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娘の視力低下で思うこと

私には中学2年生の娘がいます。その娘がとうとう「授業中に先生が書くホワイトボードの字が見えにくい」と言い出しました。以前から目がだんだん悪くなってきていると言ってはいました。オーストラリアでは学校で身体検査や視力検査が行われないので、「授業に支障が出るほどではない」という娘の自己申告を頼りに、視力検査などはせずに様子を見ていました。でも、さすがにもう放置はできません。

そこで、とりあえず眼の状態、視力を知る為にも日本で言う“眼鏡屋さん”の予約を取ることにしました。

オーストラリアでは、麦粒腫(ものもらい)や結膜炎などの眼病があればファミリードクター(GP/ General Practitioner)を受診しますが、それ以外の目の不調は眼鏡屋さんへ行ってOptometrist(検眼士/検眼専門医)から専門的な検査を受けます。このOptometristという職業は日本には存在しません。眼科医(Ophthalmologist / Eye specialist)とは別の職業として存在し、言ってみれば眼科医の代わりに詳細な検査を行い、視力回復の指導や眼鏡とコンタクトレンズの選定をする職業です。

娘を担当してくれたOptometristの先生は若いアジア人女性で、対応がとても優しく丁寧でした。最初は緊張していた娘ですが、その先生のお陰で安心して検査を受けることができました。

検査自体は約30分程で、一通り検査を終えて結果を聞くと、娘は近視(short-sighted)があるものの、授業中に先生の字が見えにくいのは、かなり進んだ“乱視”(astigmatism )が原因であるとのことでした。

この先生によると、娘の乱視の原因はズバリ「目のこすりすぎ」で、それによって角膜や眼房水を含むレンズ群の表面が摩耗しているというのです。

確かに娘は花粉やホコリに対するアレルギーがあるようで、ある時期は強い目の痒みを訴えて無意識に目をこすっていたので、眼の洗浄をしたり、抗ヒスタミンの点眼薬で対応していました。

この先生からの指導は、常に眼鏡をかけて目の負担を減らす事、抗ヒスタミン点眼薬を1日2回(2週間)と水泳後はドライアイ専用の点眼薬を使用する事、痒いからと言って絶対に目をこすらない事の3点でした。

これらの正しい目のケアを実践することで、摩耗した角膜や眼房水のレンズ群の組織の再生が期待でき、乱視が回復する可能性があるというのです。

私はここで最近お坊さんから教わった仏様の教えを思い出しました。

「私達の世界における全ての物や事柄は、“壊れ物”であり“取扱注意”である」という教えです。取扱注意と書かれたものや、自分が大切にしているものは丁寧に慎重に取り扱いますが、あるのが当たり前になっているものは、どうしても乱雑に扱いがちになります。人の心や体も同様です。

幸い、娘の場合は正しいケアをすることで目の修復、視力回復が可能であるとのこと。足ツボも導入するれば更に良いとは思いますが、娘は痛いのを嫌がるので、とりあえずOptometristの先生の指導に従い、目のケアを始めました。

本当は眼鏡をかける事に少し抵抗があった娘ですが、完成した眼鏡をかけてみると、なんだか急に大人びて別人のようになり、娘自身もまんざらでもない様子。そんな娘の変化を嬉しく思いながら、私も母親としてこれからも娘の成長を丁寧に慎重に見守っていきたいと思います。

毎週月曜日更新。次回は11月4日です。★



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