KUMANO映え・・昼
一昨年に写真展「KUMANO映え」の機会をいただきました。
熊野信仰の起源は自然信仰。
「KUMANO映え」は今もそれを感じることができる自然にフォーカスしたものです。今回は昼の写真で熊野を紹介します。
熊野の昼は、キラキラ、ピカピカ。
大地と太陽の輝き。
橋杭岩は、日の出の写真が多く熊野の朝、熊野の海を代表するところですが、昼は海の透明が際立つ時間です。
那智のブルービーチは、ネーミング抜群。まさに青、蒼、碧、ブルーです。
この海は那智の補陀洛渡海の出発地でもあります。
白良浜のお昼は、白と青。
真夏は、人とテントなどで真っ白なビーチが見えなくなるくらいになります。
KUMANO映えは、海から川へ。
熊野は水の国でもあります。
熊野信仰の起源である自然崇拝は、人々を圧倒する大地の営みを神として信仰してきました。その根源をなすのが水なのです。
紀伊半島東側は、日本で最も雨が多いところ。雨が、大地に降り注ぎ、森を潤し、川になり、海に注ぎ、蒸発して、雲になって、また雨が降る。その繰り返しによって熊野の人々を圧倒する大地が形作られていきました。
熊野川の支流「高田川」のさらに支流にある「桑ノ木の滝」。
車を降りて徒歩約15分と近く、珍しい幅広で華やかな滝です。
熊野の川は、クリスタル。まったくの透明な水が流れています。
熊野信仰の起源となった大地の営みの中核をなすものは、「熊野カルデラ」。熊野カルデラは1400万年~1500万年前のもので古く、その形跡はほとんど見ることはできませんが古座川の一枚岩は、世界最大級のカルデラのなごりなのです。
熊野の三社は水を信仰してます。
・熊野那智大社の那智の滝は、滝自体が神さま。
・熊野速玉大社の主祭神である速玉大神は水の動きを神格化したもの。
・熊野本宮大社の旧社地「大斎原」に神が祀られたのは大斎原が常に水(熊野川、音無川、岩田川)に囲まれた浄化された清浄な場所であるということ。
熊野川には、いくつもの「大蛇行」「大曲」があります。
ここは熊野の山々を背後に持つ大曲。なかなか出会えない風景です。
熊野の田植えは早くゴールデンウィークにはほぼ終わっています。
台風が来る前に稲刈りをするためです。
ここの日常の風景も今や田舎だけの日常なのでしょうか。
五穀豊穣への願いは、いにしえの日本人の最も大切な祈りでありました。
今は、違いますよね。
五穀豊穣を祈り感謝をする。忘れてはいけません。
熊野古道の昼は、「無」。歩くだけ。
自分を振り返る時間です。
熊野はだれもを受け入れてきた寛容の地。
深い思いを持った人々を連れてきた道は、今もいにしえの人々の思いを感じることができる巡礼の道。
神々が棲まう熊野の山々。
いくつもの山が重なり、その奥深さを午後の光が表現します。
熊野でも少なくなった天然林の森が年に一回爆発します。
春の熊野の山々は、若葉に覆われ午後の太陽の光りを浴びて山が笑いだします。
花咲く山もいいですが、若葉色のグラデーションに覆われる季節は、樹木や大地のエネルギーを感じる最高の季節です。
この一本の木の若葉の写真は、単純な色合いですが「KUMANO映え」のなかで最も好きな写真です。
シンプルで清々しくてエネルギーを感じる一枚。
熊野の昼は、大地が太陽からエネルギーをいただく時間。
キラキラと輝く時です。
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