AとB、どっちが伝わると思う?
▼ 前回のおさらい:人は感情的に購入する?
前回の更新では、人はどのような心理プロセスを経て、商品を購入しようと思っているのか?について書きました。
私たちは、自分が思っているほど、「必要だから」とか「あった方が生活の質が高まる」とか、合理的な意思決定をしていません。
シェアリングエコノミーが発展した現代では、車を持つこと自体がコストになり得ますが、それでも人は「欲しいから(≠必要だから)」買うのです。
ただし、合理性が欠けていてもOKではなく、あくまでも、感情が勝るのであって、不要なものは不要のままです。
つまり、評価されるべき商品やサービスの”伝え方の部分”において、感情に訴えかけるものになっていれば、人は衝動的に買ってしまいたくなります。
では、ここからが、今日の本題ですが、この感情的というのは、一体どのように紐解いていくことができるでしょうか?
▼ 人間が持つ8つの本能とは
人は感情的に購入を決定するというのが、前回の結論でしたが、感情的とはどのようなことと、言い換えることができるでしょうか?
その答えになり得るのが、人間には生来、備わっている次の8つの本能的欲求です。
・生存 → 生きたい
・美食 → 食べたい
・逃走 → 逃げたい
・色欲 → モテたい
・快楽 → 暮らしたい
・優越 → 勝りたい
・慈愛 → 守りたい
・社会 → 認められたい
いまいちピンとこない方のために、もっと分かりやすく噛み砕いていくと…
・生存 → 生きたい → 病気や怪我が不安で保険に入ろう!
・美食 → 食べたい → ミシュラン3つ星に行ってみたい!
・逃走 → 逃げたい → 練習がキツいからサボろう!
・色欲 → モテたい → あの人と付き合いたい!
・快楽 → 暮らしたい → 駅近で広い家に住みたい!
・優越 → 勝りたい → フェラーリとタワマンが欲しい!
・慈愛 → 守りたい → 家族が不自由ない稼ぎにしたい!
・社会 → 認められたい → 表彰されたい!
ざっと、このような感じです。何を重視しているのか個人差はありますが、ほとんど当てはまるのではないでしょうか?
こうして考えてみると、感情的とは、この8つの本能的欲求を刺激しているかどうか?と言い換えることができると思いませんか?
▼ AとB、どちらが感情的な言葉に聞こえる?
1つ例を考えてみましょう(あなたの業種はなんでしょうか?)。
例えば、世の中ほとんどの方が使用する化粧品。
多くの化粧品メーカーは「新成分◯◯配合で驚きの保湿力!今年の夏こそ”うるおい肌”」などと言うでしょう。
しかし、ほとんどの化粧品メーカーは「成分の半分以上が水とアルコールでできています!」とは言いません。
どちらが人の心に響くかは、一目瞭然です。
同じように、ダイエットジムの経営者も、
「食事制限と適切な運動を半年間、ずっと続けてマイナス6キロ達成しましょう。その間、”食べたい飲みたい”の誘惑に打ち勝つことも、当然、必要です。」とは言いません。
「◯◯ジムなら叶う理想のモテボディ」と言った方が得だということを知っています。この言葉は、8つの本能的欲求のうち、色欲や優越、慈愛の欲求を刺激しています。
▼ 【まとめ】感情的な購入体験とは?
つまり、感情的とは、8つの本能的欲求のいずれかを言葉で刺激している状態と言えます。
このことを感覚的に理解するなら、営業マンから話を聞く際、ただただ、機械的に説明をされていると感じるのか、使っているイメージが湧くのかの違いではないでしょうか?
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