連載小説『不思議な階段 2』
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丈二に階段が現れて、4年が過ぎた。
今年から大学4年生になる。
丈二は大学に入った時に、最後の4年生は2回させてもらうこと,
つまり留年して5年生を経験させてくれと両親に説得していた。
両親はそんなことをするより、大学院に行けと最初は渋ったが、
最終的に、最後の1年間の学費は丈二自身が払うことを条件に許してくれた。
丈二は3年間、友達と遊ぶこともなく、バイトと勉強に明け暮れ、
5年生の一年分学費を一生懸命に貯めた。
その甲斐があって余裕ができるほどにお金を貯めることが