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あの日、何が足りなかったのか。避難所の“心の傷”を癒すために。
焼け野原となった風景、
津波で押し流された家、
そして、
あの日の恐怖が脳裏に
焼き付いて離れない。
避難所での生活は
想像を絶する過酷さ。
必要な物資は不足し、
衛生状態は悪化。
家族の安否確認もままならず、
不安と苛立ちが募るばかり。
トイレは20人につき1つ。
並んで待つ長い列、
限られた水と食料、
そして、
異質な空気が漂う避難所。
温かい食事が食べられるのも、
数えるほど。
大切な家族と寄り添う余裕などない。
こんなにも、
大切な人が、
大切な時間を、
奪われたのか。
あの日、
私たちは何を失ったのか。
あの日、
私たちはどんな支援を
必要としたのか。
…
…
…
その答えを求めて、
イタリアの避難所運営における
国際基準「スフィア基準」に
焦点を当ててみたい。
![](https://assets.st-note.com/img/1730612408-4gLFKARzNa29TEsbrkv60PSc.png?width=1200)
イタリアの避難所運営における重要な国際基準:スフィア基準
イタリアの避難所運営においては、
「スフィア基準」という国際基準が
重要な役割を果たしています 。
この基準は、
過去の難民キャンプでの
犠牲を教訓に、国際赤十字や
NGOが「最低基準」を
定めたもの 。
スフィア基準のポイントは、
支援を受ける権利の保障です。
「すべての災害や紛争の
影響を受ける人びとは、
尊厳ある生活を営む権利を有しており、
そのための保護と支援を受ける
権利を保有する」
という考え方が重視されています 。
イタリアでは、
この考え方が徹底されており、
支援を受ける権利を保障する
ための活動が積極的に行われています 。
具体的には、
避難所環境の最低限の目安となる
数値目標が設定されています 。
例えば、トイレの数は20人に1基、
男女比は男性1に対して女性3という
基準があります 。
また、給水施設についても、
洗濯施設1ヶ所につき100人、
入浴施設1ヶ所につき50人などの
基準が設けられています 。
さらに、イタリアでは、
スフィア基準を満たすことは
国や基礎自治体の義務となっており、
基準を満たさない場合は罰則が
科せられる場合があります 。
この基準を活用するには、
ハンドブックが役立ちます。
![](https://assets.st-note.com/img/1730612552-vaNIyLsuZ5meWQwtk7SjcUiz.png?width=1200)
PDFファイルでダウンロードできる
ハンドブックには、必要な物資や
サービスに関する具体的な数値目標が
記載されているため、
避難所の課題を把握するのに役立ちます 。
日本の避難所運営への示唆
日本では、スフィア基準は
必ずしも広く知られている
わけではありません。
しかし、
熊本地震の際に設置された
益城町のテント村のように、
スフィア基準を参考に環境整備を
行った事例も存在します 。
日本の避難所運営においても、
スフィア基準を参考に、
より安全で快適な環境を
実現していくことが重要です。
スフィア基準を参考に、
日本の避難所運営は、
より質の高いものへと
進化できるはずです。
最低限の基準を満たすだけでなく、
尊厳ある避難生活を保障する
仕組みを構築する。
被災者の「心の傷」を
癒すためにも、
この基準は不可欠と
言えるでしょう。
私たち一人ひとりが、
災害への備えを真剣に考え、
避難生活の質を高めるための
情報を共有し、行動を起こす時が
来たのではないでしょうか。
令和8年度の設置予定だとされる
「防災庁」にその役割を期待したい。
![](https://assets.st-note.com/img/1730612671-YOp4CzKhl2gJB8Ga0WNHVfqR.png?width=1200)
災害といっても様々な災害が
あります。
地震、台風、豪雨…どれも、
いつ起きてもおかしくなく、
私たちの身に降りかかってくる
ことを常に覚悟しなければなりません。
必要な人に、必要な物資・設備が
迅速に届けられる仕組みの構築に
こそ、税金を使って欲しいと願い
つつも、防災意識向上を目的と
した記事を書いていきます。
最後まで読んで頂き
ありがとうございました。