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シャリー 2023#74 点火系点検補修
ホンダシャリー、元シャリーと呼ぶべきであろう。
エンジン・キャブレタ・マフラー・サスペンションなど、替えたところ・追加したものを挙げるとキリがない。
その状態で購入後しばらくは走っていたが、ある日急に動かなくなったと言う。
右折のとき急に回転が落ちたのでジェッティングを見直したい、と言っていたが、1週間文章でやり取りしたところ、これは電装に間違いないであろう、とにらんだ。
たしかに、キャブレタを替えると、ジェットの選択はむつかしい。
妥協できる組み合わせがみつかるころには、季節が進み、最初からやり直すはめに遭ったりもする。
けど、車両購入した直後はそれなりに走ったということは、妥協点であるかどうかは別として、まずまずのセッティングにはなっている、と考えた。
ならば、とオーナーは右折時に止まったことを重大視しているようではあったが、その後、キーONにはなるので、ステム周辺の配線を疑うのは後回しだと説得した。
そして迎えた当日、最初にピックアップコイルの確認からはじめた。
直流化しているらしい、と言うので、ジェネレータコイルの配線も見たかった。
エンジンはGPX125で、全波整流なのだと言う。
その現物を見るとなにかが解るかと聞かれれば、ピックアップコイルの配線色。
他には、ジェネレータコイルの配線は手を加えてはないのではないか?くらいなもの。
ではピックアップコイルの抵抗値を測ってみよう、機能していなければ反応がでないはず。
なるほどピックアップは良さそうですがこれで火は飛びますか?と訊くと、いやダメなんだわ、と言う。
ふむ、ではCDIからイグニッションコイルと順を追いたいけれど、CDIは点検のしようがない。
なんでも「進角CDI 」と呼ばれるものらしいけれど、どう進角するのかどころか、ピン配置も不明。
やむなくコネクタがちゃんと刺さっているだけ見て次へ進む。
CDI の5本の線をたどって、イグニッションコイルへの接続を見ると、なんとも接続が危うい。
ホンダサイズのオスギボシ端子と標準サイズのメスが組み合わさっている。
メス側をペンチで軽くつぶして接続し直して点火を試みる。
出る、火花が。
これっぽいですね。
突然止まって、その後まったく火が入らない状況と関連が高そうです。
ただ、こういう端子の組み合わせで接続している所が他にもあるかもしれない。
自分でやる、と言うので、メーターの配線を見直すとよいのではないでしょうか、と言って帰ってきた。
端子は替えてあげれば良かったかな、と少し後悔。