揣摩臆測ではありますが(過去ブログアーカイブ)
はじめに
久々にアメブロ記事をこちらに移しました。
今回のエッセイは、これまでの文章でベスト3に入るくらい反響が大きかったものです。
実は当時、若手俳優の中で、このエッセイが話題になっていたそう。
悩んでいる俳優から別の悩んでいる俳優へ、とどんどん広がっていたみたいです。
たしかに当時、初めて会う若手俳優から「あのエッセイ読みました!」と声をかけられることがとても多かったんです。
あとから、「私が広めてました」と教えてくれた子がいて、なるほどそうだったのか、どおりでやたら声をかけられると思ったよ、と合点がいきました。
当時30才の私が書いたエッセイ。
文章力、感性ともに、もちろん拙いところもありますし、押し付けがましさもまだまだ感じさせる幼い伝え方でもありますが、考えそのものは44才のいまも変わっていませんので、ここに残しておきます。
『揣摩臆測ではありますが』(2011.6.20)
元々あったはあったのですが、先月から、毎日のように「死にたい」というメッセージが届くようになりました。
そんな芸能人ブログは、まず他には存在しないでしょう。
それくらい「死にたい」「死にたい」の連続。
所謂五月病というのもあったのでしょうけれど、その頃、著名人が続々お亡くなりになったという情報が、テレビやネットを通して一斉に駆け巡ったということも、多分に影響していたような気がします。
当たり前にいた人がある日突然いなくなる。
そのポッカリを、自分のもしもの場合と重ねたりしたのではないのかな、と思うのです。
今日の記事は、自殺についてです。
周りにご不幸があったかたは、絶対に読まないでください。
自殺願望者で、私の文体が好きなかただけ、読んでください。
以前書いた『不特定多数に送らないブログ』の第二弾のようなものですが、だいぶ偏った私の価値観を、以前よりがさつに表現している節がいくつかあります。気に障ってしまう表現があるかもしれません。
要注意でよろしくお願いします。
あのね。
自殺で楽にはならないよ。
自殺をしたところで、何も報われません。
肉体から魂が抜け出て、その魂のまま、また新しい肉体に入るだけ。
同じ試練を「やり直す」だけです。
しかも1から。
サイコロも振っていないのに、ふりだしに戻される。
細々した試練も、全部全部もう一回。
端的な表現ですが、マリオと一緒です。
クッパと戦うために、また最初の面から始めるの。
大変ですよ。時間かかるし。
逆を言えば、クッパが強ければ強いほど、前世の自分は相当なクッパをクリアしてきた強者だという証だと、私は思うんです。
なのに死ぬなんて、もったいない。
「いかにも自殺をしそうなタイプ」だと、よく言われる私。
そんな匂いを嗅ぎ取って、自殺願望のあるかたは私にそういったメッセージを届けてくださるのでしょう。
一応言わせていただきます。
私、死ぬ気ゼロです。
むしろめちゃくちゃ長生きしたいです。
だって、やり直すのいやだもん。
ですので、
とある人の話をしましょうね。
その人、長いこと自殺願望があったんです。
いや、そんなことしか考えていませんでした。
思春期から、10年くらいかな。
毎日毎日、考えてたの。
行く場所行く場所、何階建てか必ず確認して、5階以上だと安心したりしていたんですね。
「いざとなったら、飛べばいい」と。
どうして私ばっかり、って、
優しい人なんていない、って、
何のために生きてるの、って、
世の中腐ってる、って、
それに、
好きな偉人はみんな自殺してるし、って、
この期に及んで自分を驕ったりしていたそうです。
彼女が生きることを決めたきっかけは何か。
それは、プライドと復讐心でした。
彼女曰く。
「自殺をしたら、友達が途端に増えるよ。
今までろくに向き合ってくれなかった人達が、一気に自分を親友扱いしてくるよ。
よく知らない人に「あの子は優しい子だったの」って知ったようなことを言われたり、
助けて、って何度も伝えたのに助けてくれなかった人に「そこまで追い詰められていたなんて」って間抜けなことを神妙な面持ちで言われたり、
たくさんの人達が「あのとき私があ~してあげていれば、こうしてあげられていれば」って自分を責め始めたり、
見てみぬふりしてきた人が「大好きだった」とか意味不明なこと言ったり、
あげく、こっちが言ってもいない言葉を「○○(彼女)がこう言ってくれている気がした」とか、
恩も義理もないのに「天国で見守っててね」と頼まれたり過信されたりするし、
何年か経ったら、知り合い程度だったはずの人が「昔、親友を救えなかったことがあってさ」とか、さも人生経験ありますよ、みたいな顔して語りだすでしょ。
考えただけでゾッとする。
死ぬより怖い。
そう思ったんだ」
死によって大切なことに気づくことだってあるよ!悲しいのは理屈じゃないんだ!
