WCS2023予選振り返りと銀アイコン獲得した【エクソシスター】の構築・プレイの言語化[遊戯王マスターデュエル]
WCS予選2023お疲れ様でした。
自分は最終DP46826の世界66位という結果で、前回(3月DC)に引き続き銀アイコンを取得できました。
使用デッキも前回に引き続き【エクソシスター】です。
デッキ自体は同じですが、色々デッキ選択や構築の考え方など前回と今回では変わっており、面白いと思ったので諸々を言語化して残しておきたいと思います。
あくまで個人的な考えなので間違いや誤解を含む可能性がありますがご容赦ください。
デッキ選択の経緯
まず環境を考えた時、大本命は言わずもがな【ティアラメンツ】です。
遊戯王史上最強デッキとの呼び声は伊達ではなく、マスターデュエルでも圧倒的な強さを見せつけてくれました。
当然多くの人がWCS予選を戦うためにこのデッキを選んだと思います。
ですが、今回自分では【ティアラメンツ】を使う気はほぼありませんでした。
理由としてはつい流行りデッキはメタる側に回りたくなるカードゲーマーの逆張り精神というのもありますが、ミラーに勝ち越せる自信がなかったことが主な理由です。
圧倒的なTier1デッキというのはもちろん強いからTier1なわけですが、使用者が多いということはそれだけ使っても勝てない人を多く生み出すデッキでもあります。
もちろんデッキパワーが高いため環境外デッキを狩ってある程度のラインまで到達するのは比較的簡単だと思いますが、上位入賞を狙うのであればただ漫然とTier1を握るだけではなく他の大勢のTier1を握った人との差別化をしなくてはなりません。
具体的にはプレイングの練度と構築の最適化になるわけですが、これはまあかなりハードルが高いです。
特に【ティアラメンツ】というデッキは性質上ランダム性に依る部分が少なくない上試合時間も長くなりがちであり、プレイングと構築を詰めるには相当の練習が必要だと思いました。
この時点で直近でティアラメンツではなくゴーティスとかいう別の変な魚の構築をあれこれ煮詰めたり、そもそもマスターデュエルをサボってハイラルで祠とコログを探し続けていた自分には到底無理だと思って【ティアラメンツ】使用は諦め、メタ側に回ることにします。
経験上、DC形式で勝つためには環境の二番手以降から当たりデッキを見つけるのが一番楽です。
先ほど言った大勢の環境トップ使用者との「差別化」をこれ以上なく簡単に行う手段だからです。「俺は弱いけどデッキが強かった」という言い方があるように、自分の練習不足をデッキが補ってくれるわけです。
【ティアラメンツ】というデッキはあまりにも強すぎたため、果たしてこれをメタって勝ち越せる当たりデッキというものが存在し得るのかという懸念はありましたが、自身でティアラを握ることは既に諦めているのでそこは一旦置いておくことに。
まずはティアラメンツに対するメタデッキとして『ディメンション・アトラクター』等を搭載しなんとか抗っていたデッキ3種類、【スプライト】【ふわんだりぃず】【エクソシスター】から検討を始めます。
まずこの中だと【ふわんだりぃず】は真っ先に候補から外れました。
理由は明確で、メルフィーギミックを経由した虹光の宣告者による墓地肥し封じが行える【スプライト】、アソフィール等による封殺が行える【エクソシスター】に比べて【ふわんだりぃず】はギミック自体で【ティアラメンツ】に強く有利が取れるわけではなく、あくまでメタ要素はアトラクター等の外部パーツに依存しているという点からメタデッキとしての強さにおいて劣ると思ったからです。
次に【スプライト】と【エクソシスター】を比較すると、単純な出力の強さにおいては【スプライト】に軍配が上がります。
ただし【ティアラメンツ】に対するメタ性能を考えた時、【スプライト】はある程度展開を行った末に有効な妨害を作れるデッキである一方、【エクソシスター】は最悪下級+リタニアやバディス1枚から有効な妨害を作れることからメタデッキとしての安定性や誘発受けの面では【エクソシスター】の方が優れていると判断しました。
ある程度雑多な環境なら【スプライト】の方が勝ち越せるとは思いますが、使用率が極端に【ティアラメンツ】に偏りそうだったのでより強力なメタを貼れそうな【エクソシスター】を選ぶことに。
