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第3回THE NEW COOL NOTER賞始まる世界部門~10/6講評

第3回THE NEW COOL NOTER賞「始まる世界」部門へご参加いただいている皆様。

本日までで、早くも17作品もの応募をいただいています。
ある参加者様から質問をいただいていますが、8月部門、9月部門に応募いただいた記事の「続きの記事」を応募いただいても構いません。
8月から10月、そして11月にかけて、THE NEW COOL NOTER 賞の各部門は一つの大きな流れとさせていただいています。

皆様とともに、展開し、自分とそして人と出会う賞でありたく思います。
ふるって、ご参加いただければ幸いです。

なお、本日は3つの応募記事へ審査委員それぞれからの講評を掲載させていただきます。

どうぞ、楽しんでいってください。

(本日の講評者)

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<講評(これでも母さん)>

息子さんの物語は、貼り付けられた記事から始まります。

ある真冬の夜、2歳の娘さんの喘息発作が収まらなかった為、急遽5歳の熟睡している息子さんを残して病院に駆けつけたことがあったそうです。
江村恵子さん(以下、恵子さん)は、残してきた息子さんはずっと寝ているはずだと思ってらっしゃいましたが、息子さん(とても弱虫で泣き虫で怖がりさん)は真夜中に起きてしまっていました💦
目が覚めて両親も妹も居ないという怖い事態に気付いた息子さんは、どれほど心細く怖かったことでしょう。
娘さんの診察が終わり帰宅したご夫妻の目に映ったのは、2階からおろしてきた毛布にくるまり、暖房をつけて一人で待つ、幼い我が子でした。

息子さんは、帰ってきた家族に安堵しながらも、自分の不安を直訴することなく、「Uちゃん、大丈夫?」と妹さんを心配する優しい優しい心の持ち主でした。読んでいるだけの私ですら胸が詰まりました。
家族で抱き合い大泣きされ、今でも忘れられない出来事だそうです。

『緊急時に自分で考えて、出来ることをする』、口では簡単に言えても、大人でさえ、なかなかできない事です。
息子さん、えらかった!めちゃめちゃお利口さんです!

恵子さんは優しい息子さんの姿に、モチモチの木という絵本を思い出されたそうです。有名な絵本で、ご存じの方も多いと思います。
じーんと感動しますので、引用はしません。
ぜひ恵子さんの言葉で読んで下さい!

また、卒園式の日のエピソードも印象深いです。
太鼓の演奏でトリとなり最後のキメポーズをすることになっていた息子さん。なんと前日に熱を出してしまいます。一番可哀想なタイミングです😢
頑張り屋な息子さんは決して諦めませんでした。
泣きながら大嫌いな座薬を入れてくれと頼み、当日はきちんと役割を果たしてポーズを決めて大喝采を貰ったそうです。なんて健気で責任感のあるお子さんなんでしょう。感動してウルウルしてしまいます😢

ピンチに落ち着いて自分が出来ることを実践し、
自分で決めたことをやり抜く意思の強さは、
息子さんの人としての芯の強さを物語りますね。

そして、話は大人になった息子さんに移っていきます。

挫折を繰り返しながら、それでも「自分らしくありたい」と思い続け、今を生きている長男。

 そんな長男を見て、親として何度葛藤があったことか・・。
そして、どれだけのことを教えてもらえたか・・。(本文より引用)

江村さんは長男さんの性格をこう記されています。

どちらかというと、気が弱く、とにかく優しい長男。
いつも飄々としているけれども、やるときはやる、というのは小さいころからあった。(中略)普通の男子高校生だった。

大学入学後、優しい長男さんに大きな試練が訪れます。
希望の大学に入学したものの、上京後に居場所や友達ができず、とうとう大学にも行かなくなってしまったのです。
その後、居場所になった音楽サークルにのめり込み、バイトに開け暮れ、たった一つの単位の為に留年することになったそうです。こう書くと簡単に感じるかもしれませんが、離れて暮らす恵子さんにはとても心配になる出来事だったはず。

それなのに、「その時の長男の挫折は大きいものだったと思う」と記されたその言葉の裏には、離れて暮らす息子を信じ、見守ることに徹している恵子さんの大きな愛情が感じられます。
卒業確定後の息子さんが、夢を叶える為に「音楽関係の専門学校への進学」を希望し、親として応援するくだりでも、何があっても息子さんの決断や夢を応援すると覚悟を決めている恵子さんの大きな信頼と愛情を感じました。

この間に恵子さんの切ない告白があります。
恵子さんの言葉で読んで頂きたいので引用はしませんが、胸がきゅっと締め付けられる想いがしました。
親として決して良い対応ではなかったと思うと仰ってますが、
息子さんにとっては決して悪いことではありませんでした。よかったです!

