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ウィルス感染時の足ツボ対応

私はこれまで足ツボマッサージ施術を通して様々なケースをみさせていただきました。同じ病気でも足ツボマッサージを避けた方が良いタイミング、様子を見ながら施術するタイミングがあるのですが、今回はウィルス感染(疑い)の急性期、回復期での対応の違いをご紹介します。


ある日の夜、1人の女性から「突然肩が痛くなってしまったので、足ツボマッサージを受けたい」と連絡を受けました。翌日の午前中に来て下さったその女性は、「今朝から蕁麻疹が出てしまって、それでもマッサージをしていただけますか?」と聞くので見せてもらうと、上半身、特に背中に細かいブツブツした発赤疹ができていました。これは蕁麻疹ではなさそうです。

その時考えられるのはウィルス感染でした。最近仕事で多忙を極めていたというので、疲労によって免疫が下がったのかもしれません。肩が痛いというのもそのウィルスが神経を刺激している可能性もあるので、今日は帰って受診をするか、家でゆっくり休むようにお勧めしました。この段階で足ツボを施術することによって、本来ウィルスと戦う免疫機能や休息すべき機能のバランスが崩れる可能性があり、回復を遅らせてしまう可能性があるからです。

今は自然治癒力に任せて、そっとしておく方が賢明です。残念ですが、時を改めてマッサージを施術させて頂く約束をしました。

そして、何日か経過したある日、別の方から連絡がありました。その方は常連の方なので、いつもと同じように予約を受けました。

すると、その方も同じように「10日ほど前に、上半身に蕁麻疹がでたんです。」というので見せてもらいました。その方は受診をし、お医者さんからもウィルス感染だと言われたそうで、お仕事はお休みしていたそうです。

ただ、皮膚には発赤疹の跡が薄っすらポツポツ残っている状態でした。蕁麻疹は跡を残さないので、当時出たという湿疹は蕁麻疹ではありません。どちらにしてもこの方の発赤疹もウィルスによる体の反応です。この段階では、体内に残されたウィルスがまだ死滅していない状態が予想されるので、足ツボマッサージをすることで、ぶり返したように発赤疹が再び出てくる可能性がある旨を説明しました。

その方の症状は、痒いと言うよりは、ヒリヒリ、ムズムズして不快だったというので、また同じ症状が出ることで不安になるのではと思ったのですが、その方はそれでも良いから疲れた体をマッサージして欲しいと強く要望されました。

その日は通常通りマッサージを行い、水分をたっぷり摂るようにお勧めして、その日は終了しました。

その数日後、その方が再度来て下さり、その後の経過を報告してくれました。

前回のマッサージ後、やはり発赤疹がぶり返し、体にブツブツがたくさん出てヒリヒリ、ムズムズといった症状が出たそうですが、暫くしたら一気に良くなって、湿疹の後もきれいに消えたと報告してくれました。

足ツボマッサージは、病気回復のお手伝い、予防に役立てて頂きたいのですが、急性期や手術後などで諸機能が安定していない状態の時には、施術を避けた方が得策です。体は自然に回復させようとしているので、その力を信じて休息に心がけて頂きたいと思います。

やらなければならないタスクが頭をよぎりますが、調子が悪い時は体が発する声に耳を傾けて、ゆっくり休息をとって頂きたいと思います。

毎週月曜日更新。次回は12月16日です。★

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