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シグナスX 2023#5 真冬対策

いつの間にか、電熱なんとか、なる製品が多く出回るようになってきた。
電熱グローブ、電熱ベスト、電熱パンツ、と身につけるものの印象があり、古くからあるグリップヒーターは、「電熱グリップ」との表記はあまり見ない。
要は、車体から電源供給を受けないものを、電熱なんとかと称する、と考えたいところだけれど、この種の標準化はAmazon が販売を席巻している以上、不可能だと思われる。

今回、シグナスXにヒーティングシートパッドを取り付けてくれ、との依頼がきた。
ついでにグリップヒーターもつけてくれろ、と。

あのね、ぜんぜん「ついで」ではないです。
と言い返したところで、伝わらないだろうから、あえて言わなかった。
ぼくに依頼すること自体が異例なので、「異例のついで」の意味であろう。
どうにも、この「ついで」の使い方を間違っている人が多いように思えてならない。

たしかに、ACC電源につなぐ、と考えると、どちらか一方を設置するにも配線処理はするよね?となるが、ACCコネクタはハンドルのところにあって、しかもすでにスマホフォルダで消費されている。
シートの下まで電源を引っ張ってくるのは、大工事になるかもしれませんよ、とは伝えたが、その意味は伝わらなかったようだ。

まずハンドル周辺を開けて、スマホフォルダの配線を確認した。
ACCコネクタから、2系統の電源が採れるように細工されてあった。

なるほど、これを作業した人は、将来的に使うのではないかと予想して、こういうていねいな工事をしたんだな。
自分のことなんだけど。
そう、充電器内蔵スマホフォルダを設置したのは、ぼくである。
いちいち細かいところまでは記録していないので覚えていなかったが、グリップヒーターの配線は時間をかけずに終わった。
配線が焦げなければよいけど、それぞれヒューズがあるので火事になることはなかろう。
けれど、ここからさらに分岐させてシート下まで線を引くのはいかがなものか?

電力的な懸念もあるし、ステップの下に線を引っ張っていくのはたいへんな作業になる。
シート下の配線から分岐させよう、じつは作業に取りかかる前から決めていた。

たいていのスクータはシートの周辺にバッテリが配置されている。
ヒーティングシートパッドもバッテリに直接つなぐのが、いちばん簡単な接続方法である。
けれど、スイッチを切り忘れてバッテリあがりの原因になるので、やめたほうがよいと説明書にも書いてある。

では、どうするか?
さいしょヒューズボックスをあてにした。
シグナスXのヒューズボックスはシート下にあるので距離的には使いやすい。
が、加工が大変そうだ。
ヒューズそのものから線を出すタイプの配線器具もあるが、接続部分が不安定なので個人的には好きではない。
といって、裏側の配線を分岐させるには線が短くて作業スペースが確保できない。

もう少し後ろ側、スタータリレーのそばにコネクタがあるのを発見した。
テールランプとウインカーに繋がっているものだ。
どの色かは調べないとならないけど、テールランプは常時点灯なので、これを分岐させよう。
緑と橙は、さっきグリップヒータを接続するときに見かけた、ウインカーだな。
テスターをあてると、青はキーオンで12vが流れるので、たぶん、これがテールランプであろう。
ここにプラス側電源を割り込ませて、マイナス側はバッテリーに直接つないで配線終了。
便宜上「マイナス側」と書いているけど、じつは「ゼロ側」が正しいと、さいきん考えるようになった。

しかしこれ、バッテリあがらないかね?

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