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毛利BARとの思ひ出

毛利BARとは銀座6丁目にある老舗のバーである。小さな雑居ビルの最上階にある。外堀通りに面しているが、入り口を知らない人は、なかなか見つけられない。なので、ふらっと立ち寄る人は少ない。

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外からわかるのは、これくらい。

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毛利BARは毛利さんのバーだ。バーテンダーで毛利さんを知らない人はいないのではないか?というくらいの有名な方である。国内に弟子が3000人くらいいると言っていたのを聞いたことがある。

世界大会の審査員を務めたり、IT健保の中にあるバーの委託を受けていたり、毛利さんが今飲んで美味しいと言っただけで、ある飲料メーカーがフェアを開催したりとすごい方である。

毛利BARが今の場所にできて22年だということを知った。そんなもんだったのか?という感じだ。なぜなら、私がもう20年も通っているからだ。新人の頃から折角銀座で働くのだから、酒好きとして美味しいお酒を知らねばならない!という謎の使命感から、本で調べて行ったのが初めだった。

会社が近いということもあったので、休日出勤した土曜日など、17時くらいから深夜まで一人で本を読んで過ごしたこともあった。とても快適な空間だった。そんな通い方をしていたからか、名前を憶えてもらって、転職して職場が変わったり、体調を壊したりで、今ではだいぶ減ったが、今まで銀座のホームバーとして利用させてもらってきた。

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毛利BARの代名詞、マティーニ。

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毛利さんのオリジナルカクテル、ハバナマティーニ。

とても美味しいカクテルなのだけれど、マティーニもハバナマティーニも度数が高い。一昨日、最後だから何飲めばいい?と聞いたら、

え?それ聞く?毛利に来てマティーニ以外に何飲むの?

って、言われて、まあそうだよね、って。


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2017年には、帝国ホテルであった毛利さんの古希&バーテンダー50周年のパーティーにも招待して頂いた。乾杯の発声が王貞治氏だったり、とても豪華だった。

夜中に事業に成功した社長さんがバーにいる全員にシャンパンを振舞ったり、有名な女優さん、俳優さんが普通に飲んでいたり、怪しい男女の関係を眺めたり、本当にいろいろとあったな、と。

そして何より自分自身の楽しい時間、管を巻きたい時間、そんな様々な感じの時間を包み込んでくれた場所だった。とても大好きな場所だった。




本日(2020/03/21)、毛利BARは銀座6丁目での22年間の営業を終える。







そして、毛利BARは、

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新店をオープンさせ、

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移転する。


そして、私は、

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新店のレセプションに参加し、これまで通り毛利BARをホームバーとして利用するのである。

様々なものがものすごい勢いで変化していく中で、変化しないものがあってもいいじゃないかと思う。

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鱸@biz
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