個人的な話になってしまいますが【エクソシスター】は前回DCでも使用したことからある程度練度が出せるデッキだと思ったのもあります。
構築
こちらが実際に使用した構築です。
走りながら採用枚数を微調整していたので最初は浮幽さくら1枚拮抗1枚のところが無限1三戦1だったりEXにバグースカが入っておらず代わりにアソフィール2枚目だったりしましたが2日目夜くらいにはこの形に落ち着きました。
何点か個人的にポイントだと思っている点について語ります。
・テーマカードの採用数
モンスターの採用枚数に関しては現状これ以外ないと思っています。
初動率を可能な限り上げるためマルファ、エリス、ステラは3枚必要で、ソフィアは先攻で展開札が足りている時に使う用の1枚、その後バディスで特殊召喚する用にもう1枚の計2枚欲しいところです。イレーヌもバディス用の1枚採用です。
基本的にデッキ内にエリスは可能な限り残しておきたいので、バディスを積極的に使う想定の際はエリスを消費せずにバディスを撃てるイレーヌとソフィアのコンビは欲しいと思ってます。
魔法罠に関しては万能サーチ兼展開札のパークスは当然3として、今回はバディスとリタニアも最大枚数の採用としています。
バディスを3枚にした理由は【ティアラメンツ】相手には1枚で強力な妨害として機能することです。相手の手札次第ではこれ1枚で勝てたりします。
このカードは自分のターンに使っても単純に手数になって強いので重ね引きしてもあまり気にならない点も優秀です。
リタニアを3枚にした理由は、バディスを3枚にしたことで発動条件を満たしやすかったこと、リタニアを素引きすることでミカエリスからバディスをサーチする余裕が生まれやすいこと、このデッキにおいて貴重な相手のバグースカを処理できるカードであることなどです。
逆に検討して試したものの結局不採用にしたのがアーメントで、即座にアソフィールを出すことで簡単にティアラを封殺しにいける点は魅力的だったのですが、場のシスターに重ねてしまうため基本盤面となるマニフィカとの噛み合いが悪いこと、割とティアラ相手でもバディスでも間に合うことが多かったこと、単体だと機能しない上にアドを稼げるカードでもないことから使いづらさの方が目立ちました。
・『絶火の大賢者ゾロア』の採用
エクソシスターというデッキは2枚初動であり、テーマのカードだけでは安定感に欠けます。なのでこの点をどうにかカバーするカードを入れることは構築上必須だと考えています。
しかしマルファの制約の関係上条件が厳しいのがネックで、現状のMDのカードプールだと候補は『絶火の大賢者ゾロア』か『強欲で金満な壺』あたりに落ち着くと思います。
前者は下級シスターを展開できる効果を持っているため単純に4枚目以降のステラのような使い方で初動のパターンを増やしてくれる上、装備したアルテミスの効果で同名をサーチすることでエクソシスターにおいて貴重な後続を確保するカードにもなれます。墓地からも特殊召喚できるため中盤以降は1枚で動けるカードになる点も評価が高いです。
後者は言わずもがな単純に手札を増やしてくれる強カードです。EXの消費がそこまで激しいデッキではないのでデメリットも気にならないと言えば嘘になりますがまあ許容範囲です。たまに3積みのミカエリス全飛びみたいな大惨事を引き起こしますが、それを差し引いてもリソースの厳しいこのデッキで2ドローは魅力的です。
単純に初動率の確保と3ターン目以降の安定感を取りたいのならゾロア、多少のリスクを飲み込んででも初動以外にも誘発等の不純物を引き込みに行きたいのなら強金という感じでしょうか。
当初は【ティアラメンツ】相手に後攻で捲り札の拮抗勝負やバグースカに対処できる無限泡影を引き込みに行けることが魅力的で強金採用型の方を考えていましたが、後述する『浮幽さくら』がかなり【ティアラメンツ】への刺さりが良さそうだったため、そちらを採用するにあたって噛み合いの悪い強金を外しゾロアの方を採用しました。
ただ、金アイコンを取得した方のエクソシスターの構築で強金とさくらを併用しているものを見かけ、今考えてみればさくらを使うシチュエーションはほぼ相手の先攻1ターン目であるため強金のコストはあまり気にならなかったのではないかとも思います。半ば思考停止で共存は不可能と判断したのは浅慮だったかもしれません。
