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BEGIN 『ビギンの盆マルシャ』 / アルバムレビュー

来年はデビュー35周年!3月には日本武道館や大阪城ホールでの記念公演も決定しているBEGINが、約5年振りとなるニューアルバムを発表!
老若男女、国籍問わず楽しめるワールドミュージック的盆踊りアルバムがここに完成!!



BEGINビギンとは

左から上地等(Pf & Vo) 比嘉栄昇(Vocal) 島袋優(Gt & Vo)

メンバー全員、沖縄県石垣島出身。1990年『恋しくて』でデビュー。
その後も順調にリリースを重ね、数多くのステージに出演。
代表曲の「島人ぬ宝」、「涙そうそう」、「笑顔のまんま」などは老若男女に歌い継がれる楽曲となっており、最近では「海の声」が大きな反響を呼ぶ。

近年はブラジルやハワイで公演を行うなど国内外で活躍の場を広げ、ブルースから島唄まで多彩な音楽性と幅広い年齢層から支持を集めている。
また、サンバの起源となったリズムである「マルシャ」と八重山諸島の言葉である“しようよ”という意味の「ショーラ」を掛け合わせた「マルシャ ショーラ」でこれまでの日本の音楽の中にはなかった、老若男女誰でも楽しめる新たな参加型の音楽スタイルで多くのファンを魅了し続けている。

(BEGINオフィシャルサイトより)


「ビギンの盆マルシャ」を聴いた / クールマイン的見聞録

BEGINのファンには最早もはや説明不要だが、バンドはもう10年以上前からマルシャを取り入れている。ごく簡単に説明すると、マルシャとはカーニバルで踊る為のブラジルの音楽で、その歴史は古く、サンバのルーツとも言われている。BEGINが2013年に二度目のブラジル公演を行った際に、現地在住の外交官からマルシャの伝承を託されたのが始まり。その後、沖縄の八重山地方の方言である、「~しようよ!」という意味の「ショーラ」をつなげたのが「マルシャ・ショーラ」である。この新しいスタイルでの音楽活動は老若男女に元気を与え、バンドは世代を越えて愛されてきた。

そして今回はマルシャと盆踊りを融合させた「盆マルシャ」を生み出したという。盆踊りの定番曲やバンドの名曲、昭和のヒット曲の数々に新たな命を吹き込んでいる模様。長年の経験値とフレッシュな躍動感を堪能たんのう出来る、お祭り全員参加型アルバムをここで早速ご紹介させていただきたく!


待望の新曲となる『渋谷百年総踊り』でアルバムは幕を開ける。
2000年以降、BEGINは渋谷の道玄坂にある伝説の老舗しにせロック喫茶「B.Y.G」で定期的にライブを行っている事もあり、渋谷を”第二の故郷”という想いを持って活動を続けている。そして昨年出演した「渋谷盆踊り」をきっかけに、バンドと深いつながりのある渋谷への恩返しとして制作されたのが、この曲だという。音頭独特のリズムや合いの手も楽しい、正にBEGIN流100%盆踊りソング!

去年、渋谷のシンボルであるハチ公は生誕100年を迎え、渋谷駅周辺エリアでは、100年に1度とも言われる大規模再開発が進んでいる。渋谷という街のこれまでの100年、これから先の100年へと、時代を越えて想いが旅をして、この曲がこれからの盆踊りの新定番となっていったら何とも素敵な事だ。

ちなみにBEGINは今年の8月3日に行われた「第5回渋谷盆踊り」にサプライズ出演。開催地となった渋谷109イベントスペース前には約6万人の来場者が訪れていたとか!

*  *  *

盆踊りの為に書き下ろした楽曲という事で、沖縄のカチャーシーを彷彿ほうふつとさせる踊りの振り付けもあるので、お祭り会場やコンサート会場で一緒に楽しんでみてはいかがでしょうか!


