マガジンのカバー画像

訳ありなひとたち

7
コラムニストのたまちゃんこと、わたくし不肖玉井が出会った「訳ありなひと」たちとの悲喜交々から、家族そして自身の訳ありを備忘録的に綴っています。一笑に付すもよし、あるあると同調して…
運営しているクリエイター

#終戦

玉井ママの訳ありな終戦

【玉井ママシリーズ】 朝鮮半島から引き揚げに挑む250人の運命 「いいぞ、まさえちゃん、にっぽんいちーっ!」 舞踊の演目を終えると庭に集まった近所のひとたちは縁側まで身を乗り出し、わたしに賛美の拍手を送る。 「お父さん、うまくおどれてた?」 「うん、上手だったぞ」 「水鏡」に続いて、習ったばかりの「お夏清十郎」を演じた。日本舞踊を習っていたわたしは人前で踊りを披露するのが大好きだった。どういう意味の踊りなのかはわからなかったけど、しなを作ったり摺り足とか振り返る所