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あの日、何が足りなかったのか。避難所の“心の傷”を癒すために。

焼け野原となった風景、
津波で押し流された家、

そして、
あの日の恐怖が脳裏に
焼き付いて離れない。


避難所での生活は
想像を絶する過酷さ。

必要な物資は不足し、
衛生状態は悪化。

家族の安否確認もままならず、
不安と苛立ちが募るばかり。

トイレは20人につき1つ。


並んで待つ長い列、
限られた水と食料、

そして、
異質な空気が漂う避難所。

温かい食事が食べられるのも、
数えるほど。

大切な家族と寄り添う余裕などない。

こんなにも、
大切な人が、
大切な時間を、
奪われたのか。

あの日、
私たちは何を失ったのか。


あの日、
私たちはどんな支援を
必要としたのか。


その答えを求めて、
イタリアの避難所運営における
国際基準「スフィア基準」に
焦点を当ててみたい。

イタリアの避難所運営における重要な国際基準:スフィア基準

イタリアの避難所運営においては、
「スフィア基準」という国際基準が
重要な役割を果たしています 。

この基準は、
過去の難民キャンプでの
犠牲を教訓に、国際赤十字や
NGOが「最低基準」を
定めたもの 。

スフィア基準のポイントは、
支援を受ける権利の保障です。

すべての災害や紛争の
影響を受ける人びとは、
尊厳ある生活を営む権利を有しており、
そのための保護と支援を受ける
権利を保有する


という考え方が重視されています 。


イタリアでは、
この考え方が徹底されており、
支援を受ける権利を保障する
ための活動が積極的に行われています 。

具体的には、
避難所環境の最低限の目安となる
数値目標が設定されています 。


例えば、トイレの数は20人に1基、
男女比は男性1に対して女性3という
基準があります 。

また、給水施設についても、
洗濯施設1ヶ所につき100人、
入浴施設1ヶ所につき50人などの
基準が設けられています 。

さらに、イタリアでは、
スフィア基準を満たすことは
国や基礎自治体の義務となっており、
基準を満たさない場合は罰則が
科せられる場合があります 。

この基準を活用するには、
ハンドブックが役立ちます。

PDFファイルでダウンロードできる
ハンドブックには、必要な物資や
サービスに関する具体的な数値目標が
記載されているため、
避難所の課題を把握するのに役立ちます 。

日本の避難所運営への示唆

日本では、スフィア基準は
必ずしも広く知られている
わけではありません。

しかし、
熊本地震の際に設置された
益城町のテント村のように、
スフィア基準を参考に環境整備を
行った事例も存在します 。

日本の避難所運営においても、
スフィア基準を参考に、
より安全で快適な環境を
実現していくことが重要です。

スフィア基準を参考に、
日本の避難所運営は、
より質の高いものへと
進化できるはずです。

最低限の基準を満たすだけでなく、
尊厳ある避難生活を保障する
仕組みを構築する。

被災者の「心の傷」を
癒すためにも、
この基準は不可欠と
言えるでしょう。

私たち一人ひとりが、
災害への備えを真剣に考え、
避難生活の質を高めるための
情報を共有し、行動を起こす時が
来たのではないでしょうか。

令和8年度の設置予定だとされる
「防災庁」にその役割を期待したい。


災害といっても様々な災害が
あります。

地震、台風、豪雨…どれも、
いつ起きてもおかしくなく、
私たちの身に降りかかってくる
ことを常に覚悟しなければなりません。

必要な人に、必要な物資・設備が
迅速に届けられる仕組みの構築に
こそ、税金を使って欲しいと願い
つつも、防災意識向上を目的と
した記事を書いていきます。

最後まで読んで頂き
ありがとうございました。

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