音楽への夢を叶えたい一途な息子さんは「専門学校」で学び、好成績も実績も積み、楽曲提供やCDをだし、希望の会社でインターンをして経験を積むも残念ながら採用されませんでした。
「そこでも、長男は大きく挫折した。」と恵子さんは書いてらっしゃいます。二度目の挫折で息子さんはご自身の夢を諦めてしまったのでしょうか?

答えは「いいえ、全然!」です(^^♪
息子さんの粘り強さ、夢への強い想いは全然へこたれませんでした。
楽曲提供しながら就活、採用されて音楽の仕事ができたのにも関わらず、会社の方針転向に伴って退職を決意し、無職にと更に紆余曲折が続きます。

実家に戻ってもいいのでは?という恵子さんのアドバイスに、

「イギリスに行ってくる!仕事していないからいけるんだから(笑)」

と仰ってお友達と自費でイギリスに行かれた息子さん。
その明るくて、不器用なほど真っ直ぐな行動力は素晴らしいです。
読んでいた私も気づけば微笑んでしまいました。

ここまでの揺らぎのない夢への想いと実行力があれば、
音楽の夢を諦めることなく、頑張り続けることができますし、
様々な経験も沢山できて、じゃんじゃんご自身の糧にできますね(^^♪

帰国後もいくつかの経験を重ね、今はご自身の納得のいく仕事に就くことができているそうです。ひとさまのお話なのに、なんだかほっとしました。

長男が諦めないのであれば、私も諦めずに応援しようと思う。

この言葉の力強さに、同じ親として勇気を貰えます。
私の子ども達が夢を追う時、挫折した姿を見るのが辛いからという身勝手な理由で「叶わない夢はもう諦めたら?」なんて余計なことを言わずに、同じように応援したい。そういうお母さんになりたいって強く思いました。

また、夢を叶える為に頑張り、努力し続ける息子さんから学んだこと3つをあげ、親として成長させられたと書かれています。
幼い頃のエピソードを知ってるからこそ、更に納得できる内容でした。(詳細は本文参照💖)
親も子も関係なく、精一杯生きる人として、息子さんから学ぶことが沢山ありますね(^^♪ 素敵な親子関係に胸があたたかくなってきます。

長男の人生は、本人のもの、私の課題ではない。
全ての人生の選択は長男の課題だ。

 でも、私は最後まで、ずっと応援者でいるし、彼が必要と言って来れば、いつでも支えるつもりだ。

息子さんの成人した息子さんへの大きな愛情が感じられます。
そうですよね、私も親としていつでも我が子の応援団で居たいです。

息子さんからの相談事の時に気をつけているポイントの話も良かったです。
おそらくコーチングの範疇になるその方法は、息子さんが自分らしく生きる為に大切なことだったと思います。その方法を長女さんが教えて下さったというくだりも素敵です。仲良し家族で居続けることは容易ではありません。
家族それぞれが自分の道を進みながら、家族のことも気にかけて初めて成り立つ関係でもあります。

恵子さんのお父様が息子さんに「私は、君が好きだよ」と伝え続けてくれたことも、恵子さんに「恵子は、良い子を二人育ててくれたね」と仰って下さったこともすべてがうまく繋がって、心の絆が深いご一家になられたんじゃないのかなと感じました。

ぜひお父様のあたたかい大きな愛情を受け継いで実行して頂きたいなと思います。
大きな愛情の前では、非行にも不幸にもなってる暇なんてありませんね。

前を見て努力し続ける息子さんと大きな愛情で見守る恵子さんの姿に
中学生の息子が歩む未来を応援し続けようと思いました。

最後に貼り付けて下さったnoteは
要約するのも引用するのも勿体ない内容なので、
皆さんにはぜひ恵子さんのnoteに会いに行って欲しいです。

そこに描かれているのも愛情深いご一家のあたたかい物語。
気付きも学びも沢山ある、真摯に人生を重ねてきたからこその
優しい言葉たち。

「親バカ万歳!」私も大賛成です!

ねぇ、みなさん。
恵子さんがお母さんだった良かったなぁって思いません?
実母には申し訳ないけれど、私はそう思いました。

そして、だからこそ、
「まるっきり同じは無理だから、私なりに子ども達を応援していきたい」
と強く願う気持が湧いてきました。

素敵な作品をご応募して下さり、ありがとうございます。

子育て中の方だけでなく、
かつて子どもだった方がの心にも響く、
息子さんと恵子さん、恵子さんご一家のあたたかい物語でした(*'▽')ノ

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<講評(Norikoさん)>

愛加さんを想うとき
なぜかくすぐったいような
もじもじっとするような気持ちになるのは
なぜだろうと思っていました。
それはお姉さんの様なあたたかさからなのか
包み込んでくれるような安心感なのか。