・誘発と捲り札の選定
採用方針を説明するための比較対象として前回のDCで使用した構築を載せます。
まだ記憶に新しい方も多いかと思いますが、この頃の環境デッキはスプライトや神碑、烙印といった面々でした。
この時の汎用札の採用方針は「先攻でも後攻でも強いカード」です。
エクソシスターというデッキは妨害の手段が除去に極端に寄っているため除去の効きづらい烙印やふわんを苦手としており、これらのデッキに対してテーマの先攻盤面だけでは不安が残りました。また、スプライト等に先攻展開を誘発で妨害された際にも最低限リタニア+誘発で誤魔化せるようにしたかったというのもあり、相手の先攻展開の妨害と自分の先攻展開の補強という2つの役割を持てるカードを選びました。
一方で今回の汎用札に求めた役割は「後攻の試合を少しでも拾う」ことです。
今回は何より【ティアラメンツ】がメインの仮想敵であり、逆に言えば他のデッキとの対面はある程度切り捨てても良いような環境でした。
そして【エクソシスター】は前述した通り【ティアラメンツ】に対する妨害を成立させるハードルが低いデッキです。先攻さえ取ってしまえばテーマのギミックだけでティアラメンツには十分な勝率を確保できると考えました。
よって汎用札で先攻盤面の補強をする必要は薄く、後攻の試合を少しでも拾うためのカードに回すことにします。
大前提として【ティアラメンツ】に普通に展開された場合【エクソシスター】では盤面を返せません。
加えて、【ティアラメンツ】は手数に優れたデッキであり下手な誘発で僅かに手数を減らしたところで焼け石に水な場合も多いです。
そんな中しっかりと刺さると言えるのが増殖するGやディメンションアトラクターといった相手の手数を減らすのではなく行動に(事実上)永続的な制約を与えるタイプの誘発です。
ティアラ相手に1:1交換を行う程度の誘発ではとても止めらないため、それ以上の仕事をしてくれるカードであることが求められるというわけです。
アギドケルベクを止められ増G対策にもなる灰流うらら、ティアラにも刺さる時は刺さるだけでなくバグースカの処理札にもなる無限泡影といったカードもティアラに対して非常に強力とまではいかないものの単なる相手の手数を1手減らす以外の使い方が見込めるという点で有用です。
当然これらは採用するとして、加えて構築に入ってきたのが『浮幽さくら』でした。
これも1:1交換以上の仕事が見込める誘発であり、強く刺さった場合は1枚で機能停止レベルまで持っていけるカードです。
展開の起点を特定のEXに依存するデッキには滅法強いカードですが、チェーンに乗るEXからの特殊召喚を行うタイプのデッキである【ティアラメンツ】には、このカードが牽制だけでなく直接的な妨害として機能する点も優秀でした。
特に強いのが融合効果発動時に手札か場にカレイドハートの素材が揃ってしまっている場合で、相手の展開を阻害するだけでなく大量のリソースも奪うことが出来ます。
さらに、このカードには対【ティアラメンツ】においてもう一つの役割があります。天敵である『No.41 泥睡魔獣バグースカ』の対処です。
これが発揮されるのは主に他の誘発と重ね引きしているケースで、Gやアトラクターを投げられた相手はイシズやシェイレーンなどを使ってバグースカ単騎でのエンドを目指してくることが多いため、レベル4が2体並んだ瞬間にさくらを投げつけてバグースカを飛ばすと相手が硬直します。
せっかくアトラクターを引けてもバグースカの処理が難しく結局試合展開が長引いて負け、というケースが【エクソシスター】の悩みの種でしたが、それをある程度解決してくれるのは本当に偉いです。
発動条件の癖の強さから先攻時盤面の補強として使うのは難しいカードですが、前述したように後攻の試合を拾うカードとして割り切れば非常に優秀でした。
とはいえ【エクソシスター】の先攻盤面は基本マニフィカ単騎のためミラーや対【スプライト】においては後攻でも十分機能するカードであり、デッキとの噛み合いも良かったです。
最初は2枚で回していましたが想像以上に強かったので泣く泣く使ってないURを砕いて本番中に3枚目を生成しました。
また、同じように後攻で勝ちを掴むためのカードとして採用したのが『拮抗勝負』です。
