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ドローンの将来〜ドローンとどのように向き合えば良いのか〜

目安時間:5~7分(約4000文字)
最終更新日:2024年5月15日


0章.そもそもドローンとは?

◼︎ドローンの定義

ドローンとは、人が乗ることの出来ない航空機のうち、遠隔操作または自動操縦により飛行することができるものを指します。

◼︎名前の由来

名前の由来は諸説ありますが、下記などの説が存在しています。
①蜂が飛ぶ時の羽音からという説
②第二次世界大戦時、すでにイギリス軍で使われていた無人飛行機「クインビー〈女王蜂〉」と双璧をなすものとしてという説

”新たな技術は戦争から生まれる”と言われることもありますが、
前述の通り、ドローンも無人戦闘機として開発が進められていたこともあり、兵器として恐れられていたという歴史があります。

一方、現在では社会課題の解決のためにドローンが必要とされています

ここからは、下記のような順番で示していきたいと思います。

  • なぜドローンが必要とされているのか?

  • ドローンが抱える課題

  • 我々は今後どのようにドローンと向き合っていくべきか


◼︎本記事の目的

ドローンの将来を正しく理解し、正しく恐れて欲しい。
そして、ドローンについて周りの人と議論をして欲しいと考えております。

軽率に否定するでも、盲信的に肯定するでもなく、正しい情報をテーブルに並べ、各々がドローンが周りにある世界を解像度高く想像することで、結果として、多くの方の幸せに繋がって欲しいと考えています。

1.なぜドローンが必要とされているのか?

なぜ、ドローンが必要とされているのか…
ドローンの必要性には、次の上位計画が存在します。

◼︎デジタルライフライン全国総合整備計画

デジタルライフライン全国総合整備計画(以下、本計画)は、経済産業省が取りまとめている計画です。

本計画の趣旨を私は下記のように捉えています。

人手不足・物流クライシス・激甚化する災害への対応は急務となっている。
これら課題に先手を打ち、将来にわたって暮らしやすい地域生活圏を形成していくためには、一部の企業や機関が一義的や部分的な進捗を行っていては、今後さらなる混沌を産む可能性がある。
そこで、経済産業省が旗を振り、企業や有識者を通じ、人流や物流などのさまざまなニーズを集め、複数の企業やモビリティを跨いで最適なサービスを提供できる仕組みを検討する必要がある。

社会課題の解決と産業の発展とを両立させるため、官民が目線を合わせて
社会変革に取り組むためのプランが本計画。

◼︎ドローンとデジタルライフライン全国総合整備計画の関係

ドローンが必要とされている理由として、デジタルライフライン全国総合整備計画があると述べました。
では、本計画とドローンはどのような関係があるのかを整理します。

経済産業省は、本計画の中で、デジタルライフラインの具現化として、3つのプロジェクト(アクション)を実施すると謳ってます。

1. 自動運転による、人的リソースの省人化と移動手段の確保
2. ドローンによる、物流業務の高速化・安全化、災害時の物流ネットワークの確保
3. インフラ管理のDX化による、老朽化したインフラへの迅速な更新への貢献

つまりは、ドローンを活用することで、本計画の目的である、人手不足・物流クライシス・激甚化する災害への対応を図ると示しており、これがドローンが必要とされている理由です。

経済産業省 デジタルライフライン全国総合整備計画の策定に向けた検討状況についてから抜粋
chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digital_denen/dai15/siryou6.pdf

◼︎なぜ、ドローンが必要とされているのかの整理

ここまでを整理 ✅
解決したい課題    :人手不足・災害激甚化
解決するためのプラン :デジタルライフライン総合計画
解決手法の一つ    :ドローン物流の提供


2.ドローンが抱える課題

ドローンが必要とされる理由(=社会課題の問題や国の方針)の大枠は分かったものの、「ドローンって課題だらけだよね?」「ドローンって怖くない?」という意見があると想像しています。
ここからは、ドローンが抱える課題について考えていきます。

◼︎ドローンの課題を分類

私なりに、ドローン業界を取り巻く課題を分類しながら整理してみました。すると、まだまだ多くの問題が山積していることが分かってきました。

ドローン業界のPEST分析

ドローンが一般に普及するには、表の通り多くの課題があることがわかりました。
一方、全ての課題が同様の優先度ではなく、日本という国において、どの観点の課題の難易度が高いのかを紐解くことが重要です。

※ドローンの課題ごとの深掘りは別の記事にさせていただきます。(Coming Soon)