と仰るかたもたくさんいらっしゃるでしょう。
その通りだと、私も思います。
だけど、自殺願望者だった彼女の目には、ただのナルシストのお調子者にしか見えなかったんですね。
自分が死んだ後の人の涙を想像したら、悔しくて気持ち悪くてたまらなくなったんだそうです。
揣摩臆測に過ぎないのかもしれませんが、その稚拙な価値観のおかげで、彼女が生きることを決めることができたのもまた事実。
彼女が心に刻んだこと。それは、
しっかり「疎遠」になるまでは、生きよう。
責任を持たせてたまるか。
でした。
そうして生きていくうちに「最大の復讐は、自分が幸せになること」という誰かの言葉をたまたま私から聞いて、あー、って気がついたそうです。
恨んでいるうちは幸せにはなれない。
自分が幸せになって、誰かさん達のことをまるで思い出しもしなくなったとき、
あるいは、
一切を許し、笑ってその誰かさん達と話せるときがきたら、
必然的にその時には、復讐も完了しているだろうということ。
その時「『復讐』って、私ったら」って笑っちゃえているんじゃないか、って。
ここからは、私の意見。
これは自殺とは関係ないけれど、こういった感覚は、悪口やいじめにも通じると、私は思っています。
やったほうは、やられた人には絶対に勝てない。
ムカつく→悪口を言う→相手が傷つく→すっきり
こんな流れ、しょーもないね。
ムカつく→悪口を言う→相手が全っ然傷つかない→さらにムカつく→相手に響かない→むしろ包容される
どうせなら、こっちがいい。
傷つくことも大切なことだけどさ、傷つかないこともきっと大切だから。
人が一番反省をする瞬間。
それは、
あまりにもあっさり許されてしまった時。
自殺して、その後はどうするの?
自殺したいということは、プライドがあるということです。
本当にどうでも良くなってしまったのなら、わざわざ死ななくても、自然と廃人のように生きていくことになるでしょうから。選択すらしないでしょう。
学校の悩み、職場の悩み、家族の悩み、町の地図で見たらちっちゃな世界。
地球儀なんかには載らないちっちゃなちっちゃな世界。
せいぜい半径数百キロ以内の話。
誰も知らない場所を望むなら、天国地獄の前に、海外に行けばいい。
英語が喋れないとかお金がないなんて、死に比べれば大した問題じゃありませんよね。
それに、自殺は手っ取り早い手段ではありません。
「未来が見えないから」、それは理由として成立するものではありません。
だってね、幸せな時に考えても、未来なんて誰にも見えないもん。
あのね。
死ななくていいんだよ。
一生懸命生きてきたのでしょ。
頑張って頑張って、堪えてきたのでしょ。
人を嫌いになっちゃって、自分も嫌いになっちゃって、それでも生きてきたのでしょ。
理不尽すぎて腹立つよなぁ。
どんだけ泣き寝入りしなきゃいけないんだ、って虚しくなるよなぁ。
寂しくて寂しくて、しんどくてツラくて、弱音吐いたら嫌な顔されるの分かってるから、結局自分だけで抱えてたほうがマシな気がして、でも二つの掌では持ちきれなくて、馬鹿馬鹿しくなったり深刻になったりを繰り返して、全てが自分を否定してくるような気がして、でも負けないように対抗して全てを呪い返したくなったりも、するよね。
でもね、
生きとこうよ。
とりあえずでいいから。
いつか人を許せるように、必ずなるから。
まずは、自分を許してさしあげてください。
どうしても自分が好きになれないなら、自分の強烈に嫌いなところを一つずつ殺していけばいい。
何も自分の全部を殺すことはない。
少しずつ生まれ変わっていけばいい。
今まで何度も書いてきたけれど、人は変われるから。
自殺は体がなくなるだけ。
むしろ、試練を倍に伸ばすだけです。
魂は生まれ変われません。
同じ人生を繰り返すために、生まれ直すだけです。
どうか、生きたまま生まれ変われることを、知ってください。
未来に具体的な楽しみが必要なら、私に楽しみを見つけてください。
女優としてかは分からないけれど、私、「なんとなくいい感じ」の人になるから。
そうなれるように、頑張るから。
それでいつか、「酒井若菜を育てたの、私だよ」って言ってください。
そう言っても恥ずかしくないような人間に、私必ずなるから。
その過程で「分かる!」って共感してもらえるような悲しい表現も、
「くだらん」って笑ってもらえるようなおバカな表現も、
両方できるような、そんな作品をつくれる人になるから。
ね。
期待して、待っててよ。
とりあえず、生きててよ。
だいじょうぶだよ。
あなたに掌はありますか?
神頼みを諦めたあなたの掌が、
泣いた誰かの背中をさすれるように、
頑張った誰かの頭を撫でられるように、
大好きな誰かの体を抱きしめられるように、
いつかなる日が来たら、私はとても嬉しい。
まぁ、絶対来るけどネ。
でもその前に、
その掌は、すっ転んだ自分を起き上がらせるために、使ってください。
奈落の底に掌をつけ立ち上がった人は、誰よりも強く、優しくなれるから。
「誰にも愛されてない」なんて、バカなこと言わないの。
とんだ勘違いだわ、まったくもう。
そんなあなたを、私は大好きで大好きでたまらないのよ。
嘘じゃない。
ほんとだよ。
あたしは生きるよ。
「死ね!」って言われても、
「やだ!」って言うんだ。
だって、未来のことなんて分からないもの。
絶対楽しいことあるに、決まってんじゃん!
だいじょうぶ
ごきげんよう