こちらは単純に通れば相手の盤面をボロボロに出来る捲り札としての採用です。
もちろんクライムやデビフラからのエクストリオに妨害されたりリダンでケアされるケースもありますが、その場合はどうせ何やっても勝てません。
基本的に【ティアラメンツ】というデッキ自体が捲り札に強く、ワンチャン通った試合で一番勝てそうなカードがこれくらいしかなかったという事情が大きいです。
実際回してみたところ想像以上に効果的に仕事してくれる場面が多く、途中で1枚から2枚に増やしました。
おそらく【ティアラメンツ】ミラーがここまで多い環境においてはティアラ側も拮抗のケアを考える余裕は意外となく、4エクが作れるならリダンより深淵、罠を持ってくるならクライムよりサリークの方が優先度が高かったということではないかと思います。
と、ここまで後攻で有用なカードについて説明しましたが、さくらにせよ拮抗にせよ通れば確実に勝てるというほどのカードではありません。
【ティアラメンツ】というデッキはあまりに強すぎるためケアできる時は全部ケアされてしまいますし、相手の盤面を捲ろうが手札次第でまた捲り返してきます。
ただ、いくら最強デッキと言えども毎回それができるわけではないため、相手が上振れてくる時は諦めてそうじゃない試合をワンチャン拾える確率を少しでも増やすためのカードというイメージです。
余談ですが、テスト段階で早々に抜けたカードが『次元の裂け目』です。
そもそもギミック自体で【ティアラメンツ】へのメタが行えることが強みのこのデッキにおいて裂け目は先攻では過剰、後攻ではもっと有用なカードがあるという印象でした。
また、今回の構築では強力な汎用カードの『墓穴の指名者』も不採用としています。
理由ですが、この環境でこのカードに求められる役割は主に
①誘発への対処
②ティアラ下級の効果への対処
の2点だったと思います。
今回の構築では罠を厚めに取っているため誘発で即死することが少なく、①に関してはそこまで重視しなくても問題ないと判断しました。そもそもムドラケルドウが絡んだ瞬間にこちらの使い方は出来なくなるというのもあります。
そして②に関してですが、このデッキはそもそもティアラ下級の効果は一度通すことでこちらの展開に繋げる/こちらの展開をチラつかせることでそもそも効果を発動させない想定なのでわざわざこのカードで潰しに行くメリットが薄いと感じました。
とはいえ強力なカードなのは間違いないので枠があれば採用したいところではあったのですが、より採用したいカードが多かったため押し出された形です。
代わりに『抹殺の指名者』が入っていますが、このカードはムドラケルドウに妨害されない点、アトラクター下でも問題なく機能する点、拮抗勝負を止められる点などにおいて今の環境のこのデッキで使う分には墓穴より有用だと感じました。
プレイング
細かいプレイングを挙げていたらキリがないのですが、対【ティアラメンツ】において心がけていた点をいくつか挙げたいと思います。
・先攻でミカエリスでサーチするカードの選択
基本的に【ティアラメンツ】相手ならリタニアよりバディスの方がバリューが高いと思っています。ぶっちぎりでティアラ相手が多いことを考えれば基本展開でミカエリスからバディスをサーチしたいところです。
ただ、バディスは単体では【ティアラメンツ】以外の相手にはほぼ仕事をしてくれないのがネックで、マニフィカ+リタニアまで揃えばティアラメンツがこれを越えるハードルも低いわけではないことも考えると、結局はリタニアサーチが丸い気もします。
自分はざっくり以下のような場合分けでサーチ先を選んでいました。
①マニフィカが立つ場合→バディス(スプライトやミラーは割とマニフィカだけで間に合うケースも多いため)
②マニフィカが立ち、さらに追加で下級を置けるかパークスが余る場合→リタニア(バディスを使わなくても変身が可能)
③ミカエリスしか立たず手札に増Gやさくらなどの妨害札がある場合→バディス(リタニア抜きでもティアラ以外にはある程度戦えそうな場合)
④ミカエリスしか立たず手札に他の有効な妨害もない場合→リタニア(相手の下振れお祈り)
⑤アトラクター適用下の場合→リタニア(相手が墓地に触れないのでバディスを持ってくる意味が薄い)