◼︎ドローン普及へのハードル

前述の通り、ドローンの課題は山積しており、これらのほとんどがハードルです。
一方、ハードルの中でも重要度に大小があると考えています。
結論から言うと、日本という環境においは政治的観点と社会的観点の課題が優先事項となると考えられます。

それはなぜか?
政治的観点と社会的観点から考えるのではなく、技術的観点と経済的観点のことから考えてみると捉えやすいかもしれない。

まず、前提として、「技術的課題の改善 ≒ 経済的課題の改善」となり、これらの相関は強いのが一般である。そして、世界に目を向けると、ドローンの技術発展は間違いなく進んでいます。

世界の動向
・欧州/欧米で盛んに技術開発開発が進められている
・技術開発が行われている点
 ┗ペイロードの改善
 ┗長距離・長時間運転の改善
・欧州欧米では、ビジネスとしての実証がすでにされている
 ┗アメリカ:セブンイレブンやAmazonがドローンで配送を実施
 ┗スイス:病院間で診断用サンプル輸送を実施

つまり、技術的観点と経済的観点に関して言えば、
日本がリードせずとも、海外で開発と実証が進められており、良くも悪くも、日本に受け入れ体制があれば、これらの観点をクリアした上で導入することが可能だと考えられる。(※海外が技術的パイオニアだから、日本は何もしなくて良いという事では無いが。。。)

逆に考えると、いくら技術と経済の観点がクリアされようとも、
受け入れ体制がなければ、ドローン導入は先送りになる
と考えられる。

受け入れ体制を作れるか否か、すなわち、政治的観点と社会的観点をクリアできるか?が重要な課題となる。

つまり、日本においてドローンの普及に際してのコア課題は、
「いかようにして政治的観点と社会的観点をクリアをするか」であり
それには、"社会受容の醸成”が肝
になる。


◼︎政治的観点と社会的観点の課題をクリアするには?

政治的観点と社会的観点の課題に注目してみる。

<政治的課題>
・法規制・規制緩和などの推進
・安全性の確保
・プライバシーの保護
・セキュリティの問題
・責任の所在の問題
・手続きの簡素化

<社会的課題>
・社会受容性の醸成(・自治体の理解と協力体制)
・先行地域の選定とその妥当性の判断

これらの課題の解決するには、"リスクと恩恵を正しく天秤にかけ、その天秤が大多数の人間にとって恩恵に傾むいている状態を作る"ことが大事です。

そして、そのためにはまず、情報(ドローン)と向き合う必要がある。

3.情報(ドローン)とどのように向き合うか

情報と正しく向き合うには、発信と受信、双方がお互いを思い合った意思疎通をしなくてはならない。

発信側(経済産業省や関連会社・有識者)は、情報を然るべきタイミングで然るべき方法で発信をし続ける必要がある。

一方、受信側(我々のような一般の人間)も情報を待っているだけではいけない。
なぜなら、すでに情報は議事録などの形で世に発信されているからだ。
しかし、、、認識していない情報があることを認識することは難しい。(「無知の知」の難しさはこれ故だと感じている。)

だからこそ、0から1の興味のタイミングでこの記事に辿りついた方には、
次は自ら10の情報を取りに行くような意識で周辺情報を調べてみていただきたい。そして、近くの知人や友人とお話しをしてみて欲しい。

そうやって、数珠繋ぎに多くの方がドローンや状況や課題を認知し、多くの議論が行われることで、基準や仕組みがアップデートされていくと考えています。
このアップデートこそが、”リスクと恩恵を正しく天秤にかけ、その天秤が大多数の人間にとって恩恵に傾むいている状態を作る”行為そのものとなります。

結果として、より多くの方がハッピーになる近道になると私は信じています。

あとがき

まず、最後までお読みいただきまして、誠にありがとうございました。

本記事では、「ドローンがなぜ注目されているのか?」「ドローンが抱える課題」などについて、記載をさせていただきました。
今後の記事では、ドローンが抱える課題をより解像度をあげて深掘りをしていこうと思っています!

私自身、記事に起こすのは初めてであり、至らない点が多々あるかと思いますが、ご容赦いただけますと幸いです。

※注意書き
個人的な解釈と事実はできる限り判別できるように記載するよう心がけました。しかし、一人の人間が書いていることもあり、偏った情報や解釈になってしまっていることもあると思います。
私の記事だけを信じるのではなく、その他情報や様々な著者ならではの見解に触れていただき、ご自身の考えへと昇華して頂けたら幸いです。

【主な更新履歴】
2024/5/15:初稿


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