この作品を読んで、
あぁ、そうか、
それって先生と接している様な
そんな感覚だったんだと思いました。


先生になりたくって
子どもたちと一緒の時間を幸せに感じていた愛加さん。

でも子ども達と接する自分の中に
過去、自分を排除しようとした
辛く醜い人の影がチラつくのです。


人間誰もが聖人君子では無いと思っています。
私個人的には性善説を信じています。
しかし、何かがトリガーとなって
自分が一番嫌いとする人や考えに
自分自身が落ちていると言う事も
悲しいけれどあるのが現実です。


そんな時、私だったらどうするか。
誤魔化すか
そんな自分でも生きているんだもの
生身の人間なんだもの
仕方ない、で片付けてしまうのだろうか


愛加さんはそんな自分自身を受け入れる事が
出来ませんでした。
そんな事で
そんな気持ちで
大好きな子ども達と接したくない
そう思って教師と言う職業から
離れられてしまうのです。
生半可な気持ちでなく
真正面から子ども達に向き合う事を
望んでいた真面目な愛加さんがいらしゃいます。

縁あって
複雑な背景がある
子ども達と関わる事になった時に
愛加さんは学ぶと言う事に
真剣にがっついてくる子ども達と
彼らから
空気の様に流れている優しい気持ちに
暗い記憶から
一筋のあたたかい光を見出されるのです。

きっと愛加さんは素晴らしい先生になって
いらっしゃった事でしょう。
人の闇の部分
心の弱くて汚い部分を知っている人は
優しくて
思慮深くて
そして強い。

そう思うと私的には切ないのですが
愛加さんはご自身の判断に微塵も悔いは
残していらっしゃいません。

愛されてないなんて、嘘だった。
見えなくなっていただけ。
見えないだけで、何物にも壊されない愛があったから。
わたしは、完全に闇落ちすることなく。
いつしか虐げられた悲しみより、その中前を向いて進めるだけのものをいただいていた有難さが上回って。
哀が愛で染められて、わたしの人生に愛を加えてもらったと、愛加としてここにいるのでした。

後悔どころか、
ご自身の生きてこられた歩みに
確固たる愛をしっかりと見つめられているのです。
辛かった
悲しかった事を、顔をあげて進む事が出来る強さに変えていた自分を知っていらっしゃいます。

それは他人から
凄いね
頑張ったねと掛けられる言葉より
自分で得たものは
遥かに凛々しい。
愛加さんの言葉をお借りするなら
それは
哀が愛で染められた心ではないでしょうか。


私は、自分が出会ってきた先生達を
思い出さずにはいられませんでした。
そんな気持ちで向き合って下さったのかな
そうだったらいいなと思うのです。

黒板の前に立っていなくたって
愛加さんの前に立つと
きっと私は俯いて
もじもじしてしまうでしょう。
そして
その深い愛情に満ちた眼差しと
包み込んでくれるような言葉に
背筋を伸ばして大きな声で言いたくなります。

『今日という日、さようなら
 皆さん、さようなら。
 そして明日、また元気に会いましょう』と。

ご応募ありがとうございました。

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<講評(一奥)>

人の一生は重き荷を負うて坂を登るが如し、とは徳川家康の台詞であったか、あるいは誰の言葉であったか。
あるいは一奥が連想するのは、イソップ童話に出てくる、アリとキリギリスのアリであるか。

”悩み”はネガティブな言葉で語られます。
しかし、悩みはそれが己の精神・アイデンティティの危機であるがゆえに、それと向き合い続けることは生きることそれ自体であると同時に、今こうして”悩み”を”悩み”であるととらえることのできる己自身を形成している、主な要素でもある。

死に至る病。
しかし、生きることは死に向かうことである。
ならば、死ぬほど悩んで、悩み抜いて、すなわち考え抜いて、悩んだだけ歩いた道ができて、そこに自分の軌跡があるなら、それは精一杯生きて目の前のことに対峙し続けたことでもある。

「悩みが無い」人なんてきっといないと思うのです。
ただし、その悩みへの向き合い方が、そのままその人の生き方そのものとなり、歩き方、風の切り方そのものとなって、人の違いとして顕れてくるものなのだろうなとも感じます。

ゆうゆうさんが書いてくださった、悩みへの向き合い方。
そしてその中に、さらりと交えられている、ゆうゆうさんのご自身の経験。
悩みと、そして日々の思惟の淵源。
それをまるで鏡のように、一奥もまた己の日々の思索に思いを馳せます。

そこから、始まる世界があるのだろうと実感しながら。
このたびは、ご応募いただきまことにありがとうございました。

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*講評は分担制としているため、必ずしも応募順に講評結果が発表されるわけではございません。よろしくお願いいたします。

全体の募集要項はこちら

始まる世界部門募集要項はこちら

応募作品はこちらのマガジンに収録されます。
 あわせてこれでも母さんが主催するこちらのマガジンにも収録されます。
 他の参加者様の作品もお読みいただき、ぜひ、当コンテストを通して新しく知り合い、また仲良くなった、との声をお聞かせください! 皆様の縁がつながるコンテストでありたく思います。

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