文章を書くモチベーションについ
「村上さんの文章を書くモチベーションはなんですか?」
最近はもちろんのこと、実はこの質問は10年以上前から幾度となく聞かれてきたものです。一冊目の著書である『決算書ナゾトキトレーニング』は2021年12月発売ですが、20年前の2004年頃からずっとずっと本を出版したいと思っていました。
その思いが強すぎたのか、ブログも2005年ぐらいから書いていましたし、最初の職場では、同期や同僚達等に日々の経済ニュースを解説する「村上経済通信」と言うものを勝手にメルマガのごとく、毎日送っていたほどです。その数427回。同期から「お金をもらっても、村上のようなことはやりたくない」と変人扱いされました。
そういった中、幸いにも2019年11月にwebメディアのビジネス・インサイダーより連載の機会をいただきました。この連載は今でも続き、掲載回数は100回近くになっています。
他にも多くのメディアで寄稿させていただきました。こういった文脈において、何度も聞かれてきたのが冒頭の質問です。
他人から見たらモチベーションが不明のようですが、これに対する回答は、実は20年以上前から変わっていません。
それは「知の生産者になる」です。
私は経済学研究科の大学院に進学した際、あまりのレベルの高さについていけず、毎日のように心が折れそうな状況が続いていました。
そんな時、当時上級マクロ経済学の講義の担当だった岩本康志先生のHPに書かれていた次の文章をたまたま目にしました。
「自分で考えるという部分が欠落すると、教科書を暗記し、練習問題を黙々と解くという、単なる高等知識の消費者に終わってしまいます。研究者になることは,生産者になるということです。」
もう衝撃でした。これまでずっと自分は教科書を暗記し、練習問題を解くという勉強しかしてこなかったからです。しかも、大して成績も良くないのに大学院で学んでいるだけで頑張っている気になっていました。
ですが、岩本先生のご指摘のとおり、大学院に行ってまで、ただの高等知識の消費者になっていたのです。
そこから天動説からコペルニクスによる地動説に変わるがごとく、私の中で、意識改革が起こりました。
「これまで自分はずっと知の消費者として、一方的に恩恵だけを受けて生きてきた。これからは知の消費者だけでなく、知の生産者になるために生きていく」と。その具体的な行動が執筆です。
上記は、2024年6月21日発売となった「決算分析の地図」の『終わりに』に書いた文章の一部です。
事前に本書を読んでいただいた方からは、「『終わりに』を読んでから本書を読む方が、村上さんの思いが伝わってきて読み手はこの本を分厚い本だけど頑張って最後まで読もうという気にさせる気がします」というフィードバックをいただきました。
そのため、ご参考までに終わりにの一部を抜粋させていただきました。
ご興味があれば、本屋等で手に取っていただき、パラパラめくってもらえるととても嬉しいです。
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