熊野古道のアイドルと女王様が待つ道。
熊野古道のなかでも、私的NO.1ルートを紹介します。(16.9km)
熊野古道は、熊野とは④で紹介したように都と熊野を結ぶ道だけでなく
紀伊半島にある4つの聖地を結ぶ道でもあります。
■都(京都)から熊野を目指す道
都⇔熊野 熊野古道 紀伊路、中辺路、大辺路
■紀伊半島にある4つの聖地を結ぶ道
・仏教の聖地「高野山」
高野山⇔熊野 熊野古道小辺路
・修験道の聖地「吉野・大峯」
吉野、大峯⇔熊野 大峯奥駈道
・神道の聖地 「伊勢神宮」
伊勢神宮⇔熊野 熊野古道伊勢路
・自然崇拝、神仏習合の聖地 「熊野」
那智⇔本宮 熊野古道大雲取越、小雲取越
私が歩いたなかで、
ベスト5の道は下記。
第1位 中辺路 滝尻王子~継桜王子
第2位 大雲取越、小雲取越
無音の道で特集
第3位 世界遺産周回 大日越~赤木越~中辺路
ガイドブックにない熊野本宮②で紹介
第4位 紀伊路 八軒屋船着場(大阪市)~大鳥大社(堺市)
第5位 紀伊路 藤白神社(藤代王子)~橘本神社(橘本王子)
次点 小辺路 十津川温泉~熊野本宮大社
NO.1の理由は読み終わればわかります。
先ずはトップフォトの女王様に会いに行きます。
これからが絶好のタイミング。
12月前半が例年見頃です。
スタートは滝尻王子。
滝尻王子は五体王子(格式高い王子社)の1つでここから熊野の聖域と
されています。
熊野古道館が対面にあり、歴史やルートの確認ができます。
滝尻王子社で参拝したら、いきなり急登です。
熊野らしい岩と森のなかをぐんぐん登ります。
少し登ったところに「胎内くぐり」と「乳岩」があります。
安産祈願をする方の昔も今も人気スポット。
実際に岩の下をくぐって祈願をします。
乳岩は、平安時代の話ですが
・・奥州の藤原秀衡一行が熊野詣の途中に夫人がここで産気づき出産。赤子を残して先を急ぎました。
戻ると岩から滴る乳を飲みオオカミに守られ無事であった。・・
という伝説があります。
(赤ちゃんを残して先を急ぐってどうよ!と思いますが)
頑張って登ると尾根にでます。
自然林のなかを歩けば高原(たかはら)です。
霧の里と言われるほど霧がよく発生するところ。
高原は、絶景と民宿、カフェが待ってます。
絶景を観ながら格別のコーヒーも味わえます。
登ってきたあとの絶景を観ながら味わう本格コーヒーは至極の一杯です。
Iターンでこちらにこられた方がやっています。
少し登れば熊野古道の女王様が待ってくれています。
ちょっと急登ですが(笑)
女王様!!
もみじの大樹です。木の上部と下部、枝先と枝元で紅葉の進み具合が違うので、いろんな色合いが楽しめます。
周囲の木々も色づくので、まるで衛兵に守られた女王様のようになります。
例年は12月初旬~が見頃です。
絶対に行ってください。
ここで1時間くらい滞在してしまいますよ。
女王様に来年の再会を約束して高原池に向かいます。
時間により綺麗に輝きます。
高原池からは登り基調のアップダウンが続きます。
上多和茶屋跡がピーク。そこから下りです。
この間は昔ながらの王子や三体月伝説などいにしえの熊野古道を楽しむことができます。
大阪本王子から少し下ったところに
エスケープルートとして
道の駅「熊野古道中辺路」にでることもできます。
いよいよ
熊野古道のアイドルに会いに行きます。
牛と馬にまたがる石像は花山法皇の熊野詣の旅姿であるといわれています。
牛と馬にまたがるアイドル。
笑顔になります。
疲れを癒やすアイドルです。
牛と馬は「観音菩薩」「勢至菩薩」
の化身ということらしいです。
近露王子に向かいます。
近露王子がある近露の集落にも宿、カフェ、ドライブイン、バス停、美術館、温泉などがあり古道歩きの際の補給や別の楽しみ方ができます。
熊野詣の宿場として栄え、水垢離を行うところでもありました。
車を置いてショートの古道歩きを楽しむなら、ここが最適。
近露にもいくつかカフェがあります。
温泉も!
ここからゴールの継桜王子まで上りです。あと少し。
継桜王子社のスギの巨木たちは「野中の一方杉」と呼ばれ
那智の方向(南東方面)を向いて枝を伸ばしてます。
この森はあの南方熊楠の努力により、全部伐採の危機から31本のうち9本が
残っています。
巨木たちが醸し出す空気感は、幽玄そのもの。
継桜王子のとなりにある「とがの木茶屋」で休憩したら帰路に。
ほぼ真下に下ると熊野の名水「野中の清水」があります。
さらに下ればバス停があります。
周辺の宿か出発地点の滝尻か熊野本宮へ。
お疲れさまでした。
(紀行文風でしたね笑)
NO.1ルートとした理由がわかったと思います。
無音の道で紹介した大雲取越、小雲取越と甲乙つけがたいですが、
そのルートとは全く違う趣きがあります。
ここは熊野古道を歩くだけではなくいろんな楽しみ方ができる区間。
熊野古道らしい道に加え王子、アイドル(牛馬童子)、自然林、絶景、
由緒ある岩・木、石仏、石畳、紅葉、霧、川・谷・池、難行苦行、温泉。
今のもので世界遺産、宿、カフェ、路線バス、案内所(熊野古道館)、道の駅、・・。しんどくて楽しい道。時間の経過を楽しめる道。
これだけ揃うのはこのルートだけ。
路線バスや道の駅の利便性に加え
熊野古道を歩きながら、
ランチはカフェ。
休憩は絶景とコーヒー。
時には里やアートも楽しむ。
宿もある。
そんな楽しみ方ができる道です。
おかげさまで熊野や熊野古道は国内外で有名になりました。
熊野は、「熊野とは」で紹介したような歴史を持ちます。
2000年以上の年月を経て熊野はそれぞれの地形、特性を活かして発展してきました。熊野をひとくくりに表現することも重要ですが、それぞれの熊野の特徴をもっと表現する時期が来ていると思います。
例えば新宮は「kumano modern」とか。・・
熊野古道もそうです。ここで紹介した道は、いにしえの道を歩きながらトレンドな楽しみ方ができる道なのです。
熊野、熊野古道のそれぞれが持つ
エリアやルートの楽しみ方を
もっと表現する時です。
カフェやレストランは、営業日時をご確認ください。
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マガジン「熊野とは」 ↓
マガジン「coolなkumano」 ↓
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