海の中の鳥居
日本の素晴らしい風景の1つをあげろ、と言われると、どうしても特筆しておきたい風景がある。
それは、海の中にある鳥居。
鳥居というと、日本では割と生活に馴染んでいるものだが、何せ15年以上、海外に住むエトランゼ(異邦人)の私にとっては、エキゾチックに感じるのだ。きっとそれは鳥居というものが、海外には皆無だからであろうし、更にそれが「海の中」にあるということが、興味を多大にそそる。海に鳥居を建てた背景や、当時建てた方々が信じていた、何か神聖なものが、感じられるような気になるからかもしれない。
三重、二見が浦の夫婦岩では、一匹の海鷗が私たちを迎えてくれた。まるで鷗が巫女のように感じた。
神奈川県、葉山にある森戸神社の脇から見える鳥居は、届きそうで届かない小島(名島)に、神聖な思いを馳せた。
そして海の中の鳥居と言えば、広島、宮島の厳島神社。鳥居に触り、少しでも建立された当時の人達の感情を感じたかった。