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「また、こんな似たような文章か…」と思ったことがある方へ

セールスレターの技法を教えていると、「どうすれば売れるか?」とか「どうすれば反応が高くなるか?」という類の質問が圧倒的に多い。


確かに、私は”反応させることだけ”を目的にすれば、他の人よりも高い反応を得る文章を書くことができる。たった一言だけで、何倍もの反応の差を生み出すことだって、5〜6年の実践経験からすれば、難しいことではない。


実際のところ、セールスライティングの技術は、マーケティング先進国のアメリカを筆頭に、120年以上の歴史の中で、偉大なる先人たちが研究に研究を重ね、磨かれ続けてきた技術だ。


少し種明かしをすれば、セールスレターには、書き方の型がいくつか存在し、それらの型を知ってさえいれば、人に何らかの反応を促し、ビジネスをしているなら、売上を倍にすることだって、思ったよりも簡単にできる。つまり、高い再現性があるわけだ。


そんな話を聞いていると、どうしても、その型であるとか、書き方を知りたくなるのも無理はない。


しかし、その結果、どんなことが起きているかというと、どこにでも見かけるありふれた”煽り文句”が横行し、文章の一つ一つが陳腐化されている。


感情に訴えかけるのではなく、理性に働きかけて説得するインスタントで、安っぽいコピーばかりが、市場を席巻している。


理性で購入した消費者が、理性でこれはダメだと感じた途端に、商品やサービスは一気に価値を失う。理性は簡単に修正されていくので、顧客離れもすぐに起きうる。


その点、感情に訴えかければ、しばらくの間、商品サービスは消費者の心の中にとどまることができる。では、私たちは、感情に訴えかけるコピーを書けば良いのだろうか?


答えはもちろん「No」


セールスコピーは、あくまでも技法であり手段なのだ。私たちセールスライターが最初に見極めなければならないのが、商品やサービスが提供する本質的な価値だろう。


この商品・サービスは、消費者のどのような「不」を解消しているだろうか?消費者が言葉にできない、無意識レベルで感じている何を代弁することができるだろうか?


その根本の価値が見えてはじめて、商品・サービスにフィットする優れたセールスコピーは生まれる。


確かに理性を説得すること、感情に訴えかけることは、一つの技術として存在する。しかしながら、その大前提は、商品やサービスが、本来、兼ね備えている本質的価値を表現しているに過ぎない。


書くことよりも消費者を理解すること


私たちが第一に磨くべきスキルは、書く技術ではなく、消費者を理解するスキルだ。そもそも、セールスレターは”相手”がいなければ、書くことはできない。


読みたい人、つまり、何らかの不満や不安を抱え、解決策を抱えている人がいなければ、成立しないのである。


私たちが書きたいこと − 商品の魅力や他社に比べれば、いかに自社が優れているかなど − ではなく、読者が知りたいこと、そして、解決策としての本質的価値を書かなければならない。


それなくして、技法に凝ったセールスレターには、何ら価値はない。1日に何時間も、セールスコピーを学ぶのに時間を費やすくらいなら、消費者に30分インタビューをすべきだ。シンプルに、何に困っていて、どんな解決策が提案できるかに時間を使った方がいい。


”言わなくていいこと”は書かない


そうすることで、商品・サービスの本質的価値も見えてくる。きっと、商品開発者のあなたは、自社プロダクトのすばらしさをいくらでも述べることができるだろう。


しかし、それらは大体の場合、必要がない。ただ1つ必要なのは、消費者にとっての決定的な解決策であり、商品・サービスの本質的価値だ。


もちろん、それ以外は、セールスコピーにも登場してもらう必要がない。


誰よりも客観的な主観を持つ


私たち、セールスライターの価値は、単純に反応が高い文章が書けることではない。誰よりも、客観的に依頼主の商品・サービスの価値を理解し、誰よりも、主観的に商品・サービスの価値を評価することだ。


その上で、商品・サービスの本質的価値を見極め、世の中に発表することだろう。理性を説得する文章も、感情に訴えかけるコピーも二の次だ。


世の中にニーズを理解し、本質的価値を見極める届けることで、優れた仕事を達成できる。

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