アルバム2、3曲目はバンドの不朽ふきゅうの大名曲をアレンジした『盆・島人ぬ宝』〜『盆・笑顔のまんま』が並ぶ。秀逸しゅういつな楽曲アレンジを手掛けたのはムーンライダーズ鈴木慶一さん。原曲の良さを失くす事なく、新たな魅力を引き出す事に成功している。

始まりのどっしりとした重心の演奏に、思わず「エンヤトット!エンヤット!」と掛け声をかけたくなるようなアレンジの『盆・島人ぬ宝』。聴けば安心する、栄昇さんのソウルフルな歌心はいつも健在だ。太鼓と笛を中心とした和楽器の響きがとても印象的なアレンジ。思いっ切り「和」のテイストなはずのに、上地さんのメロディアスなアコーディオンが効いてか、異国情緒もそこはかとなく感じる。その上で南国島唄ポップスと、北の漁場の民謡・音頭が違和感無く融合しているのだ。日本人なら誰しも耳にした事のあるあの名曲が、新しい盆唄ぼんうたとしてここに誕生している。いつかこのバージョンの『島人ぬ宝』を紅白歌合戦で聴いてみたいなぁなんて思った。

盆・笑顔のまんま』では演奏のベースにジャマイカの大衆音楽である”レゲエ”も取り入れて、ワールドミュージック的解釈の盆踊りアレンジを更にワイドに展開。曲中のホーンセクションが大きなグルーヴを生み出している。歌声の年輪のようなものが凄くて、リリースから15年経った現在いま、明石家さんまさんと共作したポジティブな歌詞も、その言葉の深さや厚み、説得力も段違いに感じてしまうのは私だけだろうか。そしてやっぱりさんのボトルネック/スライド奏法がアイランドミュージックだけではなく、ウェスタン・カントリー色も嫌味なく添えていてカッコいい!とうなってしまうのだった。


軽快なマーチングドラムが耳に飛び込んでくると、健二朗さん(Y.A.BのVo。栄昇さんの御子息)の元気ハツラツとした「ワッショイ!ワッショイ!」のかけ声が、お祭りの高揚こうよう感をあおる。
4曲目からは今回のアルバムのコンセプトとなる”盆マルシャ”のカバーメドレーへと突入していくのである。
まずは盆踊りではお馴染みの『東京音頭』に『炭坑節』。東京音頭はもともと「丸の内音頭」という曲名で制作されたそうだ。丸の内音頭の人気を感じたビクターが、全国的に流行させる為、1933年(昭和8年)7月に「東京音頭」と改題して発売し、歌詞も当時の東京市民すべてが歌えるように変更されたという。(ヤクルトスワローズの応援歌としても知られていますよね!)

炭坑節』は福岡県に伝わる民謡。発祥地は知らずとも、「月が出た出た月が出た、ヨイヨイ♩」のフレーズは聞いた事がない人はいないぐらい、盆踊りの定番曲だ。どちらもはるか昔から日本で伝承でんしょうされて来た民謡を、同じくゆうに100年以上の歴史を誇るブラジル音楽の”マルシャ”で味付けをし、感覚的に新鮮でありながら懐かしみもある音楽で楽しませてくれるのであった。


盆マルシャ”メドレー中6曲目からは歌謡曲ゾーンに入る。
まずは『お祭りマンボ』。言わずもがな”歌謡界の女王”・美空ひばりさんが歌う、1952年に発売された楽曲。粋でいなせな江戸っ子の風情ふぜいと、陽気で情熱的なブラジルのカーニバルの空気感が溶け合うパワフルな盆唄ぼんうたに仕上がっている。

更に一段元気のギアも上がった7曲目の『自動車ショー歌』。原曲は1964年に発売された小林旭さんの楽曲で、ダジャレのような歌詞が楽しい。カーニバルと音頭がクロスオーバーしたアレンジも底抜けな明るさで魅力いっぱいだ。

続く8曲目は都はるみさんのヒット曲『好きになった人』(発売は1968年)。こちらも往年おうねんの”昭和歌謡”と”盆マルシャ”の世界観がしっかりマッチ。やぐらの周りを人々が楽しそうに輪になって踊っている光景が目に浮ぶ。

9曲目はグッと近年のもの (原曲は2000年発売)となり、こちらもBEGINの代表曲の一つである『涙そうそう』のセルフカバー。作詞:森山良子さん、作曲・編曲:BEGINで、夏川りみさんによるカバーでも広く知られる人気曲だ。優しく寄り添ってくれるような、たおやかなアレンジで、ブラジル音楽の”ボサノヴァ”の雰囲気も感じ取れる。

