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公認心理師メモランダム レカネマブのジレンマ 060913

アルツハイマー新薬のレカネマブを希望される患者さんが、続々と来院されてます。ドクターも積極的に新薬を進めているような気がします。そして、80代の方が、MRIとPETの検査を受けるために、設備のある病院に紹介されていきます。

レカネマブは、和5年12月に保険適用となったばかり。最近、この新薬に関する報道も流れてます。新しく出たということで、ご家族は藁をもつかむ気持ちで来院してます。特効薬だと誤解されている方もいらっしゃいました。

レカネマブ適用対象となる方を判断する第一関門として、MMSEが22点以上という基準があります。MMSEは、公認心理師が実施することになるのですが、戸惑いあります。

21点も23点も誤差の範囲、その時のコンディションや患者さんの聴力でも変わってきます。もう22点は認知症が進行している、現状維持が精一杯ではないか。そんなに感覚でいました(そもそもMMSEのカットオフ得点は23点に設定されていまます)。

薬価も年間300万かかります。仮に、50代60代でアミロイドβが蓄積しかかっている患者さんがレカネマブを使おうとすると、3割負担、つまり年間 100万円以上用意しなければなりません。

高額療養費を使えば年額14万ほど。こうなれば、払えない額ではないですかね。ただ、残りの数百万は税金負担。2030年には、日本の認知症患者が500万人を越えるといわれるなかで、コストに見合う効果が得られるのでしょうか。

色々ジレンマを感じます。当面は新薬の使われ方の推移を見守っていくしかないですね。


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