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CHIZUKOと申します。 お陰様で「夢」と「私はカコキュウ」の連載小説、無事掲載が終…

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CHIZUKOと申します。 お陰様で「夢」と「私はカコキュウ」の連載小説、無事掲載が終わりました。読んで頂いた方々、本当にお付き合いありがとうございました😭明日から3作目「秘密の屋上」を掲載始めます。よろしくお願い致します❣️

最近の記事

連載小説『不思議な階段 4』

4 丈二の顔をじっと見ながら彼女は、 「ウチは、両親が魔女と魔法使いよ。あなたのウチは?」 と聞いてきた。丈二は、 「いや、僕のうちは、その、、、多分、、僕だけだと思う、、、」 とあやふやな言い方しかできなかった。彼女は、 「そんなことないと思うけど、、、?でも、わからないな。遺伝しかないと思ってた。私がそうだから〜。」 とちょっと自分でも考えるように言った。丈二は、 「そうなの〜?もしかしたら、多分、、、多分なんだけど、、祖父が魔法使いだったかもしれない、、

    • 連載小説『不思議な階段 3』

      3 丈二は不思議な階段現象が、祖父からの覚醒遺伝だと確信をしている。 祖父が魔法使いだったら、是非会ってみたかった。 祖父は外国ではなく、日本にいると思いたかった。 そして丈二はいつか、祖父に会えると自分に言い聞かせるようになった。 そんな気持ちが日本の老人施設調査に繋がったのだ。 探し出して、祖父に会ったらこの階段現象のことを詳しく知りたいし、もし正しい使い方があるのであれば、教えてもらいたかった。 今は失敗と同時に現れる階段を消えないうちに急いで駆け上がるやり方で、

      • 連載小説『不思議な階段 2』

        2 丈二に階段が現れて、4年が過ぎた。 今年から大学4年生になる。 丈二は大学に入った時に、最後の4年生は2回させてもらうこと, つまり留年して5年生を経験させてくれと両親に説得していた。 両親はそんなことをするより、大学院に行けと最初は渋ったが、 最終的に、最後の1年間の学費は丈二自身が払うことを条件に許してくれた。 丈二は3年間、友達と遊ぶこともなく、バイトと勉強に明け暮れ、 5年生の一年分学費を一生懸命に貯めた。 その甲斐があって余裕ができるほどにお金を貯めることが

        • 連載小説『不思議な階段 1』

          不思議な階段 1 町田 丈二は普通の人と違っていた。 見た目は普通の人と何も違うところはない。 しかし、不思議な力を持っていた。 その力とは、何かに失敗した時に突然目の前に階段が現れる。 階段には『登れ!』と赤字で書かれている。 階段の最上階に上がると時は戻っていて、失敗前に立つことができた。 つまり、やり直しができたのだ。 この兆候が初めて現れた時、町田 丈二はびっくりした。 最初は何が何だか、わからなかった。 しかし、『登れ!』の文字を見て、階段を登っていくと、や

        連載小説『不思議な階段 4』

          連載小説『秘密の屋上 レイタの秘密』最終回

          レイタの秘密  浩太とマイは本格的に交際が始まっていた。 会社にはまだ内緒にしていたものの、薄々バレている気配もあった。 しかし、噂話が広がることもなかった。 浩太は流石に世界一真面目と言われるだけあって、とても紳士だった。 マイは浩太の差し出す腕の中で、のびのびと仕事も、私生活も楽しむことができていた。 二人は着々と結婚を目指して進んでいた。 もう、ほとんどが整い、会社に報告をする段階になっていた。 マイは自然と、屋上にはあまり行かなくなった。 おそらく浩太との毎日が

          連載小説『秘密の屋上 レイタの秘密』最終回

          連載小説『秘密の屋上 成就』

          成就 流石に立川支社の出張は疲れた。 お腹も空いたし家に帰りたかったが、室長に帰り寄れと言われているので、会社に向かった。 遅くなったし、室長はいないかもしれないなと思いながら社に戻ると、室長は待っていてくれた。 マイは急いで、室長室へ行った。部屋に入ると、室長が、 「いや〜市田君、ご苦労様でした。遅かったから、もしかして帰ってしまったかと思ったが、立川支社からも連絡があってね、」 と言ったので、マイはその先を聞く前に慌てて、 「クレームがきましたか?」 と焦って

          連載小説『秘密の屋上 成就』

          連載小説『秘密の屋上 出会い3』

          出会い3 レイタに結婚線のことを言われたマイは 「え〜っ、うん、ちょっと好きな人ができたの。でも、向こうは全く私の気持ちは知らない。立場が違いすぎなの。私が憧れているだけなの。」 とマイは最後の声が小さくなった。レイタは頷きながら、 「そうですか、、、おそらくこれから出会いはとても良い方向に進みます。でも、あまり意識せずに成り行きに任せる方がいいです。マイさんの素直さで、今のまま仕事も息抜きも一生懸命、つまり楽しく生活していればいいです。簡単でしょ?」 と大きく、ゆ

          連載小説『秘密の屋上 出会い3』

          連載小説『秘密の屋上 出会い2』

          出会い2 すっかり、課に馴染んだマイは自然と実力を発揮できた。 世界一真面目な上司はこの課の室長で、炭崎 浩太38歳独身という情報も入ってきた。 マイは結構気にかけて意識していた。 仕事は程よく、緊張感があって時間の過ぎ方が速く感じるほどだった。 マイは生活が引き締まり、充実感があった。 そして、仕事から帰ると毎日のように屋上へ行った。毎日の報告をレイタにするのが楽しみだった。 今日もいつもの通り屋上へ出た。早速、マイは 「レイタさん、ただいま!」 と声をかけると、レ

