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発熱時の対応

最近、中学生の娘が久しぶりに熱を出しました。数日前から風邪気味だったのですが、その日は朝から雨が降っていて、学校の陸上競技とも重なり、濡れた状態で家に帰ってきました。熱でも出たら大変だから、と着替えて温かくするように言いましたが、本人は全く気に留める様子もなく、そのままのん気に過ごしていました。すると案の定、夜寝る前に「寒いし、体が痛い」と言い出しました。「も~、だから言ったのに。」と熱を測ると、39.3度・・・。

結局3日間ベッドで過ごしていましたが、大事に至らず回復できました。

この一件は、日常のありふれた出来事ではあるのですが、私自身や子どもの成長を感じずにはいられません。

実は私は元看護師で、当時は小児科でも働いていました。急性期から慢性期までの患児との関わりでいろいろな事を学んできたにもかかわらず、結婚して子どもが生まれ、いざ自分の子が熱を出した時の不安な気持ちには全く慣れる事はありませんでした。我が家には3人子どもがいるので、まだ幼い頃は1人がウィルスに感染すると、潜伏期間を経てご丁寧に1人ずつ順番に感染が広がります。大抵は、1人の子どもに対して1週間は発熱が続くので、3人順番に感染に罹れば1カ月弱は看病が続きます。それを思うだけで泣きそうになりながら、(実際に泣きながら)何度もかかりつけのお医者さんへ通ったものです。

そんな日々の中で、子ども達はそれぞれ成長と共にだんだん熱を出す回数が減り、たとえ発熱しても家族に移ることも少なくなって、私が看病に費やす労力も大分少なくなりました。

発熱というと、日本では寒気があれば布団をかけ、なんなら電気毛布も登場します。私が小さい頃は、風邪を引いてるのにお風呂に入るということは絶対に許されませんでした。

ところが、外国に住むようになって、発熱への対応の違いに驚かされました。

子どもが悪寒と発熱で受診をする場合、日本人は厚着をさせて病院へ出かけます。毛布持参で受診する人もいるでしょう。

でも、ある時、こちらの病院受付のおばさんに「熱があるなら、寒気があっても薄着にさせなさい。」と指示されたことがあります。反論しても意味がないので、「気にかけてくれてありがとう。」と言って毛布を外すふりをしました。

また、「高熱が出たら、水風呂に入れる。」というのも一般的です。恐らく効果はあるのでしょうが、私はどうしても実践できませんでした。

今回、娘の悪寒と体が痛いという訴えに、私は娘のためにヒートパックを2つ温めて、足元と背中に一つずつ置き、体の痛い部分をさすってあげました。ヒートパックの心地良い温かさを感じながら、間もなく娘は眠りにつきました。

熱が上がりきれば、ヒートパックは外します。(※暑がっていたら、無理に厚着にしたり、毛布などを掛ける必要はありません。)

あとは水分補給をして眠っていれば大抵の場合良くなります。

そんな余裕も母親歴20年の経験からか、子どもがそれなりに大きくなってくれたお陰なのか、ようやく子どもの発熱に“慣れたような気がする”自分に、少しだけ成長を感じました。

我が家の子ども達は、どちらの国の習慣を選んでくれるかわかりませんが、発熱の悪寒がある時には、足を温めてくれた母親を思い出して、その思い出を大切な人と共有してくれたら嬉しいなと思っています。

毎週月曜日更新。次回は8月26日です。★


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