![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/12409056/rectangle_large_type_2_fbf413b42d34c6c71af6a0cc0c905b1b.jpg?width=1200)
堀口恭司の戴冠にグッとくる訳
2019年6月15日
マジソンスクエアガーデン
バンタム級タイトルマッチ
◯堀口恭司vs●ダリオンコールドウェル
5R 判定3-0
堀口恭司、日本人男子初北米メジャー団体戴冠!
死ぬまで忘れない日付になりました。
なぜ偉業なのか?どれ程喜ばしい出来事なのか?
少し歴史を遡る事になります。
先ずはこれまでの北米メジャー団体の日本人男子の主なタイトルマッチです。
2001年2月23日 UFC30
バンタム級(ライト級)タイトルマッチ
●宇野薫vs◯ジェンスパルバー
5R 判定0-2
2001年11月2日 UFC34
●宇野薫vs◯BJペン
1R 0:11 KO (スタンドパンチ連打)
2002年3月22日 UFC36
ウェルター級
●桜井マッハ速人vs◯マットヒューズ
4R 3:01 TKO(マウントパンチ)UFC 36
2003年2月28日 UFC41
ライト級
●宇野薫vs◯BJペン
5R 判定1-1
~~
2010年4月17日
ストライクフォースライト級
●青木真也vs◯ギルバートメレンデス
5R 判定0-3
2011年4月8日
●川尻達也vs◯ギルバートメレンデス
1R 3:14 TKO
2011年8月27日
ミドル級
●岡見勇信vs◯アンデウソンシウバ
2R 2:04 TKO(パウンド)
2012年4月20日
ベラトールライト級
●青木真也vs◯エディアルバレス
1R 2:14 TKO(パウンド)
2015年4月25日
UFCフライ級
●堀口恭司vs◯デミトリアスジョンソン
5R 4:59 腕ひしぎ十字固め
他にも桜庭和志選手がUFCトーナメントに優勝していますがズッファ体制前で、今とはUFCの位置付けがかなり違うので偉業では有りますが省きます。
この中で僕が吐きそうな位緊張して、固唾を飲んで見守るようになった試合は2010年のストライクフォース・青木vsメレンデスからになります。
では、それ以前はそんな事は無かったのか??
動画配信インフラの違いなどもありますが
青木vsメレンデスと宇野vsペンとの間に7年の空白が有り、この空白に起こった出来事が深~く関係しています。
先ずは失われた7年以前の話から。
日本格闘技界最大の礎、桜庭和志vsホイスグレイシーが行われたのは2000年の事。日本格闘技バブルの始まりです。
ノゲイラ、ヒョードル、ミルコが登場するのはこの直後…今では信じられませんが日本が世界の格闘技の中心でした。
PRIDE=日本のリングは見まごう事無く最強を決める場所だったのです。
宇野薫がUFCに挑戦したのはそんな時でした。
今でこそUFCのタイトルマッチと言えば挑戦するだけで偉業、戴冠なんて無謀だ!という絶望的な空気感ですが当時は少し違いました。
無法者の集まりだった初期からズッファ社傘下になりルールを整備し始めた頃で「由緒ある老舗」ではあるものの手の届かない存在では無く、階級が無いためPRIDEに挑戦出来ない軽量級の選手が腕試しをするような感じだったかと思います。
宇野薫もマッハも初挑戦でタイトルマッチと言うことから当時の力関係が見てとれます。
当時の風潮は「宇野薫のUFCへの挑戦」よりも「宇野薫の修斗のベルト返上」の方が大きな衝撃として受け取られていた印象でした。
https://sp.ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar1749022
最強(重量級)はあくまでPRIDE=日本。
UFCは軽量級の舞台。
そんな状態ですから負けたことは悔しいけれども、UFC戴冠失敗=日本終わった…というようなお通夜モードになる程ではありませんでした。
桜庭和志選手が孤軍奮闘していた事や圧倒的なヘビー級三強の存在もあり、軽量級で日本人が負けても「最強」のブランドは日本が保持していたので心のバランスは保てていた訳です。
しかし、バブルはいつか弾けます。
2007年PRIDE消滅。
ダムが決壊するように「最強」のブランドを失った日本格闘技界はとてつもないスピードで衰退していきました。
PRIDE崩壊と地道に固めた競技の地盤作りが相まってUFCが一人勝ち、
UFCを頂点とする様々な団体が次々と後に続き
巨大な北米ピラミッドの完成です。
それでも蜘蛛の糸のような最強幻想が青木真也のライト級には垂れていました。
DREAMでのアルバレス戦後の
「日本がトップだこの野郎!」で涙したPRIDEファンがどれだけ居たことか…
ファンが蜘蛛の糸に頼るように見ていたのが、青木真也のストライクフォースとベラトールでのタイトルマッチでした。
その後、UFCの岡見勇信の試合も堀口恭司の試合も
吐くような緊張感は必然でしょう。
そして…
2019年6月15日マジソンスクエアガーデン
ベラトール222
長い長い年月を得てたどり着いた今回の結果。
今回ほど格闘技を見続けて良かったと思った事はありません。
本当に感謝しかありません。
本当に本当にありがとう!!
日本には確かに最強のブランドは無いけれど、軽量級に堀口恭司と浜崎朱加がいる事がどれ程誇らしいか…
今回の勝利で日本格闘技界の現状が厳しい事には変わりありませんが、二人の活躍に憧れて格闘技を始める少年少女が居るハズです。
かつて山本KIDや藤井恵に憧れたように…
https://youtu.be/2xpRuDW3f3k
…数年後も僕は相も変わらず格闘技を見続けているでしょう。
その時、その少年少女達に「今まで格闘技を観て来て良かった」と思わされる事になるだろうと今からワクワクしているのです。