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マジェスティ125 2023#35 駆動系点検

慎重な、というべきか、繊細と呼ぶべきか。

エンジンのあたりから、なにか異音がする、と思っていたけど、しばらく乗ったら音は出なくなった。
エンジンオイルの交換時期でもあるし、ついでに見てほしい。

いつもとなにか違う、昨日と比べるとどこかおかしい、それに気づける人はあまりいない。
そして、気づいたときにすぐに対処できる人は余裕があるといってよいのかもしれない。

対処は自らやらなくてもいい。
けれども、ちょっとした違いに気づかない人のほうが圧倒的に多い。
街行くスクーターの大半がタイヤの空気が抜けているのは、そういう事情である。

とはいえ、いったんは出たが今は出ていない異音の原因を突き止めるのは難しい。
無理だろう、一般的には。
だって、今は問題ないのだから。

見てはみるけど、わからないかも知れないですよ。
と、断りながら、念のため駆動系の部品を用意した。
駆動系の場合、異音の発生と同時に走行不能になることが多いが、消耗品なので先に交換しておくのも悪くない。
開けてみて、問題なければ本来の交換時期までとっておけばいい。

が、車両を実際に見てみると、リヤフェンダーのボルトが脱落して、規定の位置にはないことがすぐに判った。
タイヤと擦れて穴が開いているのも確認できた。

たぶん、これだと思うんですよね。
ヘンな音ってわりあい低い音じゃなかったですか?と訊いても、うーん?という答だった。
準備もしてあるので、駆動系も見てみますが、音の原因はこれだと思いますよ。

と、カバーを開けていくと、思ったよりもベルトの状態が悪いことが判った。
いわゆる、偏摩耗である。
少しずつ全体が消耗しているのではなくて、何ヵ所かが激しく削れている。
ベルト自体の性質によるものか、もしくは正しくセットしないで乗りだしたか。
原因は明確にはできないけれど、結果として、準備しておいてよかった、となった。

それもこれも、なんかいつもと違う、と感じたところからはじまっている。

この人、バイクに乗るには良いセンスしている。

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