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C50カブ 2023#21 配線地獄

カブってやつは、よくできている。
だからこそ、手を入れようとするとめんどくさい。
なのに手を入れたがる人が多い。
そしてハマる、悪いほうなのか、良いほうなのか、様々だけれど。

悪いほうにハマるケースは、エンジンに手を入れる場合に多いように思う。
シリンダ径やバルブリフト量を大きくしてみても、その効果が体感できなかったりすると、ではキャブレタを替えてみるか、クラッチは強化タイプにしよう、などど際限なく手を入れることになる。
シリンダとキャブレタのボアアップ、ハイリフトカム、強化クラッチ・オイルポンプと、ほぼ別物のエンジンを組み上げるころには、当初のカスタム目的を見失ってしまうこともあったりする。

他方、良いほうにハマる人は、電装品にだけ手を入れているように個人的には思う。
いやー電気には弱くって・・・と言う人は多いけれど、それを聞くたびに、電気に強いと言うには何を基準にすればよいのだろうか、と思う。
弱い、もしくは、詳しくは解からないながら、ライトやウインカーに手を入れると、まともに動作しているかどうかが判りやすいので、いわゆる達成感が得られるのであろう。

ヘッドライトを電球からLEDに替えたら、以前より暗くなって絶望してしまう人も中にはいるらしいが。

電装品を替えていくのが、なぜ大変なのかを考えると、ハンドル、正確にはハンドルカバーの構造に要因を求めることができる。
なにしろ、このハンドルカバーはパーツリスト上は、ハンドルバーと一体であり、ライトケース・ウインカーケース・メーターケース・キーシリンダーのフォルダを兼ねている。
例えばライトを純正以外の、形が異なるものと交換しようとすると、ウインカーもメーターも替えなくちゃならない。
いや、絶対換えなくちゃいけないかといえば、機能面だけでみればそんなことはない。
けれども、同時に手を入れないと、ライトだけがケースに収まっていない、キテレツなかっこうにならざるをえない。

そういったわけで、ハンドル周辺の何かしらを社外品に交換するときは、ごっそり外されることになる。

ヘッドライト・左右ウインカー・メーター・キーシリンダーが車体から外されると、あとに残されるのは配線である。
困ったことに、この配線はハウジングに収まっておらず1本ずつバラけた状態になる。 

そのバラけた電線がどこにつながっているのかを、1本ずつ読み取ってスピードメーターとタコメーター、左スイッチをつなげてくれろ、と言う。

前置きが長くなったが、想像されているよりも大変な作業ですよ、これは。
ノーマルのハンドルカバーの中で、どのような配線がされているのか見たことがないのだけれど、外して社外品に替えようとすると、メインハーネスの線では足りなくなる。
ノーマルの配線は、アース兼マイナスで使われるよう構成されているが、社外品はプラスとアースで使うように作られているからである。
要するに、アース専用の口が足りなくなる。
対応策としては、ボディアースを多用するか、アース線を分岐して口数を増やすかで、今日は後者で行った。
スイッチはよいとしても、ウインカーやメーター類は再度交換するかもしれない、と聞かされていたためだ。
ボディアースのターミナルを一箇所作ると作業的には楽なんだけどな。
アース専用線を作っていくにしても、あまり無計画だと美しくないので、配線図を見ながら分岐させるのはどこで何本かを決めてから進める。

できあがってみると、あまり美しいとはいえない。
ちょっと容積をとりすぎじゃないか?
しかも、ニュートラルが点かないし。

いや、スピードメーターの仕様で、これはどうしようもないんですよ。
次にメーターを選ぶときは、ニュートラルランプが独立した配線になっているものを選んでください。


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