことが自分にとってプラスになっています。

前職時代は単に私自身の視野が狭かったり、知識不足だったということもありますが、コアテックに入り担当するサイトの種類が変わることはそういった自分の弱点に気づくきっかけになりました。
また、周囲にSEO担当としての経験が長かったり、SEOに対してすさまじい熱量を持って取り組む方がいる環境も自分の成長に大きく影響していると感じます。

このように、データベース型サイトのSEOは学びが多く、自身のキャリアアップにも繋がります。
データベース型サイトのSEOをやってみたい!という方はぜひ弊社にエントリーしてみてください!

最後までお読みいただきありがとうございました!


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