          連載小説『秘密の屋上 出会い2』

          連載小説『秘密の屋上 出会い1』

          出会い1 移動日がやってきた。 あまりにも意識しすぎていつもより身支度に時間がかかった。 新しい課に着いたのは始業時間ぴったりだった。 部屋に入った途端に、全員一斉、机の前に立ち上がるところだった。 マイは一番後ろに自分の席を見つけた。 どうもここでは、朝礼があるようだった。 すると、世界一真面目な上司が皆の前に立ちはだかった。 マイはちょっとびっくりした。 なかなか整った顔で、背も高く、着こなしもセンスが良かった。 何より驚いたのは思っていたより若かった。 (この人が

          連載小説『秘密の屋上 出会い1』

          連載小説『秘密の屋上 手相5』

          手相5 しばらく経ったある日、朝会社に着きパソコンを 立ち上げると社内メールが来ていた。マイは、 (そうだ、人事異動の時期だ。) と気がつき、私は変わらなければ良いなと思いながらメールを開けた。 目を疑いたかった!マイに辞令が出ていたのだ。 その課は世界一真面目な上司が仕切る有名な課だった。 いっぺんに憂鬱になった。すぐに有美の机の方に顔を向けると、 有美もメールを見ていたようで、私はセーフというジェスチャーをしていた。 有美は大きく顔の前で、両手でバッテンを作った。

          連載小説『秘密の屋上 手相5』

          連載小説『秘密の屋上 手相4』

          手相4 次の日、会社に行くと有美がマイに 「今日、宝くじ買う?付き合うよ、昼休みにしようよ、一緒に行ってあげるね?」 と言ってきた。マイは有美をじっと見ながら、 「ありがとう有美。でもね、私宝くじは買わないことにしたの。お金ないんじゃないよ、よく考えたの。その分今度のお誕生日に奮発して指輪を買おうかなって思っているの。だから、これからは日頃、お金を大事にしようと思ったの。」 と笑顔で有美に言った。すると、有美が、 「えっ!本当〜!どうしたの〜?買わないんだ〜。」

          連載小説『秘密の屋上 手相4』

          連載小説『秘密の屋上 手相3』

          手相3 はは〜ん!と納得したレイタは 「残念ですが、手相が宝くじ大当たりを示すことはありませんよ。ただ、金運に縁があるかないかぐらいは手相でわかります。手相というのは、毎日変わります。そして、手相は必ず、両手で見ます。総合的に見るんです。強いて言えば利き手の手相が変わりやすいのですが、、、」 と講釈を始めたので遮って、マイはジリジリしながら、 「そんなこといいから、早く見てよ!」 と、催促した。レイタは 「まあまあ、落ち着いて、そんな気持ちでは金運は逃げますよ。そ

          連載小説『秘密の屋上 手相3』

          連載小説『秘密の屋上 手相2』

          手相2 そんなことがあってから、マイは屋上にいるレイタのことは誰にも言わなかった。 時々、友達に会って話をしていると、 (この人だったら、レイタさんのこと見えるかもしれないな、、、?) と思うこともあったが、思いとどまって我慢した。 レイタのことを共有できる人がいたら、もっと楽しいだろうといつも考えていたが、レイタに言うとあまり良い顔はしなかった。 マイは、レイタがアドバイスをくれることに感謝しているので、 誰かに言うのはレイタを裏切ることになると思っていた。 だから絶

          連載小説『秘密の屋上 手相2』

          連載小説『秘密の屋上 手相1』

          手相1 次の日、マイと有美は会社であくびばかりしていた。 退社は別々になり、マイは一人で会社帰りにお弁当を買い込み、急いでマンションに向かった。 部屋で、さっさと着替えてお弁当とクッションを抱え、屋上に行った。 屋上に出てマイは、 「こんばんは、あっレイタさん、昨夜はどうしたの?途中で、消えちゃったね?友達は見えないって。どうしてだろう?」 と一気に話しかけた。すると、レイタが、 「昨夜は失礼しました。いや〜私もうっかりしていました。マイさんの友達だから、てっきり見え

          連載小説『秘密の屋上 手相1』

          連載小説『秘密の屋上 屋上の秘密4』

          4 翌日の昼休み、有美に昨夜のことを話した。有美は 「え〜、それって幽霊?あんた、大丈夫?」 と最初から、疑ってかかった。マイは 「有美!嘘だと思ってんの?私はビールひと缶くらいで酔っぱらわないよ!本当なんだって、ねえ、今度絶対来てよ!今日とは言わないから、お願いだから来てよ。紹介するから、勇崎 レイタさんに!」 と勢いよく、有美を誘った。有美はマイがあまりにも真剣なので、 「う〜ん、わかった〜。じゃあ、明日の帰りに行こうか〜?」 とマイの顔を見ながら渋々言った

          連載小説『秘密の屋上 屋上の秘密4』

          連載小説『秘密の屋上 屋上の秘密3』

          3 翌日、マイは有美に昨夜のことを話した。有美は、 『へえ〜、マイはいいな! 私はまだ実家だし、屋上ないし。私の家は周りがみんな高いから屋根に上がったって星なんか見えないよ。』 と羨ましがった。マイは 『今度、うちにおいでよ。屋上でビールでも飲もうよ。』 というと、有美は笑顔いっぱいにして喜んでいた。 その日は残念ながらマイの方が残業で、帰りが遅くなった。 帰りに夕食を済まして、その日は屋上に行かなかった。 次の日マイはサンドイッチとビールを買って、帰宅した。 ラ

          連載小説『秘密の屋上 屋上の秘密3』