細かい確率計算などをしたわけではなく自分の感覚によるものなのでこれが正解という自信はありませんが、一つの目安にはなると思います。
これに限らず、自分のプレイの基準をあらかじめ決めておくのは思考時間の短縮やプレイングのブレの減少になるので出来る限りやっておいた方がいいと思います。
・アソフィールの早期成立を目指す
言うまでもありませんが、【ティアラメンツ】は墓地効果の発動を軸に動くデッキです。
とりあえずアソフィールを出して効果を発動することさえ出来ればそのターン中は融合展開と爆発的なアド稼ぎは止まってくれます。
とはいえランク4展開はされてしまうためアソフィール成立だけでは大体押し切られるので追加で除去札等が必要にはなるのですが、とりあえず相手ターンに出すX体の最優先は基本的にアソフィールという点は間違いないと思います。
・ランク4成立は可能な限り阻止する
【ティアラメンツ】は融合だけでなくランク4の展開にも秀でたデッキです。この部分に関してはアトラクターでもアソフィールでも止めることが出来ず、直接的な除去を当てていくしかありません。
特に注意しなくてはならないランク4が『No.41 泥睡魔獣バグースカ』と『励輝士 ヴェルズビュート』の2枚で、これらは成立した瞬間に影響が発生してしまうので可能な限り成立前に止めたいところです。
バグースカに関してはリタニアを伏せているならそちらでも対処可能なのでまだ後回しにしてもいいのですが、ヴェルズビュートは効果発動条件を満たしている状態で成立した瞬間にこちらの盤面が消し飛ぶので絶対にケアが必要です。枚数数えてギリギリ大丈夫かと思ったらコストで枚数手札枚数減らされて効果発動、なんて事態もあり得ます。
結局は自分と相手の盤面次第なのでその時々の判断が重要にはなるのですが、基本的にランク4は成立前に止めるように意識してプレイしていました。
・余裕があればキトカロスとカレイドハート両方の除外を目指す
『沼地の魔神王』の採用がほぼ見られなくなった今のティアラメンツでは、キトカロスとカレイドハートの両方を除外してしまえば融合展開は基本的に出来ません。この2枚に除去を当てることが出来れば一気に勝ちに近づけます。
ランク4やペルレイノのような除去を撃たざるを得ない状況以外ではこの2枚を優先して狙いに行きたいところです。
特に浮幽さくらでのキトカロス除外が決まっていればカレイドハートを飛ばすだけで相手のギミックが死に体になるのは重要なポイントです。
・後攻時はまずミカエリスから入る
これはサリークのケア意識です。
永続罠のサリークは効果発動にチェーンして除外すれば無効化できるため、とりあえずミカエリスを立てて除外効果を温存したまま動けばケア出来ます。
少なくともサーチ効果の方は通せるためパークス経由でモンスターを持ってきてアソフィールを出すことで除去を通したり、それが無理でもリタニアを置いておくことで次ターン以降の展開に繋がります。
もちろん他の妨害が絡んだ時はもっと複雑化するため、あくまで誘発で相手の盤面が弱いこと前提のプレイにはなりますがティアラ対面で相手に伏せがあるならミカエリスから入って除去温存したまま動くにこしたことはないです。
各種データ
・デッキ分布
まずは当たったデッキの分布から。
事前の予想通り、圧倒的ティアラメンツ率です。
分布2%以下はその他扱いで計上しているのですが、表示されるデッキの種類も非常に少なくシンプルなグラフになってしまいました。
参考までに前回(2023年3月DC)の分布がこちら。
前回が比較的雑多な環境であったとはいえ、ここまで差があると今回の一強環境っぷりが一目瞭然です。
ちなみに、勇者環境だった第1回DCで当たった勇者ギミック入りのデッキの割合を全て合計しても4割程度だったので、ティアラは単体でそれより遥かに分布が多いということになります(もちろん個人の結果なのでブレはありますし第一回は即サレが多い環境だったので相手のデッキ不明のまま終わった試合も多いという事情はありますが)。
・戦績
戦績は以下の通りでした。
しっかりある程度先攻勝率を確保しつつ、後攻でもギリギリですが勝ち越せました。
若干先行率が高いですが2回先攻譲られてるのでコイン勝率はほぼ50%です。下振れなくて本当に良かった。
