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『そうてんねんしょくハウス』 ~モグラのおやこさん の まき~


「ひろのおばちゃん、ただいまー」
げんかんをあけ へんじもきかずに なかにはいった。
「おかえり。はやとくん。」
おばちゃんが、おちゃのよういをしようと せきをたったので、
ぼくは、がまんしきれなくて さきにきいた。
「ねえねえ。きょうのおきゃくさまは どなた?」

「あー。きょうのおきゃくさまはねえ。」
ひろのおばちゃんが バインダーに はさんだかみをみて
「きょうのおきゃくさまは 『あそこのモグラのおやこさん』です。」
「『あそこの?モグラの?おやこさん?』」ぼくは くりかえした。
「そう。モグラのパパさんが ひげそりをごよやくです。」

「ぼうやから、『にちようびのパパは、おひげがいたくて きらい!』って
いわれちゃったそうよ。」
「ぼうやのきもちはわかるけど、パパもかわいそうに。」
「そうね、はやとくん。そうてんねんしょくハウスのほうで ひげそりリフレッシュと なかなおりリトリートを おねがいします。」

「かしこま りとり(*^^)v」
ぼくと ひろのおばちゃんは、ハンドサインをこうかんし、それぞれのもちばについた。おばちゃんは、おてあて。
ぼくは、モグラの まずはパパさんからだ。

せんべいのうらにわの きりかぶのベッド。
きょうは リクライニングチェアになってます。
パパさん、どうぞ。
せっけんのあわを もりもり パパさんのおかおに。
「なんだかふわふわの あわあわで ゆめのなかにいるようだ。」

「そうてんねんしょくハウスは てんねんゆらいのものばかり。
ささのはで やさしくやさしく おひげをおそりしますね。」
ぼくは いちりゅうセラピストのきぶん。
「なんだかつるつるになったぞ。これなら、ぼうやもハグしてくれそうだ。」
モグラのパパさん すっかりリフレッシュしてくれた。

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