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2024年の読書を総括


2024年の読書を総括

私は、プロフィールにも書いていますが、読書が大好きです。

株式投資を長年やってきている関係もあり、資産運用関係の本を読むことが多いですが、他にもミステリーやノンフィクションの本も読んできました。

ある時、読書の記録をつけていきたいと思い立ち、いろいろネットで便利なツールを探した結果、「ブクログ」というサイトが視覚的に分かりやすく、しかも操作が簡単にでき、非常に私に合っていると思い、令和5年11月からブクログの使用を開始しました。
ちなみに、このサイトの利用は全て無料で、本当にお勧めです。

本日は12月15日(日)で、まだあと半月ほど残っていますが、今週の18日(水)には四季報最新号がAmazonから届く予定で、読み込みに時間がかかり、他にはもう本は読めないと思いますので、このブクログを利用して、2024年に読んで、良かった本を総括したいと思います。

ブクログで私的に5つ星をつけた本をご紹介

ブクログで、2024年中に読書をした数を確認したところ、68冊でした。
年間50冊を超えているので、よく読んだ方ではなかったと思っています(なお、年間4冊の四季報読破は除いていますよ(笑))。
この中で、ブクログで私が最高点の5つ星をつけている本を、ジャンル別に抽出したものが以下のとおりとなっており、5つ星は合計18冊となりました。

資産運用関係部門(8冊)
「サイコロジー・オブ・マネー」モーガン・ハウセル 著
「お金は寝かせて増やしなさい」水瀬ケンイチ 著
「わが投資術」清原達郎 著
「超改訂版 難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!」山崎元 大橋弘祐 共著
「ほったらかしで年間2000万円入ってくる超高配当株投資入門」かんち 著
「成長株投資枠で1億円」DAIBOUCHOU 著
「年1時間で億になる投資の正解」二コラ・ベルべ 著
「改訂版 本当の自由を手に入れる お金の大学」両@リベ大学長 著

ミステリー部門(7冊)
「真実の10メートル手前」米澤穂信 著
「ザリガニの鳴くところ」ディーリア・オーエン 著
「存在のすべてを」塩田武士 著
「犯罪者(上、下)」太田愛 著
「幻夏」太田愛 著
「天上の葦(上、下)」太田愛 著
「火車」宮部みゆき 著

ノンフィクション部門(2冊)
「ユニクロ」杉本貴司 著
「紙つなげ!彼らが本の紙を造っている」佐々涼子 著

一般本部門(1冊)
「宙わたる教室」伊与原新 著

資産運用関係部門の本について

今年は、1月から大幅に新NISAの制度が拡充されたこともあり、資産運用関係の書籍が大量に出版された印象があります。
上記で挙げた8冊とも良書でしたが、この中で一番を挙げろと言われたら、「わが投資術」になるのではないでしょうか。

以下の文章は、私がブクログで本書の感想を書いた部分です。

「本書では、著者の経歴や運用しているヘッジファンドの運用状況、取引した個別銘柄等について、ユーモア(ブラックも含めてですが)たっぷりに説明がされています。
その明快な語り口から、著者の率直な考えがダイレクトに反映されているなと感じました。
逆に、ここまで業界の内情をダイレクトに書いてしまっていいのかと心配になるくらいです。

バリュー投資の項目も非常に参考となったのですが、ITバブルやリーマンショック、コロナショック等の時に著者がどう考え、どう動いたかが手に取るように分かり、非常に面白かったです。
なお、著者は、コロナショック真っ最中の時に、怒涛の買いを入れたようです。
自分には、とても真似ができないと思いました。

個人資産が800億円・・・
とても想像できない数字ですが、本書を読んでの一番の感想は、自分が勝てると踏んだのであれば、多少のリスクは背負ってでも勝負すべきであるということです。

本書は、私も含めて、日本の割安個別株で勝負している方にとって、非常に得るものが大きい良書です。」

以上のとおりですが、本書はバリュー投資を実践されている方には本当にお勧めできますので、よかったら正月休み中にでも読まれてはどうでしょうか。

ノンフィクション部門の本について

ミステリー部門は後回しにして、ノンフィクション部門の2冊についてですが、やはり、「紙つなげ!彼らが本の紙を造っている」が圧巻でした。

以下の文章は、私がブクログで本書の感想を書いた部分です。

「本書は、単行本発行(2014年6月)の時に1回読了していたので、今回が2回目の読了となります。

東日本大震災発生当時に日本製紙石巻工場が津波に飲み込まれ、壊滅状態に陥った日から復興に至るまでを詳細に綴った、傑作ノンフィクションです。
日本製紙石巻工場の社員の方、日本製紙本社の方、そして、その他関係する様々な人たちの、「絶対に震災から復興して、読者に本を届ける」との思いが強く伝わってきました。

私は本は電子書籍ではなく、紙媒体で読むことがほとんどです。
なぜかといえば、やはり、本をめくるのが好きなのです。本屋へ行って、新しい本を探すため、本をめくる時は本当に楽しいものです。
本好きの皆さんには、私の気持ちが分かっていただけるのではないでしょうか。

