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2025年4月以降がおトク?雇用保険法改正のポイント解説

2025年4月以降がおトク?雇用保険法改正のポイント解説

2024年5月10日に成立した「雇用保険法改正」。本改正は、パートやアルバイトなど短時間勤務者の増加や、物価上昇を上回る賃金アップを実現するためのリスキリング促進を背景にしています。特に2025年4月以降、自己都合退職者にとっておトクになる制度改正が盛り込まれており、退職のタイミングを検討している方に大きな影響を与えそうです。以下、今回の改正のポイントを詳細に解説します。

1. 雇用保険の適用範囲拡大(2028年10月1日)

これまで雇用保険は「週20時間以上働く人」が対象でしたが、2028年10月1日以降は「週10時間以上働く人」にも適用されます。

改正の影響:
• パートやアルバイトの多くが新たに対象となり、失業時の給付金や育児休業中の支援を受けやすくなります。
• 約500万人以上が新たに対象となる見込みです。

2. 自己都合退職者への給付制限緩和(2025年4月1日)

主な変更点:
1. 給付制限期間の短縮
自己都合退職者が失業保険を受け取るまでの「給付制限期間」が2ヶ月から1ヶ月に短縮されます。
→ 退職後の経済的負担が軽減され、次の仕事を探す余裕が生まれます。
2. 教育訓練受講による待機期間の解除
退職前1年以内、または退職後に教育訓練を受講した場合、給付制限期間がなくなります。
→ 資格取得やスキルアップに取り組む人に大きなメリット。

3. 教育訓練給付の拡充(2024年10月1日)

教育訓練を受講・修了した際に支給される「教育訓練給付金」が大幅に拡充されます。

主な改正内容:
1. 給付率の引き上げ
給付率が最大70%から**80%**にアップ。
2. 賃金アップによる追加給付
教育訓練修了後、賃金が上昇した場合に受講費用の10%が追加支給されます。
→ 資格取得だけでなく、給与アップにもつながる支援が強化。
3. 対象講座の拡充
大型運転免許取得など、従来対象外だった講座も新たに対象となりました。

4. 教育訓練休暇給付金の新設(2025年10月1日)

2025年10月1日から、新たに「教育訓練休暇給付金」が導入されます。

制度概要:
• 教育訓練期間中、失業保険と同額の給付金を支給。
• 最大150日間(条件:被保険者期間が5年以上)。
• 個人の努力によるスキルアップを促進し、物価上昇を上回る賃金上昇を後押し。

5. 育児休業給付と財政運営の見直し
1. 国庫負担割合の引き上げ(2024年5月17日)
育児休業給付の安定化のため、国庫負担割合が増加(80分の1から8分の1)。
2. 保険料率の調整システム導入(2025年4月1日)
• 育児休業給付の保険料率を0.4%から0.5%に引き上げ(2028年を想定)。
• 財政状況に応じた柔軟な料率調整が可能に。

6. その他の制度見直し(2025年4月1日)
1. 雇止めにかかる暫定措置の延長
雇止めによる離職者の給付日数特例や地域延長給付が2026年度末まで延長。
2. 就業促進手当の廃止
早期再就職者への「就業手当」が廃止され、定着手当の上限が引き下げ。
3. 介護休業給付に関する措置の延長
財政負担割合を継続し、介護休業取得者への支援を確保。

改正の狙いと注意点

今回の改正は、失業保険や教育訓練給付を通じて再就職やスキルアップを後押しし、労働市場の活性化を目指しています。一方で、制度を活用するには以下の点に注意が必要です:
• 給付条件の確認
自己都合退職者や教育訓練受講者に対する給付条件を事前に把握しましょう。
• 退職時期の選択
2025年4月以降に退職した方が、経済的メリットが大きくなる可能性があります。
• 教育訓練の利用
資格取得や賃金アップを目指す人は、教育訓練給付金を積極的に活用してください。

まとめ

2025年4月以降、自己都合退職者への給付制限の緩和や教育訓練給付の拡充など、雇用保険法が大きく変わります。この改正を活用することで、再就職の準備やスキルアップがしやすくなり、労働者のキャリア形成に追い風が吹くことが期待されています。
退職やキャリアチェンジを検討している方は、これらの制度を最大限活用して新しいスタートを切りましょう!

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