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法律婚とも事実婚ともちがう「約束婚」をしました。

3年前のいい夫婦の日にプロポーズしたら「やり直し」と言われましたが、

2年前くらいに結婚できました。

せっかく結婚するので、指輪のデザインにこだわるように結婚のデザインにもこだわろうと思いました。

その結果、籍は入れず、「約束婚」という結婚のカタチにして2年が経ちます。約束婚という名前もふたりで考えました。事実婚の拡張版ですが、法律婚よりたくさんの意志ある約束を交わしてます。

歌手のSILVAさんご夫婦は婚前契約書(プレナップ)を交わし「収入はお互いに報告」「家事は平等に行う」「2万円以上の買いものは事前に協議」「健康ドックを毎年受ける」など、いろんなルールを設けて都度見直されてるそうですが、約束婚もそれに似ています。

だれかの結婚のヒントになるかもしれないので、事実婚の契約書をよく作っている行政書士さんといっしょにつくった契約書を見ながら、どういうものなのかを解説していきます。

ちなみに法律婚や事実婚をした人、結婚をしない人を否定したい気持ちは1ミリもありません。だれかの選択肢がふえたらいいなと思ってます。

以下、背景がグレーのところが契約書の全文です。

約束婚に関する契約

第1条(目的)
【妻の本名】(以下「甲」という。)と【ぼくの本名】(以下「乙」という。)は、双方の自由な意思決定に基づき、これまでの氏を互いに保持しつつ、法律上の婚姻に相当する関係を築くことを目的として本契約を締結する。

事実婚の契約書がベースです。だいたいこういうとき、甲が夫で乙が妻になる気がしたので、妻を先にしました。妻は「ちょっと何言ってるかわからない」と言ってましたが、ぼく的にはこの順番にこだわりました。

なお、当該契約は将来、甲と乙の間で法律婚をすることを阻害することを目的とするものではない。

約束婚は「籍を入れない」という宣言ではありません。メリットのほうが大きいなという状況になったら、なんのためらいもなく籍を入れようと話しています。

第2条(誓約)
 甲及び乙は、民法その他の法令に定める夫婦又は婚姻と同等の関係を持つことを相に確認し、合意し、将来にわたり本契約の趣旨を遵守し、夫婦として互いに慈しみ合い、助け合い、協力し合い、生涯ともに生活していくことを相互に誓約し、かつ、次の各号に掲げる行為を行わないことを誓約する。
① 本契約の相手方以外の者と婚姻関係を持ち、本契約と同等の契約を締結し、又は内縁その他事実上の夫婦と認められる関係を持つこと。
② 本契約の相手方の同意を得ないで、養子又は養親となること。
③ 不貞行為を行うこと。

第3条(遵守事項)
 甲及び乙は、次の各号に掲げる事項を遵守しなければならない。
①正当な理由がない限り同居し、互いに協力し扶助すること。なお、別居する場合、甲及び乙のうち収入の多い方が相手方を扶助すること。

4年以上、ふたりともリモートワークで文字通りずっといっしょにいるのですが、別居する選択をおたがいとれる約束にしています。どちらかが仕事をできなくなったら、もうひとりが支えます。

②各自の資産、収入その他一切の事情を考慮し、本契約による夫婦関係から生ずる費用を分担すること。
③家事及び育児については、手伝うという考えはなく、双方が主体的に行うこと。

あるとき、妻が料理をしていてぼくが「手伝おうか?」と言って怒られたことがありました。それ以来「手伝う」を禁止ワードにしたのですが、大事な考えだと思うので契約書にも入れました。

④法律婚をする場合、苗字は協議しあって決めること。

事実婚とセットでよく語られるのが、苗字が変わる問題です。ぼく自身は、面倒なのでじぶんの苗字を変えたくないなという気持ちもありますが、それ以上に相手の苗字を変えたくないという気持ちが強いです。仕事柄、商品や会社の名前の改名案の相談をされることがありますが、変えないほうがいいという提案をすることもあります。変えるメリットよりも変えるデメリットが多いなら、変えないほうがいいですよね。苗字を変えて銀行やカードとかで困ったという話を友達からも聞きますし、やっぱり相手の苗字を変えたくないと思います。それでも、事情や考えが変わる可能性はあるので「協議しあって決める」というふうに書いています。でも95%が夫の姓になるらしいので、変えなければならなくなったら、じぶんが変えるつもりです。

⑤喧嘩は必ず握手で収めるよう努め、その喧嘩の話題は金輪際話さないこと。

これはわざわざ入れた項目です。「ケンカしない夫婦」がいいと思いこんでいましたが、そうではなくて、「ケンカして仲直りできる夫婦」がいいんだと妻に教えてもらいました。過去のことを話し、思い出してイライラする、ということがふたりともよくあるので、終わったケンカについては話さないことも記しています。

第4条(委任事項等)
1 甲及び乙は、その一方が日常の家事に関して第三者と法律行為をしたときは、他の一方は、これによって生じた債務について、連帯してその責任を負うものとする。
2 甲及び乙は、一方に医療行為が必要であると医師から説明(カルテの開示を含む。)を受け、医療侵襲の同意をし、又は治療方針の決定に同意する等の通常配偶者に与えられる権利の行使について相互に委任する。
3 甲及び乙の間に出生した子の親権者となった者は、当該子の保護者として社会通念上有するべき権限を他方に対して委任し、当該子に医療行為が必要であると医師が認めるとき、その医療行為について医師から説明(カルテの開示を含む。)を受け、医療侵襲の同意をし、又は治療方針の決定に同意することを他方に対して委任する。