そうした紙媒体の本は、様々な人たちの手によって私たちに届けられている、そうしたことを改めて考えさせられました。

そして、圧巻だったのは、実際に現場で起こったことが、まるで手に取るように分かる、臨場感溢れる著者の書きぶりでした。
常に現場の方の気持ちに寄り添って、誠実に書かれていることが、私にも伝わってきました。

惜しむらくは、著者は令和6年9月1日に悪性脳腫瘍のため、56歳の若さでお亡くなりになりました。非常に残念です。
謹んでお悔やみ申し上げます。」

著者の佐々涼子さんがお亡くなりになったことが本当に残念で仕方がありません。この場でもお悔やみを申し上げます。

一般本部門の本について

「宙わたる教室」・・・

原作本でも、テレビドラマ(全10回)の方でも、両方でこれだけの感動を受けたのは今までなかったのではないでしょうか。

実は、原作本を購入する11月中旬まで、原作本が出版されていること自体も全く知らなかったのです。
その頃は、NHKドラマの「3000万」に、妻と一緒になって夢中になっている時期でした(笑)。ちなみに、この「3000万」のドラマも傑作です。

以下の文章は、私がブクログで本書の感想を書いた部分で、原作本を読むに至った経緯等が記載しています。

「今、NHKで放映されている、本書を原作としたドラマが、かなり高評価であるという記事を見たことがきっかけで、本書を購入しました。
なお、ドラマはまだ見ていないです。

本書は、定時制高校を舞台にした、ある教師と生徒たちとの交流及びそれぞれの成長の物語であり、私自身が定時制高校を全く知らなかったので、新鮮な気持ちで読むことができました。
なお、この小説は、実話をモチーフにしているようです(あとがきで明かされます)。

各章ごとに、主役となる定時制高校の生徒が変わっていくのですが、私が一番感動したのは、「第四章 金の卵の衝突実験」の章でした。
この章では、70歳代の通称「長老」と呼ばれている生徒が主役となり、ある出来事が発生するのですが、章の最後の方で、そうだったのか!!と思わされると同時に、感動で涙がこみ上げてきました。
いや~、物語の構成が絶妙ですね。伏線の張り方が凄いです。

原作を読了しましたが、まだNHKドラマ(全10回)の方を見てないので、再放送等でじっくり見ていきたいと思っています。

あと、本書の第3章で出てきた「火星の人」(ハヤカワ文庫SF)にすごく興味が出てきたので、購入して読んでみようと思っています。
本書は、今の生き方にもがき苦しんでいる方に、是非、読んでみるのをお勧めしたいです。
何か、得るものがあると思っています。」

この後、Amazonプライムで、NHKドラマの過去の放送回が無料で観れるのに気づき、第1話から第9話までを観て、最終回の第10話はNHKプラスで視聴しました。
原作本も感動作でしたが、NHKドラマの方も傑作でした。

出演されている俳優の方々が、本当にうまい演技をされていたのが印象に残りました。原作にほぼ忠実でしたので、すんなりと心に入ってきました。

あと、ドラマで音楽を担当されている「jizue」バンドの皆さんの、各シーンごとに染みわたる良質な曲の数々・・・
ドラマを更に盛り上げていましたよね~

あと、余談ですが、NHKのクローズアップ現代のテーマ曲も担当されていたんですね。私、あの曲、好きなんですよね~(笑)

以上、長々と脱線しましたが、本書は読んだ後、必ず何かを得られる良書だと思いますのでお勧めです。

ミステリー部門、そして2024年のNO.1本について

今回、各部門の紹介でミステリー部門を最後にもってきましたが、それはミステリー部門の中でもダントツであり、2024年中に読んだ全ての本の中でもダントツの傑作の本があったからです。

その本は、塩田武士さん「存在のすべてを」です。

以下の文章は、私がブクログで本書の感想を書いた部分です。

「冒頭からの幼児誘拐の捜査シーン描写は、横山秀夫氏の「64」を彷彿とさせるものがあり、ぐいぐい物語に引き込まれました。

物語は、その後、新聞記者と、画廊を経営する若き女性の2人の視点で進んでいき、誘拐事件の謎が徐々に解明されていきますが、最も心を打たれたのが、後半の事件当事者からの視点部分でした。

ここは読んでいて、「親」の愛情の深さに心打たれ、涙が溢れてきました。角田光代氏の「八日目の蝉」に匹敵する切なさを感じるとともに、著者の「罪の声」のラストでも感じた救いが残されているとも思いました。

また、偶然にも、読む直前に、岡山市で開催されていた「ホキ美術館名品展」を妻と観に行っており、写実画の予備知識があったので、感情移入しやすかったです。」

感想文としてはやや短めの内容でしたが、私は2月のこの段階で、今年の一番はこの本になるだろうとの確信めいたものがありました。
それほど、感動を受けたのです。

これ以上は書きませんので、興味を持たれた方は是非、読んでみてください。
また、本書を読んで、著者の塩田武士さんの著作に興味を持たれた方がいらっしゃったら、「罪の声」も是非、読んでみてください。
著者の代表作の一つです。

以上、長々と書いてきましたが、いかがでしたでしょうか?
私としては、今年は良書をたくさん読めたので、良かったとの思いがしています。
来年も、自分のペースで読書をしていけたらなと思っています。