最後の10曲目は『渋谷百年総踊り』のカラオケ。昔は当たり前だったカラオケトラックも今となっては逆に新鮮。古き良きレコード時代の名残のよう。


【ビギンの盆マルシャ雑感】

普通に暮らしていたら交わるはずもない土地や、国の音楽。それを自然に結び続けて来たBEGINの音楽性がまた一つ開花しているように感じた。
フレッシュさはありつつも、斬新ざんしんなものというより、昔からそこにあって愛されて来た土着どちゃく的な何かを受け取った気がする。

盆踊り”がベースにあるので、ある意味究極的にシンプルでキャッチー。そして元気が出る。

祭りには不思議なパワーがあるものだ。時には体の奥底から力が湧いてくるような。時には「楽しい」という高揚感で自然と笑顔が溢れるような不思議な力が。それに祭囃子まつりばやしに耳を傾けていたら、何故だか理由もなく泣けてくる事がある。あれは日本人としてのDNAが心の奥底で勝手に共鳴しているものだと自分では勝手に解釈している。だがBEGINと一緒に音の旅をしていると、その感覚すらも怪しい。初めて触れる音楽にノスタルジアやサウダージを感じる事に説明がつかない。音楽の感動はいつだって国や言葉を越えるし、世代や時代も軽々越えるのだから。それはこのアルバムも実証している。


そして栄昇さんは次のように語っている。

「渋谷百年総踊り」は、将来的には地元の方々が歌い、 踊り継いでくれたらそんなありがたい事はないですね。
誰が作ったとかではなく、その土地の歌として 歌い継がれていくような歌になったらいいなと思っています。

株式会社アミューズ資料より

*  *  *

BEGINが来たる10/9 (大阪)、10/11(神奈川)にこのアルバムの発売を記念したライブを行います!また来年3月にはデビュー35周年を祝し、大阪城ホールと日本武道館で記念公演を行います!!
ぜひ会場に足を運び、歌い、踊り、楽しい時間をお過ごしください。
詳しくはページ下記の【ライブ情報】でご確認を!


【作品情報】

ジャケット

アーティスト:BEGIN

作品名:『 ビギンの盆マルシャ 』 

発売日:2024年10月2日(水)
フォーマット:CD / デジタル配信

【通常盤CD】
価格:¥3,000(税抜価格:¥2,727)
品番:TECI-1831

【初回限定版CD+DVD】
価格:¥4,000(税抜価格:¥3,636)
品番:TECI-1832
※初回限定盤DVD収録内容
「BEGIN お天気祭りツアー2024」
2024.6.22 LINE CUBE SHIBUYA公演
1. 東京音頭
2. 炭坑節
3. お祭りマンボ
4. 自動車ショー歌
5. 好きになった人
6. 国道508号線 
7. 笑顔のまんま
8. 涙そうそう
9. 渋谷百年総踊り 踊り方


▼リリース及びキャンペーン情報・詳細はこちらから!
(株)テイチクエンタテインメント / インペリアルレコード特設サイト


【ライブ情報】

『NEW ALBUM「盆マルシャ」発売記念!かりゆしネットpresentsマルシャライブ2024』
10月9日(水)大阪BIG CAT
開場 18:15 / 開演 19:00
お問い合わせ:サウンドクリエーター
06-6357-4400 (平日12:00~15:00 ※祝日を除く)

10月11日(金)神奈川・川崎CLUB CITTA'
開場 18:15 / 開演 19:00
お問い合わせ:ホットスタッフ・プロモーション
050-5211-6077(平日12:00〜18:00)

チケット料金(共通):7,700円(税込)・小学生:2,200円(税込)
チケット発売:BEGINオフィシャルファンクラブ「かりゆしネット」会員のみのチケット販売

BEGIN 35周年記念公演「さにしゃんサンゴSHOW!! 」
2025年3月22日(土) 大阪城ホール
開場16:00 / 開演17:00
お問い合わせ:サウンドクリエーター
06-6357-4400 (平日12:00~15:00 ※祝日を除く)

2025年3月30日(日)日本武道館
開場17:00 / 開演18:00
お問い合わせ:ホットスタッフ・プロモーション
050-5211-6077(平日12:00〜18:00)

チケット料金:FC優待一般料金 10,000円(税込)
一般(26歳以上):12,000円(税込)
高校生以上~25歳以下:7,000円 (税込)
小中学生:3,500円(税込)


【アーティスト情報】


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