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いとこ

父方のいとこが二人いた。
片方は5歳上で初孫だから可愛がられていた。
もう片方は1個下で愛嬌があった。
私は可愛げがなかった。
人見知りで、脳の成長が早かった。
祖母は私を自慢には思っているけれど、好いてはいないと分かっていた。

小4のとき1個下のいとこが死んだ。
病気だった。
あんなに生きる活力に溢れ、みんなから好かれていたいとこが死んだ。
なんで私じゃなかったんだろう。
親戚の中で1番いらないのは私だったのに。
活力もなく、誰のことも笑顔にできない私が健康に生きていて、彼女が死んだ。
ずっと申し訳ないと思いながら生きている。
彼女に申し訳なくて死ぬわけにはいかないし、でも活力が湧いてくるわけではない。

ただ命が吸い取られて動かなくなったいとこの顔を今でも鮮明に覚えている。
彼女が今の私を見たら何を思うんだろう。
ごめんね、私が生きていて。
あなたが笑顔に出来たはずの人がたくさんいたのに。
私は多分人を笑顔にする才能はない。

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