日本選手権10000m観戦 男子編
女子の熱戦冷めやらぬまま次は男子の決戦スタート。
このレースも神ペーサーでした。
黒崎播磨のキプロノ選手です。
もちタイムが27'14"ということで、引っ張れるのかな?と思っていましたが、もちタイム以上の実力の持ち主でした。
そして3選手が日本新!
塩尻和也 27’09”80 日本新 PB
太田智樹 27’12”53 日本新 PB
相澤晃 27’13”04 日本新 PB
塩尻選手のじわじわ走法
目の前でまさかそんな大記録が出るとは思いませんでした。
塩尻選手の走りってわりと穏やかな印象で、ガツガツ先頭を撮りにいく、一気にスパートする、みたいな感じではないので、知らないうちに差が開いていました。あれ? という感じ。
ん? このままいっちゃうの? 塩尻選手が優勝? ほんと?
えーすごい〜!と思っているうちにゴール。
塩尻選手はスパート力がないかのように言われますが、ああいうじわじわした上げ方ができるのは強いですよね。
太田選手、相澤選手も好記録をマーク
太田選手は前評判通りで、ある程度いくだろうとは思っていましたが、とにかくこの日は記録が素晴らしい。
相澤選手はずっとレースに出ていなかったところからの復活。
これもすごい。しっかり持ってきたなあと拍手喝采です。
前日本記録保持者としては悔しさもあったかもしれませんが、レース後はすっきりした表情でした。
田澤選手は4位。
ずっと連戦できていたので、練習がしっかり積めていなかったというようなこともおっしゃっていました。
陸上ファンとして欲を言えば、最後のトップ争いにからんでほしかったですが、まあそれは高望みしすぎですね。
5位の小林選手は大健闘。前半から積極的についていきましたよね。
素晴らしかった。
小林選手の駒澤ぽくないところがなんか好きで応援しています。
男子10000mは、がぜん面白くなってきましたね。
海外でトレーニングすれば強くなれるのか
最近、日本の陸上界では海外に追いつくためにいろいろな方策が言われています。ケニアでトレーニングしたり、アメリカでトレーニングしたりする選手も増えています。
大きなビジョン、新しいトレーニング理論、いつもと違う環境などは、選手にとっては、夢が持てるものだと思います。自分が強くなれそうな気がします。
私もいま自分が現役ランナーだったら間違いなく海外を志向したはず。
だけどそれで強くなるかといえば、そんなこともないよね、と。海外に渡れば渡ったで、渡航前後の数日はやや安定しません。いつもとリズムが狂いますよね。
トレーニングだけを単純に比較すれば、日本で継続的にやっていたほうがパフォーマンスは高いとも言えます。
今回の結果を見ても塩尻選手や相澤選手は、しっかり日本に根付いてトレーニングしている印象。あまりに新しいトレーニング方法や環境に憧れすぎると本質を見失うこともあるだろうな、と思いました。
このレースはトップの5選手にとってはものすごくいい経験になったと思います。このペースを集団で体験できたことは間違いなく大きい。
伊藤達彦選手はどうやって巻き返してくるでしょうか。
それもまた楽しみです。
ノーマークだった大川歩夢選手
現地観戦の楽しみは、全選手を目の前で見れること。
テレビはトップしか映しませんから後方の選手がどうなっているかがわからない。
と思っていたのに、6位だった大川歩夢選手は、ノーマークでした。
いつの間に?という感じ。
プレス工業は応援団も来ていましたから、期待されていたのですね。すごいなあ。ますます頑張ってほしいです。