コピーライターは「エスカレーターを歩く」を減らせるか
「手すりにつかまろう」「エスカレータ乗り方大賞」
ここ数年さまざまなアプローチで認知を高めるポスターが掲出されている。
ここでは "本当にエスカレーター片側歩行をなくすべきか" という議論は置いておいて、仮に片側歩行をしないを「正」とした場合、そのマナーを啓蒙するポスターってもう少し頑張れるんじゃないかと思うことが多い。
ざっくり検索してみても、「呼びかけ」と「解説するタイプ」のポスターが多い。こういったポスターの掲出おかげで主張自体は伝わっているのだと思う。ただ、本当に減らすことまで達成できているかというと、どうなんでしょう。結果が出ているから、ずっとこの形式なのかもしれないですが。
こういう啓発系のコピーって加減がとても難しいのですが、例えば、
危険だからやめよう!
エスカレーターは止まって乗ろう
これって、正論なんですが、「とはいえ自分は急いでいるし」「危険ってなんやねん」「自分は危険がないようにするし」と心の中で言い訳してしまいそう。
駆け下り・駆け上がりは、事故につながる可能性があります。
エスカレーターは止まって乗ろう
より具体的になった。でもどういう事故かもう少し深掘れそう。
駆け下り・駆け上がりは、子供や高齢の方の思わぬ怪我につながります。
エスカレーターは止まって乗ろう
さらに具体的になって、イメージしやすくなった。
子供にぶつかって、気づかず過ぎていくサラリーマンを見た。
エスカレーターの駆け下り・駆け上りは危険です
利用者目線にすると、ちょっと罪悪感が増すかも。
201○年、ここで8歳の子供が将棋倒しの事故に巻き込まれました。
エスカレーターの駆け下り・駆け上りは危険です
事実の強さってありますよね。
今年事故を起こしたサラリーマンも、
加害者になるつもりはありませんでした。
そのエスカレーターの駆け下り・駆け上り、本当に必要ですか?
これも事実を彷彿とさせる系。
急いで稼いだ十数秒。
事故で失う十数年。
エスカレーター、本当にそこまで急ぐ必要がありますか?
誰かに怪我させるほど、必要な急ぎでしょうか。
銃だって使い方次第で「正」にも「悪」にもなる。
あなたは文明の利器を正しく使えていますか?
エスカレーターは止まって乗る、が正しい使い方です
やりたいことはわかるが、銃に例えられても飛躍しすぎですね。そして今時「文明の利器」ってw
全体的に啓発系ってネガティブアプローチ(ネガティブな面を訴求して、やめたほうがいいよね、と訴求する)が多くなりがちですね。もっとポジティブにできないものでしょうか。
止まって乗って、ほっと一息。
エスカレーター、忙しい移動の、束の間の休息。
うーん、あんまり共感できないですね・・・。
エスカレーター、止まって乗ると、速くなる。
これは実際にそういう実験結果もあるらしいですが、それでも歩いている人は歩いたほうが速いだろ、となってしまいそう。
いやあ、思いつきでやってみたものの、これなかなか難しいものですね。
ちなみに、奥さんに「どうやったらなくせると思う?」と聞いたら、2つの答えをくれました。
①全て一人乗りのエスカレーターにする
確かに・・・。混雑問題はあるけど、歩くのはなくなるかもw
②階段の段差を高くする
物理的に可能かどうかは別にして、これは面白い発想でした。
何か他にいいアイデアあるでしょうか?