対面/先後別の戦績がこちら。
ティアラ相手には思った通り先攻でしっかり一定の勝率を出し、後攻でも勝ち越すことに成功しています。
一方で構築を若干後攻意識に寄せた影響で他のデッキへの先攻勝率はそれなりに落としています。
特に致命的なマッチアップがふわんだりぃずで、ただでさえギミックで不利を取っている対面なのに浮幽さくらなどの一切刺さらないカードを増やしているので本当に絶望的でした。
元々この対面の相性の悪さは認識していましたが、前述したようにあまり個人的に環境での評価が高くないデッキだったためそう数も多くないと踏んでおり、実際あまり当たらなかったので助かりました。
・DP推移
DPの推移グラフです。途中10連勝で一気にDPを伸ばしたと思ったら7連敗であっさり溶かし、再び3万DP後半に戻るまでにずいぶん苦労しました。
このあたりのDP帯ではティアラメンツ以外にもミラーやスプライトとのマッチアップが増えてきたのが伸び悩んだ原因だと思います。
最終DPにたどり着いたのが日曜20時半ごろでそれ以降は対戦していないのですが、どうも最終日にはシスターとスプライトが増えていたようなのでそれ以前にとっとと銀ラインに到達できて良かったと思います。
今回は100位ボーダーの推移に対して比較的DPの余裕があったためそれなりに安心してステイ出来ました。過去2回(リンクス含めると3回)の銀ステイ時は心の平穏とは程遠いギリギリっぷりだったので多少進歩出来て良かったです。
WCS予選環境の感想
いざ終わってみて他の人の結果などを眺めていてびっくりしたのが、予想以上に【エクソシスター】や【スプライト】での金アイコンや銀アイコンの入賞報告が多かったことです。
もちろん自分ではある程度勝算があると判断したため【エクソシスター】を使ったわけですが、もっと【ティアラメンツ】だらけのランキングにこっそり紛れ込む感じだと思っていました。
思ったよりこれらのメタデッキはちゃんと【ティアラメンツ】相手にも有利が取れていたようで、結果的に【ティアラメンツ】が100位以内席巻とはならなかった(それでも最多数はティアラだったと思いますが)のは遊戯王のメタゲーム構造の強さを思い知らされた気がします。
考えてみれば【ティアラメンツ】はほとんどミラーとメタデッキしか対戦相手がいなかったわけで、単純に有利を取れるマッチングが環境に存在しないデッキが勝ち組になり得なかったのは当然と言えるのかもしれません。
裏を返せば【ティアラメンツ】を使ってしっかり結果を残した人は本当に強い人だと思います。
【ティアラメンツ】はあまりに強すぎたため【スプライト】や【エクソシスター】のようなメタデッキに対するメタデッキが生まれるほどの余裕が生まれなかったこと、使用率が極端に偏ったためメタデッキ側は他の対面をある程度投げ捨ててでも対【ティアラメンツ】に特化することで勝率を出せたこと、当のティアラ自身はミラー対策に忙しくメタデッキへの対策へ構築やプレイを寄せられなかったこともこのような結果になった一因だと思います。
強すぎるが故に勝ちきれなかったというのは面白い現象ですね。
また、今までのDCでは入賞報告のなかった【カグヤGS】や【ヌメロン】、【メタビート】といったデッキが100位以内に入っているのも特徴的だと思います。
やはりどれだけ【ティアラメンツ】が歴代最強デッキだとはいえ、ここまで環境が偏るとつけ入る隙は生まれてくるということなのでしょうか。
5月に規制された沼地副葬簡易あたりが生きていたらまた結果は違った気もするので運営の環境の舵取りがめちゃくちゃ上手かったという話なのかもしれません。
そんなこんなで個人的にはWCS予選はかなり楽しめましたし、結果はかなり興味深いものでした。
とはいえ突き詰めるとティアラとそのメタデッキしか存在しない偏りっぷりはさすがに歪ですし、ランクマレベルで遊ぶ分にはもっと広いデッキの選択肢が取れる方が楽しいので規制や新カードで環境が変わるといいですね。
とりあえず自分はゼルダ姫を探しにハイラルに帰ります。
ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。
拙い文章だったかと思いますが、何かの参考になったり読み物として楽しんで貰えたのなら嬉しいです。