法律婚をしていないと緊急の手術に立ち会えないということがあるらしいので、医療行為の文が入ってるのだと思います。住民票で1人を世帯主にして、もう1人の続柄欄に「妻(未届)」または「夫(未届)」と書いておくと、婚姻関係の証明として効果があるらしいのでそれもやっています。

あと、ふたりともに遺言書をつくって死んだときに資産をすべて託す約束もしました。親戚のおじさんが亡くなったときに、おじさんの口座がロックされ、おばさんも家族も1円も引き出せず、預金すべてが銀行(国)のお金になるということが起きたので、遺言書はつくっといたほうがいいと思います。

第5条(財産の帰属)
1 甲又は乙の一方が本契約の効力が生ずる前から有する財産及び本契約中に自己の名で得た財産は、その共有に属するものとする。
2 甲又は乙のいずれに帰属するか明らかでない財産は、その共有に属するものとする。

法律婚だと、婚約後のすべての収入はふたりの共有財産で、離婚するときは半分にするというのがよくあるパターンですが、いろんな形があっていいと思うので、ふたりで話しあいぼくらは婚約前の資産もシェアすることにしました。(2年経っても資産が増えてないことにいま気づいたので仕事ください)

第6条(子の認知等)
1 本契約の効力継続中に甲が懐胎した子は乙の子と推定し、乙は、胎内にある子でも甲の承諾を得て認知をし、又は子の出生届と同時に認知をしなければならない。
2 乙は、遺伝子情報による検査を行い、その子が自身の子でないことを明らかにした場合は、前項による認知を拒むことができる。また、甲は、この検査に協力する義務を負い、甲がこの検査に協力しない場合、乙は、認知を留保することができる。
3 甲は、第1項による乙の認知を承諾しなければならない。ただし、遺伝子情報による検査を行い、その子が乙の子でないことを明らかにした場合は、この限りでない。また、乙は、上記検査に協力する義務を負い、乙がこの検査に協力しない場合、甲は、認知の承諾を留保することができる。

第7条(子の親権及び子)
1 甲と乙の間の子の氏及び親権者については、甲と乙が子の出生の都度、協議して定めるものとする。親権者及び氏に関する届出については、子の出生後直ちに行うものとする。ただし、子の出生時に本契約が解除済みであるときは、第10条の規定に従う。
2 前項により子の親権者となった者は、親権の行使に際して他方の意思が反映されるよう努めなくてはならない。

子供についての話です。あと残りは以下です。長いですが。

第8条(合意による契約解除)
 甲及び乙は、両者が合意したときは、書面により本契約を解除することができる。

第9条(合意によらない解除・契約の終了)
1 甲及び乙は、他方が次の各号のいずれかに該当したときは、他方に書面で通知することにより本契約を解除することができる。
第2条各号に掲げる行為があったとき
第3条各号に掲げる遵守事項に重大な違反があったとき
その他本契約による夫婦生活を継続し難い重大な事由があるとき
2 前項の規定にかかわらず、以下の事由その他これに類する特別の事由がある場合において、一方が相当な努力をもって他方の所在調査を行ったにもかかわらず、その所在が判明しないときは、本契約は、当然に終了する。
一方が他方から遺棄されその期間が6か月を超えた場合
他方の生死が6か月以上明らかでない場合

第10条(契約が解除された場合の子の監護・養育)
1 前二条の規定により契約が解除され、又は終了した場合において、甲と乙との間に未成年の子があるときは、当然にそのときの親権者が監護することはせず、子の利益が最大限に保証されることを考慮し、甲又は乙の一方からその後に監護する者を選ばなければならない。
2 前項により監護する者が選ばれた場合、速やかにその者が親権者となるよう必要な手続をしなければならない。ただし、法の制約によりこの手続を行うことができない場合は、この限りでない。
3 前二項により監護する者又は親権者とならなかった者も、その子を養育する義務を免れるものではなく、その者の所得、資力及び家庭裁判所の公表する養育費算定表を考慮し、養育費を支払うものとする。

第11条(財産分与)
 本契約が終了したときは、甲及び乙の協力によって得た第5条記載の共有財産は、双方に等分に分与するものとする。

第12条(損害賠償)
 本契約の終了につき責任のある当事者は、相手方に対し、別途、慰謝料の支払義務を負うものとする。

本契約の成立を証するため甲及び乙は、本契約が締結されたことを証するため本書2通を作成し、甲乙それぞれ記名押印又はこれに代わる電子署名をし、各1通を保有する。

20xx年x月x日

        甲  東京都◯◯区
        【妻の本名】

        乙 東京都◯◯区
        【ぼくの本名】

上の契約文は、こちらからダウンロードできます。
https://docs.google.com/document/d/12VSKRmGeOm8SW2uW663HqPXyaRVKXAxRJtXg9_LLvd0/

ご自由にカスタムして使ってください。行政書士さんはココナラとかで探せます。◯◯婚とかのネーミングは頼んでくれたら無償で考えますが、ふたりの共同作業としてやってみるのもオススメです。

ちなみに契約はクラウドサインで交わしました。仕事でも、企業間でそうやって契約するので同じでよいかと。婚姻届のようにこだわったデザインにして部屋に飾るとかもアリだと思います。

わかりやすさ重視で約束婚という名前にしましたが、個人的には「続婚(ゾッコン)」にしたかったです。

「続婚」というネーミングは、株式会社コピーライターの社員が考えてくれた案です。

100円で社員になれるので、入りたい人はぜひ。
https://note.com/copy/membership/

さいごに妻のXアカウントを紹介しておきます。

妻を撮ったTikTokもあるのでフォローしてください〜

「こうじゃなきゃいけない」でも「こっちのほうがいい」でもなく「こういうのもありますよ」というつもりで書いてますが、視野が狭いと感じる言葉があったら教えてください。いろんな人が、しあわせに生きるための選択肢がふえることを願っています。

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